ニコンの一眼レフの新製品の噂はどうなっている?
ニコンの一眼レフ用レンズ、特にAPS-C用のレンズが次々とディスコンになっていることが明らかになっています。先日は、AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VRがディスコンになったことが明らかになりました。
これでニコンにはAF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR以外のキットレンズ用のレンズはなくなり、事実上、カメラを販売できない状態になってしまっています。従って、廉価な標準ズームと望遠ズームが再投入されない限りは、D5600やD3500の後継機種の発売は考えられない状況になっています。
このように廉価な一眼レフについて、今後の発売はあまり期待できない状況ですが、それ以外の一眼レフはどのような状況になっているのでしょうか?まずは、これまででていた一眼レフについての噂をまとめてみます。
以前の噂では、2020年の12月に2021年内に発売される一眼レフとして、D880とD580の噂がありました。どのような仕様かというと以下のような仕様になると噂されていました。
■Nikon D880の噂される仕様
・4500万画素フルサイズセンサー
・14コマ/秒の連写速度
・4k 60p
・ボディ内手振れ補正
・約4000ドル■Nikon D580の噂される仕様
・2000万画素APS-Cセンサー
・14コマ/秒の連写速度
・CFExpress Type-B/SDメモリカードのデュアルカードスロット
・4k 60p
・価格は約2000ドル
これらは例えばD880はNikon Z 7IIの一眼レフバージョン、D580がNikon Z 50の一眼レフバージョンとして発売されるのではないか?ということで噂されていたものです。しかし、2021年は残りあと1ヶ月です。新しい一眼レフの噂はまったくなく、上記の二つのカメラが発売されるのかどうかは怪しい状況です。
そして、D5700とD3600の噂も実はありました。こちらの噂はかなり古くて2019年12月の噂です。どちらも2020年内に発売される予定になっているという噂でしたが、シェアを奪い合うのを防ぐため、Nikon Z 50やNikon Z 30の発売を優先させるために発売が遅れることになっているというものです。
もう日付は2022年になろうとしていますので、このD5700とD3600の噂もほぼ間違っていたと考えられる状況になっています。一眼レフの噂に関してはほぼ外れているような状況でかなり厳しい状況になっていると考えられるかもしれません。
一眼レフが発売されない理由は?
仮定の話ですが、もし仮に一眼レフの発売の予定があるとして、発表されない理由はなぜなのでしょうか?可能性を少し考えてみます。
新型コロナの影響
まずは新型コロナの影響で人々の行動が変容して、イベントなどの自粛が続いていることでカメラの需要が低下したため一時的に発売を延期しているというような可能性はあると思います。また新型コロナウィルスの影響で様々な部品の入手が難しくなっていますので、サプライチェーンが安定するまでは戦略的な製品以外については発売や開発を延期している可能性は考えられると思います。
半導体不足の影響
新型コロナウィルスの影響によるリモートワークへの取り組みや、スマホの5G対応、PS5やXBOXなどゲーム機の新製品の発売などで半導体不足が続いています。そのため、こちらも同様に戦略的に投入する製品以外についての製造を一時的に停止する措置を行っている可能性はあると思います。
Nikon Z 9への開発リソースの投入
ニコンはソニーやキヤノンと比較してミラーレスカメラの性能的に見劣りする部分がありました。その挽回をする必要があるため、より多くの開発リソースをNikon Z 9や最新技術の開発に投入した可能性も考えられると思います。そのためD880やD580、エントリークラス一眼レフの開発を一時的に停止した可能性というのも考えられると思いますね。
Nikon Z fcへの開発リソースの投入
同様にレトロスタイルのカメラの人気に合わせた新製品を投入するため、一眼レフなどの開発リソースをZ fcに集中して新たに開発を急いで作成したという可能性も考えられるかもしれません。
ハイエンドは期待できるが、エントリーは厳しいか
一眼レフの発売が延期されている可能性について考えてきましたが、それでもキットレンズがディスコンになってしまったという事実はかなり厳しい状態を示していると思います。まず、D3x00やD5x00シリーズの一眼レフの発売はもう期待できないと考えたほうがいいと思います。今後に発売される新製品に新しいキットレンズを開発してまで投入するとは考えられません。
D580に関しては、フルサイズ用のレンズを流用すれば良いということで割り切ることができるかもしれませんが、D5x00やD3x00ではそれは厳しいと思います。このことから、最も可能性が高いのはまだレンズのラインナップが揃っているD880で、その次にフルサイズ用レンズを利用して撮影することも許容できる人々が使う機種と考えればD580の可能性はあるのだろうと思います。しかし廉価なレンズがすでにディスコンになっていますので、廉価な一眼レフに関してはかなり厳しいと思いますね。
仮に発売されるとしたら、D880はZ 7IIをベースに、D580はZ 50にZ 9の3Dトラッキングや被写体追尾性能(ライブビュー時のみ)を搭載したものになると思いますので、一眼レフを期待しているユーザからは楽しみな機種になると思うのですが、ニコンからこれらの機種が発売される可能性はあるのでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (6件)
ミラーレスにはのびしろがあり、レフはいずれ廃れてしまう技術だというのもありますが、それ以外にも
ユーザーの関心や購買力、メーカー側の開発力や生産力が分散してしまうことを考えてもニコンは F マウントから身を引いて Z マウントに注力した方が良いと思いますね。
例えばパナソニックの場合、両方ともミラーレスではありますが L マウントとマイクロフォーサーズの2マウント維持していることで、ユーザーは混乱し、開発は力をどちらにも十分に注げていないように見えます。
F と Z が別腹だと思わない方がよいですね。
>一眼レフを期待しているユーザからは楽しみな機種になると思うのですが、ニコンからこれらの機種が発売される可能性はあるのでしょうか?
無いと思います。CANONが一眼レフ機への忖度を無くしてミラーレス化へ成功し業績回復したのを見ているだけに、もう一眼レフ機は発売しないことを暗に匂わせてミラーレスへ移行してもらうことが会社存続の唯一の手段くらいに切羽詰まっているのではないでしょうか。
レフレックスカメラの技術は残した方が今後の新しい展開に
対応できると考えれば少数の機種は残すでしょうね。
その場合Zマウントはミラーを入れるスペースがないと思われるので
Fマウントも残す事になるでしょう。
キヤノンは短いフランジバックに反射ミラーを入れる特許や
2種類のセンサーをミラーで切り替える特許を出していて
レフレックスの機構は今度も使うつもりのようです。
2種類のセンサーが入れられれば低感度と高感度の切り替え
画素数の切り替えなど出来て面白そうです。
Zマウントは規格を検討する時にミラーレス以外の展開は
考えなかったようでフランジバックが短すぎますね。
カメラ市場が衰退期に入っている中で
二つのマウントを維持する事は難しいと思います。
Z9がリアルビューファインダーを載せてきたと言う事は
レフの新型はもう発売しませんと言う
暗黙の意思表示なのかもしれません。
セールストークとして、「これからもミラーレス機、一眼レフ共に発展させて行きます。」というのはあっても、実際はミラーレスに一本化ということは間違いないと思います。この思いを強くしたのは、Fマウントのレンズカタログを見たときですね。ああ、もうFマウントは終わるんだなと確信しました。
ただ、Z9などもAFやZレンズ等は全く別物ですが、ことFマウントレンズをFTZ2経由で使った場合ではD850とさほど画質は違わないとの情報もあります。
そう考えると、レフ機を愛するユーザーの方は、末永くD6、D850, D500を発売してもらうだけでも良いのかも知れませんね。今後はレンズの修理可能期間との戦いになるように思います。
いつまでもフイルムカメラの遺構の上にあぐらをかいていては商売にならないでしょう。これから問題視されてくるのはフイルムのように平面性を保持しなければならないセンサーがいつまで続くか?でしょう。すでに湾曲センサーで先鞭をつけるメーカーが出てきてもおかしくはないと思いますし、次はレンズの曲率を自在に変え得る硝材の開発でしょう。ニッチなマーケットで生き残る為に、これからは各光学メーカーに課せられた宿題は多岐にわたると思います。