ニコン DXフォーマット強化の本格始動か
ニコンはZマウントAPS-C(DXフォーマット)向けに、2本の新レンズを発表しました。F2.8通しの標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR」と、開放F1.7のマクロレンズ「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」です。これまでエントリー層向けの印象が強かったDXフォーマットにおいて、今回のAPS-Cレンズの発表は明らかにAPS-Cミラーレスカメラの次の次元に突入を感じさせるものとなっています。
ニコンのZマウントAPS-C機は、これまで「Z50」や「Zfc」といった中級機が中心で、レンズラインナップもF値が控えめな軽量モデルが主流でした。しかし、近年のAPS-C市場では、富士フイルムやソニーが高性能機を投入し、プロフェッショナル、ハイアマチュア層の支持を集めています。このような流れの中で、ニコンがDXフォーマットの本格強化に乗り出す兆しを見せたのではないかと考えられるのが、今回の2本のレンズです。
「NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR」は、フルサイズ機で“標準大三元”と呼ばれるF2.8通しズームのAPS-Cバージョンです。焦点距離はフルサイズ換算で約24-75mm相当となり、スナップからポートレート、動画撮影まで幅広く対応することができ、さらにF2.8の明るさにより、背景のボケ味や低照度下での撮影にも強く、APS-Cミラーレスカメラでの撮影の可能性を大きく広げるレンズとなっています。
また、NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7はDXレンズに多かったプラスチック製マウントではなく、金属製マウントの採用が期待されている点も見逃せません。耐久性や装着感の向上は、プロユースを意識した設計思想の表れとも言えるとおもいます。
「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」は、ニコンZマウントとして初のDX専用マクロレンズとなります。開放F1.7という明るさに加え、近接撮影性能を備え、テーブルフォトや植物、クラフト作品など、繊細な被写体を美しく描写することが可能で、APS-Cの画角では約52mm相当となり、標準レンズとしても活用できる汎用性の高さも魅力となっています。
Nikon D500のミラーレスバージョンの可能性は?
今回のレンズ群は、ボディ内手ブレ補正(IBIS)との協調補正に対応する設計となっています。これは、現行のZ50やZfcには搭載されていない機能で、明らかにボディ内手ぶれ補正が搭載されたフルサイズミラーレスカメラを意識した設計となっています。
しかし、APS-C用のレンズをフルサイズカメラで利用するユーザーは少数ではないでしょうか?もちろん小型軽量であることを考えてフルサイズカメラで利用する人はいると思いますが、限定的であると思います。従って、このことは将来的にIBISを備えたハイエンドAPS-C機の登場を強く示唆する要素となっていると思います。
これらのことから、今回のレンズ発表は、単なるラインナップ拡充ではなく、ニコンがDXフォーマットにおいて新たなフラッグシップ機を投入する布石と捉えることができる可能性がありそうです。Nikon Z90、あるいはNikon Z70といった名称で、IBIS搭載・高性能AF・高速連写・高画素センサーを備えたAPS-C機が登場すれば、競合他社に対する強力なカメラとなる可能性もかんがえられそうです。
ニコンがAPS-C用レンズのラインナップを拡充したことで、今後のニコンのAPS-Cミラーレスカメラの戦略に新たな可能性がでてきたのかもしれません。


コメント
コメント一覧 (2件)
ココで言う協調補正ってシンクロVRの事言ってんの?
それがZ50Ⅱが対象になってないから、上位機種出す根拠になるとか?
それは無理あるでしょ
将来的な話過ぎる
26MPの裏面照射センサーとか、積層センサーのAPSC出す余力は今のニコンにはないでしょ
26MPの裏面照射でも3年後の話じゃないの?
別記事のと似たコメントになっちゃいますが、APS-C機出してる中でIBIS搭載機を持たないのはニコンだけなので、出す可能性はあるとは思います。出さないとZ50系更新の度に文句が出るだろうってのもあり。
D500後継機は「旨みがあるならもう出してるでしょ」派ですが、ソニーもキヤノンも出さないなら総取りできるかも、になった可能性はありますかねぇ。
いずれにせよ、ニコンがさらにラインナップを増やせるのか問題はあります。EXPEED6搭載機の更新が終わらぬままZ9から4年経ち、従前の周期なら更新時期です。
Z7系をやめるのなら代わりに、とか?