Nikon Z9を限界まで高ISOで撮影してみた
最新世代のカメラは、どの程度の高感度まで実用性があるのかといった記事が公開されています。この記事ではカメラの高感度耐性について詳しくお伝えします。
新しい世代のカメラが登場するたびに、その高感度写真にどれほどノイズが入るのかを見るのを心待ちにしていた日々を覚えているだろうか。それほど遠くない昔には、ISO6400が実用性の絶対的な限界であった。それ以上の感度は、せいぜいUFOやネッシー、宇宙人の着陸といった特別なイベントにしか適していなかった。今はそうではない。今回はNikon Z9を極限まで追い込み、ISO感度の限界でどれほど優れた性能を発揮するのかを示したい。どこまで高感度にできるのか、見ていこう。
(中略)
高感度写真としては、かなり印象的な結果である。
しかし、これはどうだろうか。ISO800とISO5000の差がそれほど劇的ではないと思っていないだろうか。正直に言えば、私も同じことを考えていた。早朝のカワセミの写真撮影において、より極端な比較を行うための絶好の素材を得ることができた。
最初の写真では、雄のカワセミがほとんど動かずに辛抱してくれたため、ISO720でシャッタースピードを1/30秒まで遅くすることができた。その写真を撮影した後、1/1000秒に切り替えたところ、ISOは16,000に跳ね上がった。そして、鳥が飛び立つのを待ちながら、比較のために飛び立つ直前に1枚撮影した。この2枚の写真を比較してみよう。
ここで、ようやく写真の違いが私の目にも明らかになった。特に等倍鑑賞時には、低ISOで撮影した写真のほうが羽のディテールがより多く残っている。また、フォーカスが合っていない部分における色のグラデーションも滑らかであることがわかる。ISO16,000で撮影した写真の背景は、よりコントラストが強く見えるため、ボケ味が最初の写真よりも目立っている。それでも、この結果は十分に実用に耐え得るものであると感じる。
ISO16,000の写真でも悪くない結果である。少し前であれば、そのような高感度では画像がドロドロに見えていたはずである。
(中略)
結論:
現代のフルサイズセンサーと強力な現像ソフトを組み合わせれば、文字通り闇の中に光をもたらすことができる。「ISO6400が限界」という考え方はもはや時代遅れである。今や、極めて暗い環境でも、ディテールが豊かで滑らかな階調、鮮やかな色彩に満ちた美しい画像を捉えることが可能である。
では、個人としてのISO感度の限界値はどこに設定すべきだろうか。おそらく写真家の数だけ答えがあるはずだ。しかし、私にとっての答えは、「写真を撮影するために必要な感度こそが、許容すべき感度である」ということである。たとえカメラを高感度の限界まで追い詰める必要があっても、私はそれを受け入れている。
ISO6400が限界ではない
最新型のフルサイズセンサー搭載カメラは、どの程度の高感度耐性があるのでしょうか。そのような疑問を実験によって検証した記事を、Photography Lifeが公開しています。上記はそのまとめ部分の引用であり、実際に撮影された画像なども掲載されていますので、どの程度のノイズやテクスチャがあるのかについては、本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
さて、記事を見ると、最新世代のフルサイズカメラの代表としてNikon Z9を使用した高感度耐性のテスト結果が、実際の撮影シーンに基づいて公開されています。すでにNikon Z9のラボテストやスタジオ撮影の結果も別の場所で公開されていますので、正確な比較を行いたい場合には、そのようなサイトで調べたほうがよいかもしれません。
テストの結果、ISOは6400が限界だと思っていたものの、実際にはISO 16,000まで引き上げても、ほとんど問題のない画像を撮影できたとしており、昔とは常識が変わってきていると指摘されています。
記事を読んでいて思い出したのですが、そういえば最近は芸能人などのスクープ写真も、昔と比べてノイズがかなり少なくなったように感じます。また、カラー写真も増えている印象があります。それだけカメラの高感度耐性が大幅に向上しているということかもしれません。
この記事はNikon Z9を対象としていますが、最新世代の他のフルサイズカメラでも、基本的には同等の高感度耐性があると考えてよいと思います。ただし、画素数が少ないカメラや、Nikon Z9のように積層型ではなく、非積層型センサーを採用しているカメラのほうが、高感度耐性はさらに優れていると予想されますので、そのような場合にはより高いISOでの撮影も可能かもしれません。
また、撮影シーンや目的によっては、「ISO 16,000なんてとんでもない」と感じる方もいるかもしれません。そのため、このあたりは自身の撮影スタイルや目的に応じて、柔軟に考え方を調整していく必要がありそうですね。
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIの予約開始 小売店での初値も確定
- Nikon Z6IIIが大規模アップデート 被写体検出取りモード対応
- 欧エシロールニコンへの追加出資を打診でニコン株が急騰
- さらに数多くの一眼レフ用ニコンレンズが生産を終了していると判明
- Z 24-70mm f/2.8 S IIが実現したことに開発技術者はかなり満足しているはずだ
- ニコンの次世代カメラのAF性能は大幅に向上している可能性があるとの指摘
- ヨドバシ交換レンズランキング ニコンのズームレンズが久々の1位獲得
- Z 24-70mm f/2.8 S IIは1型と何が変わったのか仕様やMTFを比較
- 【速報】ニコン シネマカメラNikon ZRを9月10日頃に発表との新情報
- ヨドバシカメラ デジタル一眼売れ筋ランキング ソニーが上位も各社が拮抗
コメント
コメント一覧 (4件)
ISOの許容範囲は定性的な話になり、結局個人の判断になる
そうするともっとISO低くてもノイズが出るからダメだと言う人もいるだろうし、反対にもっとISO高くても大丈夫という人もいる
またRAW現像はしたくない人もいる
そうするとノイズリダクションの掛け方、滑らかさがメーカー毎の評価になる
そう言う観点に立つとISO6400を基準に考える意味も相対的にかなり低下する
しかも被写体の環境にもよるし
夜と昼のISOは同じでもノイズの見え方が違う
いずれにしても、無駄にISO使う必要はないが、必要なのにケチる必要もない
その時々で適正な設定をする必要は残されており、頭が良ければ最適解を導き出せる
ただ言えるのはシャッタースピードはケチり過ぎない事かな
仮にモデル撮影であっても
いつも1/125で撮ってる様な人
1/250にすると色んな意味でラクになる
ミラーレスになって、シンクロスピード1/250対応してないカメラはオレに言わせると失格
今はどのメーカーのカメラを買っても高ISOが使えるので
メーカーも取り立てて優位性を謳うことがなくなりました。
まぁ必要十分と言えば十分。
興味深いところはは低照度の撮影でRAWでのノイズリダクションの
かけ方が違うところ。
キヤノン:低照度に向かって緩やかに減衰。
ソニー:規定以下の照度でシャープカットフィルター。
ニコン:規定以下の照度でバンドストップフィルター。
センサー性能はずっと頭打ちだけどね。
ダイナミックレンジも高感度性能ももう何年も伸びていない
だから昔はISO6400までだったが、今はISO16,000も行けるぞってのは画像処理の進化で誤魔化しているだけ。
画像処理まで含めてカメラの進化でしょう。画像処理によるノイズ低減が「誤魔化し」だとしたら、ベイヤー配列のデータから演算で擬似的に色を作り出している時点ですでに「誤魔化し」なのでは?そもそもセンサーとエンジンとソフトウェアが強調して、初めて画像を作り出せるのがデジタルカメラなのだから、そこを分ける意味はないでしょう。