Nikon ZR vs LUMIX S5IIX
要約
LUMIX S5IIXとNikon ZRを比較する理由は、コストパフォーマンスにある。LUMIX S5IIXは新品で約2,000ドル、Nikon ZRは2,200ドルである。どちらもフルサイズセンサー搭載の予算モデルとして非常に優れており、この価格帯、あるいはそれ以上の価格帯でも最高の機能を提供している。
画質に関しては、両者は非常に似ている。Nikonは6K 60fps、N-RAW、ProRes RAW、R3D NE RAW(12bitコーデック)に対応している。これはREDカメラの16bitコーデックには及ばないが、REDのカラ―サイエンスを持ち、REDカメラのメインカメラやサブカメラとしても優れている。
H.265では5.3K 60fps、4K 120fpsが可能。ただし、4Kでは1.5倍のクロップがかかる。LUMIX S5IIXもProRes RAWに対応しているが、外部SSDへの記録が必要で、6Kは30fpsまで。4K 60fpsはAPS-Cクロップが必要。Nikon ZRはCFexpress Type Bカードに内部記録可能で、H.265モードもある。解像度とフレームレートではNikon ZRが優れている。
画質の見た目は大きく変わらないが、使用するコーデックによって色味が異なる。特にR3Dコーデックは非常にシャープでディテールが豊かであり、Nikon ZRで使用するには最適。色調、ハイライト、シャドウなどの調整の自由度が高い。
どちらのカメラでも良い映像が得られない場合、自分のスキルを見直す必要がある。どちらも非常に高性能である。Nikon ZRのR3D NEは12bitの内部RAWコーデックで、画像の調整において高い柔軟性を持つ。
LUMIX S5IIXの大きな利点はオープンゲート記録に対応している点である。Nikon ZR、ソニーは非対応。キヤノンのEOS C50は対応している。オープンゲートは、3:2センサー全体を使って撮影し、16:9や9:16などのクロップに対応できるため、SNS向けのコンテンツ制作において非常に有用である。
手ブレ補正に関しては、LUMIX S5IIXは非常に優れている。ジンバルが不要なレベルであり、ボディ内手ぶれ補正とデジタル補正を活用すれば手持ち撮影でも安定した映像が得られる。Nikon ZRでは、5.3K撮影時にデジタル手ブレ補正が使用できず、4Kに落とす必要がある。
LUMIX S5IIXはアナモフィックレンズ用のデスキューズ機能と手ブレ補正モードを複数搭載しており、オープンゲート記録と組み合わせることで大きな利点となる。Nikon ZRはアナモフィックデスキューズに対応しておらず、外部モニターが必要。また、Nikon ZRはマイクロHDMI端子だが、LUMIX S5IIXはフルサイズHDMIを搭載している。
音声面では、Nikon ZRがLUMIX S5IIXを圧倒している。ZRは32bitフロートの内部録音に対応し、内蔵マイク、3.5mmジャック、ホットシュー経由でも録音可能。将来的にはショットガンマイクも登場予定。
オーバーヒートに関しては、LUMIX S5IIXでの報告は少なく、内蔵ファンを搭載している。Nikon ZRはパッシブ冷却のみだが、これまで大きな問題は報告されていない。長期的な信頼性は今後の使用で明らかになる。
動画撮影を主とするなら、Nikon ZRはビデオ撮影者向けに設計されている。タリーランプなどの機能が搭載されている。LUMIX S5IIXはハイブリッド機で、写真と動画の両方に対応。メカニカルシャッターを搭載し、1/18000秒のシャッタースピードに対応。屋内撮影でのバンディングが発生しにくい。Nikon ZRは電子シャッターのみで、屋内撮影には不向き。
レンズに関しては、Lマウントアライアンスが拡大しており、サードパーティ製レンズも増加中。Zマウントは純正レンズが少ないが、サードパーティ製は多い。Mega DAPアダプターを使えば、EマウントレンズをNikon ZRでAF対応のまま使用可能。
Nikon ZRでのオートフォーカス性能は非常に優れており、ソニーの50mm F1.2レンズを使用しても、F1.2開放でオブジェクトトラッキングが可能。顔認識も優れており、被写体にしっかり追従する。これはソニーユーザーがニコンのシステムに移行する際の大きな利点である。
異なる魅力のある両機種
Nikon ZRとLUMIX S5IIXを比較する動画が公開され話題になっています。上記は一部を引用したものになりますので、すべては本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
上記の文章だけでは少し分かりにくいので、Nikon ZRとLUMIX S5IIXのメリットとデメリットについてまとめてみました。
LUMIX S5IIX メリット
- 価格が安い:約2,000ドルでコスパ良好。
- オープンゲート記録対応:3:2センサー全体を使えるので、SNS向けの縦横比変更が自在。
- 手ブレ補正が強力:ボディ内手ぶれ補正+デジタル補正でジンバル不要なレベル。
- アナモフィック対応:デスキューズ機能や手ブレ補正モードが豊富。
- フルサイズHDMI端子:外部モニター接続が安定。
- メカニカルシャッター搭載:1/18000秒対応で屋内撮影時のバンディングが少ない。
- 内蔵ファンあり:オーバーヒートの心配が少ない。
- Lマウントアライアンス:対応レンズが増加中。
LUMIX S5II Xデメリット
- 6Kは30fpsまで:高フレームレート撮影に制限あり。
- 4K 60fpsはAPS-Cクロップが必要。
- ProRes RAWは外部SSDが必要。
- 音声録音機能がNikon ZRに劣る(32bitフロート非対応)。
Nikon ZRメリット
- 高解像度&高フレームレート:6K 60fps、5.3K 60fps、4K 120fps対応。
- 多彩なRAWコーデック:N-RAW、ProRes RAW、R3D NE(12bit)などに対応。
- 内部記録が可能:CFexpress Type Bカードで高ビットレート記録。
- 32bitフロート音声録音対応:高品質な音声収録が可能。
- 優れたAF性能:F1.2でも高精度なオブジェクトトラッキングと顔認識。
- タリーランプ搭載:動画撮影に便利。
- EマウントレンズのAF使用が可能(Mega DAPアダプター経由)。
Nikon ZR デメリット
- 価格がやや高め:約2,200ドル。
- オープンゲート記録非対応。
- 手ブレ補正が弱め:5.3K撮影時はデジタル補正が使えず、4Kにダウンスケールが必要。
- アナモフィックデスキューズ非対応:外部モニターが必要。
- マイクロHDMI端子:接続の安定性にやや難あり。
- 電子シャッターのみ:屋内撮影でバンディングが出やすい可能性。
このように、どちらも一長一短で非常に悩みますね。Nikon ZRは価格がやや高めとの評価ですが、海外で200ドルの違いで約3万円の差ですので、高めと表現するような違いではなく、ほぼ同価格のカメラと言えるのではないかと思います。そう考えると、さらに迷いそうです。
LUMIX S5IIXを選択する理由としては、やはりオープンゲートの撮影が可能で、デスキューズ機能にも対応、内蔵ファンがあり連続撮影に向いているところでしょうか?一方、Nikon ZRはREDのカラーサイエンスが採用され、REDのカメラと同様のワークフローで作業ができるほか、32bitフロート録音が可能で編集の幅が広いことがあげられそうです。
結論としては低価格なカメラであるのに、どちらも非常に高機能な動画性能を提供しているということは間違いなさそうです。特にLUMIX S5IIXはメカシャッターがあることから静止画の撮影にも向いているということで、すべてを1台のカメラで賄いたい場合にLUMIX S5IIXはいい選択肢になりそうです。
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Nikon ZR 主な仕様
| 型式 | レンズ交換式デジタルカメラ |
| レンズマウント | ニコン Z マウント |
| 有効画素数 | 2450万画素 |
| 撮影素子 | 35.9×23.9mmサイズCMOSセンサー(フルサイズ/FXフォーマット) |
| ボディー内手ブレ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 |
| シャッター | 電子シャッター、電子シャッター音あり |
| シャッタースピード | 1/16000~30秒 |
| フォーカスポイント | 273点(シングルポイントAF時)、299点(オートエリアAF時) |
| 連続撮影速度 | ・低速連続撮影:約1~7コマ/秒 ・高速連続撮影:約16コマ/秒 ・高速連続撮影(拡張):約20コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー +(C15):約15コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー +(C30):約30コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー +(C60):約60コマ/秒 ・ハイスピードフレームキャプチャー +(C120):約120コマ/秒 |
| ISO感度(推奨露光指数) 動画撮影時 | 撮影モードM:ISO 100~51200、ISO 51200に対し約0.3、0.7、1段、2段(ISO 204800相当)の増感が設定可能 感度自動制御が可能、制御上限感度が設定可能(R3Dモードを除く)※動画記録ファイル形式R3D NE 12-bit(R3D)設定時は、ベースISO感度として低感度(ISO 800)または高感度(ISO 6400)を選択可能※階調モードHLG設定時は、ISO 400~51200※階調モードN-Log設定時は、ISO 800~51200 ISO800に対し約0.3、0.7、1段、1.3段、1.7段、2段の減感が可能撮影モードP、S、A:感度自動制御(ISO 100~Hi 2.0)、制御上限感度が設定可能オート:感度自動制御(ISO 100~51200) |
| ダイナミックレンジ | 15+stops(Log3G10) |
| 映像圧縮方式 | R3D NE(12bit)、N-RAW(12bit)、Apple ProRes RAW HQ、Apple ProRes 422 HQ、H.265/HEVC(8bit/10bit)、H.264/AVC(8bit) |
| 画像モニター | バリアングル式/4.0型LCDモニター(タッチパネル)、アスペクト比16:10、約307万ドット、表示最大輝度1000cd/m2 |
| 記録媒体 | CFexpress(Type B)、XQD、microSD |
| 寸法(幅x高さx奥行き) | 約134×80.5×49mm |
| 質量(重さ) | 約630g(バッテリー及びメモリーカード2枚を含む、ボディーキャップ、デジタルアクセサリーシューカバーを除く)、約540g(本体のみ) |






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