カメラの機能追加はメーカの義務ではない
カメラのファームウェアアップデートによる機能追加はメーカーの義務ではないとの意見が提起されています。消費者は新技術の恩恵を期待するものの、購入時に約束された機能が提供されていれば、それ以上の要求は保証されないという立場です。
(前略)
メーカのあなたに対する義務
私たちは誰もが、すでに購入した製品が改良されることを望んでいる。これは最近まで存在しなかったテクノロジーの利点であり、意味のあるものだ。しかし、良いファームウェアのアップデートを得る利点と、メーカがあなたに提供する義務を混同してはならない。
特定の機能を持つカメラを購入するとき、メーカの義務はそれらの機能をあなたに届けることだ。それが届けられれば、ハードウェアがより多くのことを実現していたとしても、あなたは自分が支払ったものに対する対価を受け取ったことになる。ますます多くのカメラが類似の部品を使用するプラットフォーム上で構築されるようになり、メーカはファームウェアで有効にされる機能に基づいて、製品を区分けすることがある。より多くのお金を支払う意思がある人は、より洗練された機能や高い性能を手に入れることになるだろう。
Nikon Z 9は発売以来、8k 60pの内部動画記録や鳥の被写体認識機能など、多岐にわたる機能を追加する複数のアップデートを受けている。同様にお気に入りのメーカが新しいモデルを出すとき、現在のモデルでは不可能なことを新しいモデルで可能にしていることを認識する必要がある。例えば、ハードウェアがそれをサポートしていたとしてもだ。
私はカメラメーカが既存の製品にアップグレードを提供すべきではないと言っているのではない。全く逆だ。それは良いビジネスであり、顧客に対して善意を示すことで、ブランドへの忠誠心を植え付けている。ただし、特定の製品についてはアップグレードを手に入れる保証はないので、そのように計画して行動する必要がある。
まず約束されていない限り、購入した日のカメラがそれ以上の機能が追加される想定をしてはいけない。購入は現在の製品が何であるかに基づいて計画する必要があり、それが何になるか、あなたが望むような機能が追加されることを期待してはいけない。将来的にアップグレードが提供された場合、それはボーナスだ。
次に購入時のそのカメラが支払った価格に値するものだと決めたことを受け入れなければならない。新しいモデルやより高価なモデルが発売されたとしても、それがもたらす追加機能に対して権利を主張することはできない。たとえ、あなたが自分のカメラでその機能を追加できると信じていたとしてもだ。
(中略)
新ファームによるアップグレードが重要であるのならば、購入前にそれを約束するメーカのカメラを購入しなければならない。しかし、たとえそうであっても、会社がビジネスの優先順位を変更すれば、それが現実のものとならない可能性があることも理解する必要がある。
(後略)
新ファームに関する様々な意見
カメラの新ファームによる新機能の追加における意見が掲載されています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事では、新ファームによる機能の追加にあまり期待をしすぎてはいけないというような意見として記述されています。メーカが新ファームによる機能追加を明言している場合を除き、すでにカメラに備わっている機能と価格でユーザが判断し購入しているのであって、それ以上を期待するべきではないという意見となっていますね。
もちろん、正常に動作しない問題や、機能しない問題点があることについては修正が必要だし、もし新ファームにより新機能が追加されたら、それはそれで嬉しいことだとしています。しかし、新ファームによる機能追加は「ボーナス」として考えたほうがいいとしています。
新ファームによる機能追加のメーカによる立場はそれぞれです。ソニーは基本的に新ファームで大きな機能追加をしていません。しかし最近では新ファームによる機能追加を示唆しており、実際に何らかの新ファームによる機能追加が実現されそうです。
一方でニコンは積極的に新ファームで新機能を追加しているメーカで、Nikon Z 6では瞳認識AFが後から追加されましたし、Nikon Z 9ではNikon Z 8に搭載された様々な新機能が後から追加されたりしています。
そして、キヤノンはニコンとソニーの中間か、もしくはソニー寄りの立場であるように見受けられます。
新ファームによる新機能の追加は、実はメーカにとってかなりの負荷になっている可能性があります。機種別にそれぞれ新機能を追加したファームウェアを開発しなければならず、それはコストとなりメーカの利益を圧迫することにつながります。
しかし継続的な新ファームによる機能追加をしていることをユーザに見せつけることで、そのメーカのカメラを購入しようという動機にもなりますので、そのあたりのコストと利益のバランスをどう考えるのかといったところは非常に難しい問題だと思いますね。
また、最近では新ファームの有償化がよく話題になっています。新ファームの開発にはそれだけコストがかかるので、それを製品の利益のみから回収しようとするのは無理があるということで、新ファームによる機能追加ぶんはしっかりコストを支払ってもらおうという考え方です。
ユーザにとってはコスト的に不利益になりかねないため、この新ファームの有償化というのは根強く反対意見があり、なかなか難しい判断です。一方で、新ファームで新機能が追加されないソニーのカメラのユーザはかなりソニーの対応に対して不満を持っている人がいるようで、これも判断が難しいところですよね。
本来は購入時のカメラの性能、購入時の価格のバランスで購入しているのだから、新ファームによる機能追加を求めるべきではないという意見もわかりますが、ユーザとしては何らかの機能追加が欲しいというのが実際のところではないかと思います。
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コメント
コメント一覧 (10件)
ファームウェアのアップグレードに関わる費用は新品価格に上乗せされていて
現状は原価の約50%を占めているメーカーも存在します。
その比率はメーカーにより様々なようで、またこれが負担になり部品を廉価な物で
賄っているメーカーも存在します。
メーカーによりファームウェアがアップグレードされないと言った不満もあるかと
思いますが原価にアップグレードに関わる費用が賄えるだけ上乗せされていなければ
出来ません。
開発費はタダではないので、バグフィックスを除き有料が良いと思います。
今はファームウェアに隠れハードに費用を掛けず高価にしている製品も存在します。
ユーザーから考えれば分離すべきですね。
どうやって紐付けするか難しい面もありますがいずれ実現するといいですね。
※以上4社ほど使った経験からの想像です。
ファームウェアアップデートをするかしないかを明確にするには、新製品の価格に上乗せよりも
サブスクのような料金体系(もしくはApple Careのような料金体系)で出してくれたほうがわかりやすくて良いのですが…
特にOMDSのような企業には導入しやすい環境かと思うのですが…。
Windowsのようなシェアが大きいとファームウェアアップデートも負担にはならないのですが、MacOSのようなハードとソフトを売ってる会社でも、osのアップデートは無料のような対応は、ハードの対応期間が短くするのとAppleCareなど絶対的にペイできる仕組みがあれぼこそなので。
もちろんファームアップは義務ではありませんが、OM-1のAFような粗削りなものは更新したほうが良いでしょうね。
ニコンも初代Z6/Z7やZ9/Z8についてはファームアップの機能強化に積極的でしたが、自分が持っていたデュアルエンジンのZ6Ⅱは機能向上がほとんどなく期待外れでした。
Z50も機能向上はほとんどなかったですが、廉価な製品でシングルエンジンのため不満はありませんでした。
初代G9PROには大きなファームアップがありましたが、像面位相差AFがなく動体撮影の性能向上には限界がありました。
ファームアップでの機能アップが必要か否かは、個別の事情によると思います。
4マウント以上並行して使っている上での見解ですが、ファームウェアの手厚さというのを戦略上重視しているメーカーもあると思います。メーカーも利益が見込めず立ち行かなくなれば有償に切り替えるでしょうし、ユーザーとしては現状無償で受けられているものをわざわざ有償に求める必要はないと思います。手厚いメーカーへ有償化でお布施したい気持ちも分かりますが、これすら一律に規制していく流れになるのは健全な市場の形では無いように思いますね。少なくともニコンなどは手厚いファームウェアアップで他社から乗り換えた、購入検討している人もチラホラいますし、売上に幾分かは寄与している現状もあります。
機能追加は必要なくて、その分新品価格を安くして欲しいということならば、最初からベーシックな廉価機を買えば良いと思うのです。
ベーシックな機能しか入ってないフラッグシップ、準フラッグシップ機を買うユーザーっているんでしょうか? 後から追加ファームが告知されているならともかくですが。
機能モリモリのカメラ(メーカー)を選ぶのか、ベーシックな機能のみでその分安価なカメラ(メーカー)、どちらを選ぶのかの購入判断はユーザー側がすべき問題だと思います。
そもそもこの議論の発端?となったOM-1の件は機能追加ファームがほとんどなかったという事よりも、AF改善のファーム(バグフィクス)が無かった事が不満の原因のように思いますのでこれを有償化の話と一緒くたにするのはちょっと違うかなと。
OM-1の件は「荒削りな面が伺える機種」に「メーカー自ら大幅ファームアップを匂わせ」ておきながら「マイナーアップデートに終わった」上に「メジャーアップデート+αとも受け取れる後継機」を「2年」で出した、という役満みたいな状況ですから……
有償化はサブスクだと、一定以上の更新内容を定期的に出すのが事実上の義務化するため難しく、対象機種と内容に応じて個別価格が限度かなと。少なくとも、ファーム以外の何かをセットにしないとでしょうね。
私はOM-1とG9Ⅱを持っています。
OM-1は画像エンジンに相当に余裕があると宣伝していました。
それはファームアップで改善していくと宣言したと同じです。
そして初期ファームアップは期待外れ。
2年と言う短さでマイナーチェンジ機を出しAFは素晴らしいと言う話です。
そのAFを次のファームアップで実現してほしいと思うのは
悪いことなんでしょうか?悪いなら宣言が嘘と言うことになります。
もしファームアップが無ければもうOMのカメラは買わないと思います。
宣言を無視するメーカーでは先が見えています。Ⅱを買っても同じ事になります。
G9Ⅱは初代G9が最終モデルでは別物と言えるほどの機能向上しています。
当然G9Ⅱにもそれを期待して買っていると言うのもあります。
量販店パナの人が言ってましたがG9Ⅱはファームアップで
機能向上していくと話していました。期待しています。
期待するからこそS1Ⅱを次の購入候補に挙げています。
MFTはOMからLUMIXに変更、レンズを15本持ってるのでMFTは使い続けますが、
ファームアップが無ければOMはもう買わないと思います。
次のカメラを買っても同じ不満が出ますからね。
そのカメラの最終性能をどこに定めるかの問題で、それは基本的にメーカーが決めることだと思います。
その範疇を超える、機能の追加を望むのであれば有償対応という形で良いのではないでしょうか。
よく挙げられるZ 9はニコンが考える“フラグシップ”を名乗るに相応しいカメラに仕上がるよう進化され続けているのであって、不必要な機能を追加更新しているわけではないでしょう。
Z 6/7無印に機能が追加された一方でⅡ型に無かったのは、開発コストやエンジンの限界は勿論ですが、発売時点で立ち位置に見合う進化が既に終了しているからだと思います。
OM-1が叩かれたのもフラグシップ機でありメーカー自身も大風呂敷を広げておきながら、ユーザーが納得できるほどの機能改善が成されなかったからではないでしょうか(今後は不明)。
ちょっと長くなるので書き足りなかった事を書きます。
SONYはファームアップなしでバグ修正のみでもほぼ完成された
形で出ているのでそれほど不満は無いと思います。
でもOM-1はあのワンちゃんの動画を見て期待して買ったのに
AFはまだ未完成でした。瞳認識はあっても人物認識が無い
不思議なメニューですが、Ⅱで改善されています。
ハードに依存するライブNDやRAWの14ビットは当然望みません。
でも枝に惑わされないAFと人物を被写体認識に入れてほしいです。
G9Ⅱは枝に隠れた鳥を認識しましたけど、OM-1は枝に食いつきます。
G9Ⅱも暗所でAFが合いにくい大枠なピント枠しか出ない不満があります。
これもファームアップでなんとかしてほしい。
ファームアップで改善していくメーカーは安心できます。
パナはファームアップで機能も増えますからねすごいです。
S5Ⅱを見送った手持ちハイレゾもファームアップで追加すると言う
羨ましい機能向上も実現してます。買い換え損なったと思った次第です。
OMもそうあって欲しいと思っています。
私は45年以上前のOM-2からのオリンパスユーザーなので
言いたいことは言わせて欲しい。
これもオリンパス、OMDSを思うからこそです。
このような不満をぶつける事でファームアップ実現に近づくかな。
ほんとファームアップが無ければもうOMは買いませんよ。
OM-1はOMDSのフラッグシップですからユーザーが満足出来るように。
これがOM-10だったら別に何も思いません。
おっと?あれ?と思ったのでコメントします。
OMDSがファームウェアアップデートをプレリリースなどで正式に匂わせた…という記憶がなかったのですが…。
自分の記憶にあるのは、写真家の方がOMDSのマネージャとの談話の中でファームウェアアップデートが期待できそうだ…と。
https://www.youtube.com/watch?v=Sal721-ouv4
でも、ユーザーの要望が多く上がればフォームウェアアップデートが可能かもという憶測記事も出ているので、
自分は要望は出し続けます。
それを公式チャンネルの動画でかつ、テロップ付きで紹介することに問題があるのでは?
明らかに期待を持たせるようなやり方ですし、これでそんなこと匂わせてない。というのはちょっと無理筋かと思います。
AFアルゴリズムの改修は物理的なアップデートがなくても可能でしょう。もしやらないのであれば何らかの方法(公式へのインタビュー記事とか動画配信内とか)で出来ない理由をアナウンスすべきだとは思います。