キヤノンはAPS-Cラインナップの見直しが必要?
キヤノンはAPS-Cミラーレスカメラのラインナップの見直しが必要だという主張が公開されています。なぜラインナップの見直しが必要だと考えているのでしょうか?
今年のキヤノンは、ほぼ全てのフルサイズカメラが刷新される年になるようだ。EOS R5 Mark II、EOS R1が登場し、噂が正しければ今年の後半にEOS R6 Mark IIIも登場する。2023年初めに発売されたEOS R8を除いて、キヤノンはほぼすべてのフルサイズカメラの刷新を完了した。しかし、注目すべきは、キヤノンのRFカメラのなかで最も競争力が低いと考えられるAPS-Cのラインナップの更新がないことだ。
来年はAPS-Cに注力すると聞いているが、これは私が2025年のキヤノンに期待するもので、小型な高性能なカメラを評価するユーザが実現してほしいことだ。
もう一つの重要な問題はキヤノンには良いAPS-Cの単焦点レンズや大口径ズームがないことだが、これは主にタムロンやシグマが補っている。私はキヤノンがEF-M 32mm F1.4をRF-Sマウント向けに再び発売することを望んでいるが、これはキヤノンにとっては現実的ではないようだ。
EOS-Mから学んだ教訓
EOS-Mは小型と携帯性に焦点を当てていたが、現在、EOS-Mシリーズは廃止されており、これはキヤノンの現行ラインナップで対応していない明らかなギャップがある。
キヤノンは常にマーケティングにおいてグローバルなアプローチを採用してきた。北米では売れないカメラでも、アジアや他の市場では非常に魅力的になることがてある。大部分において、RF APS-Cシステムでこれを試みているようだが、通常のような成功には至っていない。
これは友人と私が将来のカメラについて話しているときに思い浮かんだことで、個人的に見たり使ったりしたいと思っているものだ。私はキヤノンのフルサイズレンズとカメラが大好きだが、普段旅行している場所では持ち運びが難しい。私が欲しいのは非常に旅行に適した小型のAPS-Cシステムだ。しかし、私はキヤノンのRF-Sカメラには全く興味がなく、どのAPS-Cカメラを入手しても、それはキヤノンが長期的にどのようなラインナップにするのか理解するまでの「間に合わせ」でしかない。
このことは友人が旅行用のシステムとして富士フイルムのシステムを検討するきっかけにもなった。もし二人の本当のキヤノンファンがキヤノンのRF-Sを見限り、他のシステムを検討しているとするなら、ここには根本的な問題があると言えるだろう。
サイズは重要
一般的な信念とは反対に、少なくともカメラにおいてサイズは重要だ。いくつかの市場は他の市場よりもカメラのサイズを重要視している。
日本市場を考えてみて欲しい。カメラが安くなくても小型であれば通常はよく売れる。これはソニーのZV-E10 IIが非常に安価な競合を抑えて1位に君臨していることで証明されている。
キヤノンはかつてEOS-Mラインナップや小型一眼レフのラインナップがあったため、通常はこの競争において成功していたが、ソニーやニコンとは異なりRFマウントではこのアプローチを採用していない。Nikon Z 30は大きいが背面をみるとEOS R10、EOS R7のコントロールレイアウトに近いことがわかる。
上記のカメラの中で実際に消費者向けのコントロールレイアウトを採用しているのはキヤノンだけだ。
(後略)
APS-Cラインナップは充実しているが・・・
記事ではキヤノンはAPS-Cに注力しておらず魅力的に乏しいため2025年にはAPS-Cミラーレスにしてほしいと記述されています。上記はその記事の導入部分で、このあとにそれぞれのAPS-Cミラーレスカメラについて、どのようなカメラとして発売してほしいか記述されていますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事ではAPS-Cカメラを購入しようと考えたとき、キヤノンのカメラは選択肢に入らず、富士フイルムのカメラなどを検討するかもしれないと述べています。そしてそのような状態にあるのは望ましくなく、キヤノンはAPS-Cに注力してほしいとしていますね。
主に望んでいることは3つあるようで、一つ目は全体的に機能を向上させること、二つ目はEOS R7 Mark IIはフラッグシップとして発売しEOS R5 Mark IIのAPS-C版のようなものにしてほしいようです。最後はかつてのEOS-Mのような非常に小型なカメラが必要だとしています。
RFマウントはEマウントなどと比較すると大きいので、Eマウントほど小さいカメラとして発売することはできないわけですが、ニコンがNikon Z 30でやっているようなカメラは発売可能なので、このようなカメラを発売してほしいと考えているようです。そして廉価な製品のターゲットを考えればEVFは必要なくタッチ式背面液晶があればいいのではというようなことも示唆しています。
確かにZV-E10やNikon Z30が売れているのをみると、EVFがないEOS R50のようなカメラはあったら面白いかもしれませんね。小さなカメラが欲しい人にとっては魅力的な選択肢になると思います。その場合、広角パンケーキのようなレンズも用意しなければならないかもしれません。
また既存のフルサイズの利用者のサブ機になるAPS-Cカメラも欲しいとしていて、それがEOS R7 Mark IIになってほしいようです。ここはニコンでもNikon Z50より上に位置するNikon Z70のようなカメラが期待されていますが、APS-Cのフラッグシップは本当に難しい立ち位置で、キヤノンがEOS R7を発売していることも頑張っているなという感じなので、EOS R5 Mark IIのAPS-C版みたいなカメラは実現するのかは微妙なところかもしれません。
ここでポイントとなりそうなのは以下をどのように組み合わせるのか?ということになりそうです。
- 積層型センサーか通常センサーか
- サイズの大小
- 取り扱いしやすい本格的なエルゴノミクス(カメラのデザイン)
- EVFの有無
- より本格的なコントロールか、それとも初心者向けのコントロールレイアウトか
- ボディ内手ぶれ補正の有無
これだけでも2の6乗の組み合わせがあり、どれが欠けても満足できない人は満足しないでしょうから、完全に自分の欲しいカメラとなると手に入れるのは難しいのかもしれません。
でもEOSシリーズはR7、R10、R50、R100がありAPS-Cラインナップとしてはかなり充実していると思います。そしてEOS R50は海外ではわかりませんが、国内ではかなり売れているカメラですので、キヤノンは十分にAPS-Cにも注力していると思いますね。カメラの仕様を決めるのは本当に難しいものだなと思いますね。
(記事元)CanonRumors
- カメラのキタムラ売れ筋ランキング Nikon Z30が首位 EOS R5 IIが2位で猛追
- サムヤンのRF-Sレンズは正式認可を受けている!? キヤノンのレンズ戦略に変化か?
- EOS R1は報道スポーツ写真に理想的だが少し専門的になりすぎたかもしれない
- キヤノンが24-130mm f/4、24-80mm f/2.8のレンズ特許を出願
- キヤノン R6 III、積層センサーのR7 II、プロ向けRF-Sレンズ2本計画中か
- キヤノンRF50mm F1.4 L VCMの供給不足を告知 通常より時間がかかる可能性
- キヤノン EOS R1のテクノロジを解説する特設ページ公開 クロスAFの技術ほか
- RF70-200mm F2.8 L IS USM Zに白と黒のカラバリが設定された理由が判明
- キヤノンのRF200-500mmはf/4ではなくf/5.6になるという噂が急浮上
- RF35mm F1.4 L VCMは複雑なレンズで賛否両論になるのは明らか
コメント
コメント一覧 (6件)
ZV-E10IIが1位に君臨してるのは今月発売だからでしょう。長期的に前モデルと同じ売れ方をするかなど今わかるはずもなく、現時点の比較対象としては大間違いです。
EVF無しカメラを出さない理由はわかりませんが、EVFあるとそんなに収納性落ちますかね? 頭と背面の突起が消えたところで、結局レンズが突き出てるから大差無いと思うんですが……パンケーキつけてたとしてもコンデジのようにポケットに仕舞いたくはないですね、私は。
何ならR50の方がZV-E10IIより1〜2g軽いですし……ZV-E10比較なら30g重いですが。
結局のところ、自分の欲しいカメラを出してくれない、と言っているだけでしょうね。
そう言う事じゃなくて余計な機能に兼ね払いたくないって事じゃね?
元記事読みました? むしろあれこれ機能追加しろって話してますけど。
機械翻訳すれば「ZV-E10 II は、EVF ビューファインダーなしでも日本でよく売れており、R50 カメラの価格をはるかに上回って売れています。」のような記載があることは読めますよね? お願いだから人に何か言う前に元記事くらい読んでくださいよ。
EVFレスのAPS-C機は出してもいいように思いますね。
写真を撮るときにファインダーを覗くということを全くしない人も多いように思いますし、そういう人からするとファインダーは不要どころか仰々しく感じるのもありそうです。
X100やGR、α7Cシリーズが売れてるのももしかしたら一眼レフのような位置にファインダーがない = 仰々しく見えないというのもあるかもしれません。
R50のEVFレス版 (ちょっとレトロっぽいデザインにして) が出たらR50とどっちが売れるのか気になりますね。
R7が積層センサーになるかどうかで状況は変わると予想
何故ならR7Ⅱだけ飛び抜けて高いカメラになるから、積層センサーになると
R10との間が開く
そうすると現状R10の下位はR50
だからR20、R30、R40が空き番になる
以前の様な二桁機の10の桁が増える形にならない
マーク2、マーク3、マーク4みたいに後継機が出る
だからR10Ⅱが格上げされて、IBISが付くとか、EVFのドット数が増えるとか、場合によっては裏面照射センサーになるみたいな展開は予想される
だからR20シリーズが実質的なR10シリーズの後継機になるみたいな展開は十分考えられる
そうすればR50シリーズをそんなにイジらなくても済む
R100が評判悪いから、R60シリーズみたいなのが将来的に出る可能性はありそうだけど
特にR50シリーズが結構進化してたりするなら
正直ソニーはAPSCはやる気ないし、ニコンは生産能力が低くて量産できないから、ココを拡充するとキヤノンは確かに盤石にはなる
ただ今のミラーレス業界全体の生産台数が480万台、月産40万台体制ではこれ以上モデル数増やすのは得策じゃない
一眼レフ分が完全にミラーレスに切り替わった上で、月産60万台、年間700万台大台に乗らないとキヤノン単体で見るにしても、モデル増やすメリットが見当たらない気もする
各モデル機能的に上位にスライドさせれば十分程度にしか考えないと思うから
常々思っているのですが何故かキヤノンでは高性能APS-C機に対しては肯定的な声が多い反面、ニコンでは否定的な声が大多数なんでしょうね。どちらもレフ機時代に7D、D500等高性能APS-C機のユーザーを抱えているメーカーです。
個人的にはR7markⅡで積層型になり全体的に性能・剛性が底上げ(価格up)されることには賛成なのですが、これならばR5markⅡのクロップでなんら問題ないはずです(Z90に対するZ8があるから不要論に則れば)。
その分、R10は性能upして(メカ1/8000に対応してもらいたい)、R7の最安値くらいの価格帯にスライドするのが良いと思います。
R10より下のモデルは2年更新くらいでどんどんサイクルを回していって良いのではないかと思います。