コンデジ市場が崩壊しないことをX100VIが証明した
富士フイルムX100VIの成功は、将来にコンデジ市場は破滅するという予想を覆すことになるのでしょうか?
(前略)
X100VIへの前例のないほどの需要は、スマホがコンパクトデジタルカメラ市場を事実上破壊してしまうのではないかという暗い予想が大げさだったことを示している。
1億2100万台以上のデジタルカメラが出荷された2010年の栄光の日々には戻ることはないかもしれないが、コンパクトカメラを含むデジタルカメラの出荷と販売は堅調に推移している。
それでは写真撮影に強力なスマホには大量の選択肢がある。常識とされていたのは、ほとんどの消費者がスマホで比較的に良い写真が撮影できるようになったら、別のカメラを使うことはないだろうということだった。それでは今、何が起きているのだろうか?
スマホの輝きが失われつつあるのだろうか?ここでは、いくつかのことが起こっていると私は信じている。まず、多くの若い写真撮影者はスマホだけを使うことに少し飽き飽きしている。最新のiPhoneは友人からクールな目でみられるが、多くのAndroidスマホはそうではない。電話はどこにでもある。
しかしクールなレトロカメラは旧式のアナログモデルや、一般的にフィルム写真への関心が続いていることからもわかるように、30代未満の人々にも魅力的だ。経験豊富な写真家でなくとも注目を集めるアクセサリーである。
第二に、X100VIはSNSに投稿するときに見栄えが良いだけでなく、素敵な写真を撮影することもできる。スマホはただのスマホだ。動画はスマホで撮影することが多いので、スタイリッシュなカメラは動画を投稿すると非常に良い見栄えになる。
第三に既存のカメラファンもX100VIに惹かれている。なぜなら、誰もがたまにしか使用しない動画機能やカチャカチャと音を立てるレンズが入ったカメラバッグを備えた、かさばりプレミアム価格のミラーレスのフラッグシップモデルを望んでいるわけではないからだ(ただしハイエンドのミラーレスカメラもメーカにとっては良い利益となっている)。
富士フイルムだけではなく、ライカもQシリーズのプレミアムコンパクトで大成功を収めており、最新のQ3は絶賛されている。同社はシャオミなどのブランドを付けたスマホとの競争をまったく心配していない。
(中略)
私は富士フイルムのX100VIや他のスタイリッシュなプレミアムコンパクトの成功によって、スマホからの驚異が消え去ったと言ってるわけではないが、従来のカメラのゆっくりとした死が大げさに報告されていたということをますます確信している。
一過性のものかそうではないか
富士フイルムのX100VIの大成功はコンデジ市場に影響を与えることになるのでしょうか?スマホがコンデジ市場を破壊してしまうのではないかと言われていたが、X100VIの成功によってそうはならないかもしれないと考えているようです。
確かに最近のプレミアムコンパクトと呼ばれる高級コンデジはかなりの人気になっていて、成功を収めています。これにより高級コンデジが進む方向性を間違えなければコンデジ市場はまた復活する可能性があるのかもしれません。
ただ、個人的に思うのは、最近のプレミアムコンパクト、フィルムカメラ、オールドコンデジの流行は、単なる一過性のものかそうでないかによってずいぶん変わってくるだろうなと思います。
なぜフィルムカメラやオールドコンデジ、プレミアムコンパクトが流行しているかについては、様々な見解があります。例えば、いまのデジタルネイティブな人々はデジタルの解像性の高い動画や写真しかみたことがないので、一昔前のコンデジやフィルムで撮影された写真に魅力を感じるのではないかなどと言われています。しかし、それではプレミアムコンパクトの流行は説明できないかもしれません。
もちろん、魅力的な写真に見えるのがコンデジで、コンデジから派生した流行の可能性もあります。しかしこの流行が一過性のものだったとしたら、またプレミアムコンパクト、オールドコンデジの流行も終息し、結果的にスマホに回帰することになりコンデジ市場はさらに縮小していく可能性もあるのかなと思いますね。
また最新のコンデジに富士フイルムのフィルムシミュレーションのようなものを搭載し、オールドコンデジ風に撮影できる機能を搭載したり、それをスマホカメラで実現できるようなアプリがあれば(たぶん今すでにある)、それでいいということにもなるのかなと思います。
一方で、最近はスマホ離れが進んでいて、スマホばっかり見ているのに疲れを感じているのではないかという考えもあるようです。そのためスマホを家に置いて(比喩表現)、カメラをもって撮影にでかけるという需要も一定数あるようで、こうなるとコンデジやデジカメの流行はまだまだ続く可能性も考えられそうです。
X100VIの成功は何を意味するのでしょうか?ニコンもZ fやZ fcというレトロデザインのカメラを発売し、日本では人気になっているようですし、まだまだコンデジ市場には隠れた需要があるのかもしれません。
さらに「フジフイルムモールでX100VIが販売もサーバダウンで大混乱 夜まで混乱続く」ではX100VI販売でサーバダウンしたことについて詳しくお伝えします。
(記事元)AmateurPhotographer
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コメント
コメント一覧 (4件)
スマホがカメラを売りにできていたのも画像処理だけではなくてレンズ3つのインパクトもあるでしょうし、
X100VIが売れたのもデザインだけじゃなくて
高画素化、手ブレ補正、新エンジンによるものでしょう
Zf もフルサイズ化、Expeed7 があって売れたと思います。
素人のプロに対する憧れが地に落ちた今となっては
性能と自慢出来るデザインがセットにならないとマスには売れない時代だと思われます。
ニコンにはボディだけじゃなくてレンズでもデザインに力を入れてほしいですし、
Coolpix を作り直しているならただ復刻するだけではなくてラグジュアリーかつパワフルなものを期待します。
X100VIは大成功と言えるのでしょうか。まだ初期ロットをさばいただけで、これが1年間続かなければ大成功とは言えないと思います。
100万とも言われる需要もほとんどが転売者ニーズ。確かに月産3万台だと何年もかかりますが、当初は初期ロットで生産終了という予測もありましたが、メーカーが増産方針を掲げたことから待っていればいつかは買えるという安心感から、転売者からの購入者が減り転売が逆ざやとなるなら一気に需要も激減しそうです。
換算35mmという画角はスマホカメラよりも狭いので、使いづらいということはないのでしょうかね。28mm版も開発して欲しいです。
1ニコンユーザーとしては「COOLPIX P1000」後継機が出てほしいです。
光学125倍ズームによる換算3000㎜のお手軽カメラがこのまま消えてしまうのは大変忍びない。
あとは防水・耐衝撃性能を備えたアウトドアコンデジ「COOLPIX W300」の後継機もですね。
Zマウントシステムを中心に再編・構築が進むニコンの映像事業ですが、そのZマウントでは難しいコンセプトの企画をコンパクトデジタルカメラという形で出してニコン全体の映像システムに幅を持たせてほしいな、と最近は特に感じています。
スマホはメモ、ミラーレスはカメラ。いずれスマホは腕時計に組み込まれるでしょう。
カッコイイデザインのカメラはこれからもトレンドになり得ると思います。
フイルムカメラブームもフイルム製造のシステムや巷間の現像システムのインフラが消滅している現状では一過性のものであり、長続きはしません。
プレミアムコンデジは、写真業を生業とする私にとっては、これからの商材として大いに期待しています。