LUMIX S1RIIレビュー
パナソニックのLUMIX S1RIIのレビューが公開されています。この機種はどのように評価されているのか、この記事で詳しくお伝えします。
LUMIX S1RIIは最初から開発が難しいカメラになることは分かっていた。前機種はパナソニックの静止画用カメラのフラッグシップだったが、発売以降、同社はあらゆる動画機能やワークフローツールを提供することへのこだわりで有名となった。評価すべきは、LUMIX S1RIIを非常に高性能なハイブリッドカメラに仕上げる過程で、静止画性能をあまり妥協していないように見えることだ。
(中略)
最大の懸念点はオートフォーカスシステムだ。AFの追従性能は過去のパナソニックのカメラから改善されてはいるものの、競合機と比較すると依然として大きく遅れを取っている。さらにパナソニックが一般的な被写体追従機能と被写体認識機能を分けるという独自の設計を採用しているため、動作が遅く信頼性も下がっている。バッテリーの持ちもプロフェッショナル志向のカメラとしては物足りないが、バッテリーグリップを利用すればホットスワップに対応でき、この弱点はある程度補うことができる。
動画の面ではLUMIX S1RIIに多くの推奨できるポイントがある。多彩な解像度と記録モード、内部・外部RAWへの対応、アナモフィックデスクイーズプレビュー、クラス最高レベルの手ブレ補正など、その機能の充実ぶりは圧倒的だ。積層型センサー搭載モデルと比較するとローリングシャッター性能はやや時代遅れに見えるかもしれないが、多くの映像制作・撮影の場面では十分に実用的だ。
ただしNikon Z8やEOS R5 Mark IIのような競合機にはない動画性能があるとはいえ、それらよりも優先して選択するべきかはLUMIX S1RIIの独自機能を必要とするかどうかにかかっている。LUMIX S1RIIはより低価格で最も完成された動画撮影環境を提供してくれるかもしれないが、競合機も映像制作能力において決して劣っているわけではない。
結局、このカメラ全体の評価はそういうことだ。確かに高性能で、人によっては最良の選択になるだろう。しかし、とても優秀ではあるものの、特に動画性能が高い一方で、オートフォーカス性能や全体の動作は高解像度モデルの競合機にもう少しお金をかける理由として十分に説得力がある。素早く動く被写体や動きのある被写体を撮影するのならなおさらだ。ファームウェアの更新でこれらの問題が解消する可能性はまだあるが、現時点ではLUMIX S1RIIは特別に際立つ存在とは感じられず、私たちとしては賞を与えるまでには至らなかった。
- 好きなところ
- 優れた画質
- 堅牢かつ高度にカスタマイズ可能なコントロール
- 快適な人間工学的なデザイン
- 大きくて反応の良いファインダー
- 傾斜と関節可動がある多用途ディスプレイ
- 競争力のある連写速度とプリ連写オプション
- カメラ内マルチショットにより、静止した被写体の解像度が向上する
- 堅牢なLマウントレンズエコシステム
- 豊富なビデオ機能、コーデック、解像度
- ファンにより、長期間にわたる信頼性の高いビデオ録画が可能
- 好きではないところ
- バッテリー寿命が比較的短い
- オートフォーカスのトラッキングは、ライバルほど信頼できない
- 被写体検出は標準のトラッキングオートフォーカスにフォールバックしない
- スタックセンサーカメラよりも高いローリングシャッターレート
- 高速バーストレートを考慮した比較的小さなバッファ
- 稀にAFが全く焦点を合わせられないことがある
動画機能に強いS1RII
LUMIX S1RIIのレビューをDPReviewが公開しています。上記はまとめ部分を引用したもので、より詳細なレビューや作例などもありますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
レビューでは全体的な感想として、動画向けのカメラでありながらも静止画の性能もしっかりとしており好印象だとしています。そして動画に関してはライバル機種よりも多くの機能を提供しており、動画の性能を主に考えた場合には、LUMIX S1RIIは最善の選択肢になるとしています。
一方で被写体認識と追尾の機能が別々であることや、オートフォーカスがライバル機種よりも劣っていることが指摘されていて、価格的に安いLUMIX S1RIIを選択するか、もう少しお金を支払ってライバル機種を選択するかどちらかになるとしていますね。
フルサイズ市場には、パナソニックはもちろん、ソニー、キヤノン、ニコンなどがカメラを販売しているわけで、かなり競争が激しい状態になっています。なので、何かしらの競争力がないと選択されないわけですが、それをどのような機能にまとめるかというのは難しいと思いますね。
機能的にはやや劣るけど価格は安いほうがいいのか、動画に特化して静止画の機能はあまりよくないけど価格は安いとか、何かしらの競合機種とは異なるコンセプトにならざるを得ないのかもしれません。
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センサーサイズ | 35mm フルサイズCMOSセンサー |
画素数 | 約4430万画素 |
センサークリーニング | センサーシフト方式、手動 |
イメージプロセッサ | ー |
手ぶれ補正 | 撮像素子シフト方式、5軸補正、Dual I.S.2対応 |
手ぶれ補正効果 | 最大中央8.0段 |
高速連続撮影 | 電子シャッター時:最大40コマ/秒 |
動画撮影 | 最大8.1K 30p |
シャッター速度 | メカシャッター:B(バルブ)(最大約30分)、 60~1/8,000秒 電子シャッター最大:B(バルブ)(最大約60秒)、60~1/16,000秒 |
ISO | 常用ISO:80 ~ 51200 |
フォーカスポイント | ー |
EVF | 0.5インチ 約576万ドット有機EL |
背面液晶 | 3インチ 約184万ドット タッチパネル式 |
メモリカードスロット | CFExpress Type-B/SDメモリデュアルスロット |
サイズ | 幅 約134.3mm×高さ約102.3mm×奥行約91.8mm |
重量 | 約795g (本体、バッテリー、SDメモリーカード1枚含む) |
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