シグマ 現在のカメラの機能と価格に心配
シグマ社長のインタビュー記事が掲載されています。そこでは現在のカメラの価格や機能に関して憂慮している様子がうかがえます。
- 市場縮小傾向が底を打ったように見える。当面の間、多くの写真家が一眼レフからミラーレスに切り替えており、これが市場を支えるだろう。しかし彼らがミラーレスに切り替えた後、私は市場が今後数年間で縮小することを心配している
- 私の懸念の一因は、カメラとレンズの平均価格の上昇だ。カメラとレンズに多くのお金を使ってくれるユーザの情熱には本当に感謝している。しかし、そんな高価なカメラとレンズを変えるユーザはそれほど多くないのではないかと心配しており、私たちは小売価格を合理的に保つために一生懸命努力している
- 特に最近では若い世代がスマホで大量の写真を撮影している。スマホからカメラへ切り替えをする一部の人々に期待できるが、多くの人は価格差が大きすぎて切り替えることが難しいと感じるかもしれない
- より高度な技術開発への投資は不可欠。しかしユーザにフォーカスすることも同じくらい重要だ
- 非常に技術的に印象的な仕様のカメラをいくつか見てきたが、多くの写真家が本当に必要としている機能ではないことがあるのが心配だ。今後、よりユーザフレンドリーな仕様がユーザにとってより重要になるかもしれないと私は推測している。使い安いインターフェース、持ち運びが容易なコンパクトで軽量なボディ、またはその他の仕様がより重要になるかもしれない。
記事ではシグマの社長が、カメラとレンズの価格が上昇していること、そしてカメラに必要以上の機能が追加されていることについて懸念を抱いているようです。
これまでカメラメーカは廉価なコンデジを数多く販売して利益を稼いでいました。しかしスマホやガラケーのカメラでコンデジが売れなくなると、今度は大きなセンサーサイズの高級コンデジに力を注ぐことになります。つまり薄利多売で得てきた利益を、今度は高利益率で高価格の高級コンデジで補おうとしていたわけですね。その後に高級コンデジも行き詰まると、今度はミラーレス、動画向けのカメラなどへ集中することになっていきます。
その過程でこれまで廉価コンデジや高級コンデジで稼いでいた利益をミラーレスのみで賄う必要がでてきたため、ミラーレスカメラの価格がどうしても高くなってしまうのは仕方がないことだと思いますね。しかし、より高機能なセンサーを利用しなければならなかったり、AIを利用した被写体認識など新しい技術開発に使用したコストを回収しなければならなかったり、エネルギーや原材料費、インフレなどもあってカメラの価格は非常に高くなってしまいました。
確かにこのままだと気軽にカメラを変えるという状況とはほど遠い状況になる可能性があると思いますね。複数のメーカがあるので技術競争になるのは当然で、その結果、カメラの価格も高くなってしまうのは仕方がないと思います。しかし、それによってカメラを購入したい、カメラで撮影したいという人が断念せざるを得ないような価格になってしまうと本末転倒なので、なかなか難しい問題ではありますよね。
そういう意味で機能をある程度絞って、安い価格のカメラがあると、確かにいいのかもしれません。
(記事元)DPREVIEW
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コメント
コメント一覧 (2件)
少し前は新型機が発売され機能の進歩があっても価格は
殆ど上がらなかったですね。
今は全てが高価になり中級機が10年前の2倍程度の価格に
なっているような気がします。
ユーザーさん自身も機能アップと共に売れ行きが落ちたから
仕方がないと言った姿勢で価格が上がる事を容認しているので
仕方が無いのかもしれません。
山木社長の懸念はその通りで先行き心配ではありますね。
10年前はデジタル一眼レフの廉価機のレンズキットがヨドバシカメラで
32、800円で買えました。(新型機発売直後での旧型機ですが)
今は構造が簡単なミラーレスでも安くて10万円ですね。
所得は上がらずカメラは高くなりました。
日本は円安が進行したので、新製品や価格改定などで特に高くなったように感じますね。
現代ではスマートフォンには必ずカメラが付いており、世界中の人が写真や動画を自然に撮るようになったので、実はカメラを必要とする人の裾野は広がっているのではないかと思います。
ですので、日本だけで見るとカメラの価格が上昇する一方で将来を悲観したくなりますが、カメラメーカー自体は意外と大丈夫なのではないでしょうか。
あと心配なのは、日本のカメラメーカーが不必要なほどの高性能や高機能を詰め込んできているのは家電でも通ってきた道で、必要十分な性能の製品が中国などのメーカーから安価に出てきて、それでいいやとなると足元をすくわれるかもしれませんね。