光学ドライブの入手が難しくなっている?
先日、ネットで5インチベイに搭載するタイプの光学ドライブの入手が難しくなっているという記事を目にしました。記事によれば、5インチベイに搭載するタイプの光学ドライブ全般が入手しにくくなっているようですが、特にバルクの光学ドライブの入手が難しくなっているようです。
先日、とあるPCパーツショップを訪れた際、「5インチの光学ドライブがなくなっている」というネット記事を思い出し、実際にドライブコーナーを覗いてみました。すると、以前は数多くの製品が並んでいたはずの棚が、確かに閑散としています。特に、PC自作派の御用達だった「バルク品」は、ほとんど見かけなくなっていました。
撮影した画像を光学メディアに記録して保管しているという人は今でもまだ多いと思います。しかし、これらの光学ドライブの入手が難しくなると、光学メディアを保存メディアとすることは難しくなってしまうかもしれません。
そもそも「バルク品」とは何でしょうか?これは、PCメーカーやショップがPCを組み立てるために仕入れる、個別の箱に入っていない簡易包装の製品のことです。マニュアルやソフトウェア、接続ケーブルなどが付属しない代わりに、価格が安く設定されているのが特徴でした。そのため、自作PCユーザーにとっては、コストを抑えてPCを組むための重要な選択肢だったのです。
化粧箱入りの光学ドライブが4000円から5000円ほどの価格で販売されているのに対し、ビニール袋に入れられているだけのバルク品は3000円程度で入手できたため、非常にお得な製品でした。
では、なぜこのバルクの5インチ光学ドライブが減ってしまったのでしょうか。その最大の要因は、PC本体、特にデスクトップPCのトレンドの変化にありそうです。
一昔前は、タワー型のデスクトップPCが主流で、多くの製品に5インチベイが搭載されていました。しかし、近年では省スペース化が進み、小型のPCケースが人気を集めています。それに伴い、PCケースから5インチベイが省略されることが多くなりました。
また、5インチベイが搭載されているPCでも、最初からスリムタイプの光学ドライブが内蔵されているモデルが増えています。ノートPCではもともとスリムタイプの光学ドライブが主流でしたが、この流れがデスクトップPCにも及んでいます。
こうした市場の変化により、バルクの5インチ光学ドライブの需要は大きく減少しました。需要がなくなれば、メーカーも生産を絞り、流通量も少なくなります。その結果、店頭からバルク品が姿を消しつつあるようです。
実は筆者のデスクトップでも、もう何年も内蔵の光学ドライブは搭載していません。バルクの光学ドライブは品質が悪く、1年もすればトレイが開くなることが多く使い物にならない製品が多かったです。また、光学ドライブはほとんど使わなくなったため、すべてのPCで光学ドライブを内蔵するのはコスト的に無駄なので、ならば外付けの光学ドライブ1台を複数のPCで使い回したほうがコスト的にも良いということで、結局は外付けの光学ドライブを購入して保管しています。
光学ドライブは終焉か
さらに、追い打ちをかけるように、光学メディアを取り巻く環境にも大きな変化が訪れています。ソニーは2025年2月をもって、ブルーレイディスクメディアの生産を終了すると発表しました。これは、長年光学メディアを牽引してきたメーカーが、その歴史に一区切りをつけるという、象徴的な出来事だと思います
また、家庭用ゲーム機の分野でも、この流れが続いています。ソニーの最新ゲーム機「PlayStation 5」には、光学ドライブを搭載しない「デジタル・エディション」というモデルが存在します。これは、ゲームのダウンロード販売が主流となり、もはや物理的なディスクがなくても、ゲームを楽しむことが当たり前になったことを示しています。
これらの動向は、PCパーツとしての光学ドライブの需要が、今後さらに減少していくことを示唆しています。将来的には、5インチ光学ドライブ自体が販売されなくなる可能性も否定できません。もし、今でもCDやDVD、Blu-rayなどの光学メディアに大切なデータを保存したいと考えている方は、今のうちに予備のドライブを購入しておくのも一つの手かもしれません。
しかし、現時点ではまだあまり心配しなくても大丈夫なようです。スリムタイプの光学ドライブは、今でも多くのノートPCに採用されているため、今でも豊富な製品が店頭に並んでいます。いまのところ直ちに入手が困難になることはないと思われます。
今回の「バルクの5インチ光学ドライブの減少」は、PCの進化と市場の変化を象徴する出来事と言えますね。今後は、自作PCでもスリムドライブや外付けドライブが主流になっていくことでしょう。そして、この流れは、単なるパーツのトレンドではなく、データ保存のあり方そのものが、物理メディアからデジタルへと移行している、時代の大きな節目を物語っているのかもしれません。
そして撮影した画像の保存方法も、さらに別の方法に変えていく必要がありそうです。
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