Nikon Z 6IIIの発売からみるニコンの問題点と今後の新製品
Nikon Z 6IIIの発表までの経緯からみたニコンの今後の戦略、そして次の新製品についての記事が公開されています。ニコンは今後、どのような戦略を採用していき、どのようなカメラを発売する可能性があるのでしょうか?
ニコンは中国問題を抱えている
Nikon Z 6IIIに関する発表前の情報の正確であるか、あるいはそれに近い情報のほとんどすべてが中国からのものだった。中国はニコンの製品販売において北米と同じぐらい重要(あるいはそれ以上)になっているので、ニコンはその国での新製品発表を盛り上げることを望んでいるが、それはニコンの通常の秘密主義を犠牲にしている。最も正確な情報漏洩は3月頃から始まった。これは初期のカメラ本体がニコンのスタッフに配布され始めた頃だ。
ニコンの秘密戦略には、秘密であり続けることが必要
もっと正確には、驚きを抱かせることだ。Nikon Z 9(およびNikon Z 8)でメカシャッターをなくしたことはサプライズだった。そしてNikon Z 8が本当にスモールNikon Z 9であることもサプライズだった。Nikon Z fは、Nikon Z fcがすでに存在していたため完全なサプライズではなかったが、ニコン初となるピクセルシフト機能などを含むその内部は非常に現代的でサプライズだった。Nikon Z 6IIIのサプライズは基本的にソニーのファンを否定し続けていることだ。ニコンはまだイメージセンサーを設計、開発している。私はニコンの現在のマーケティング戦略は、大きなサプライズなしには機能しないと思う。
(中略)
センサー関連はすべてソニーが作業を行うという神話の復活
その一部はニコンが次のα7Sのセンサーへの早期アクセスをなんとか得ることができたという主張と一緒にやってきた(馬鹿げている)。現実は、ソニーセミコンダクターは独立した組織であり、また時々、Nikon Precisionと密接に連携している。この協力的な関係は1980年代までさかのぼることができ、今日でも続いている。ソニーセミコンダクターがイメージセンサーを作成するために使用するツール、そしてしばしばライセンスは、ソニー以外の多くのところから来ている。新しいアイデアと技術はソニーセミコンダクターの内外で生まれている。私だけではなく、はるかに多くのメディアによって報告されているように、ニコンにはかなり広範囲なセンサー設計グループがあり、まだ見られていない技術の特許を活発に取得している。そのニコンのセンサーグループはまた、Nikon Precisionと連携している。ソニーセミコンダクタと連携している企業、そしてレンズの舞台裏で何が起きているかについては話すまでもない。各日本企業には強みと弱みがあるが、ある形の協力をすることですべてがうまくいくようになることを昔から学んでいる。カメラやレンズの分野で中国の参入が本格化しており、日本企業の将来にとっては必要なことだと思う。
Nikon Z 6IIIは皆さんが望んでいた通りの製品だ
ニコンはハイアマチュアからプロフェッショナルのカメラを重要視し、Nikon Z 9の技術をZシリーズに落とし込むという目標については非常に明確だった。さて、どうでしょうか?Nikon Z 6III(その前に発売されたNikon Z f)は、まさにその証拠だ。もし、それが続くとしたら、DXフォーマットが次の目的地になるはずだ。しかし、フルサイズの選択肢がさらに増えるのではないかと思う。それがどれになるかは、年末までにわかるだろう。
コラムではニコンの製品発表なは必ずサプライズがつきものであるとしています。そうすることによって、ユーザを驚かせ新製品のイメージや認知度の向上、そしてカメラを購入したいという動機につながるようです。確かにNikon Z 9では最新世代のイメージプロセッサや積層型センサー、被写体の追尾性能、メカシャッターレスなど驚くような機能を次々と搭載し、価格も低価格で驚きました。
ニコンのサプライズ戦略はさらに続きます。Nikon Z 8では小さなNikon Z 9として発売し驚かせ、Nikon Z fでは最新機能を搭載したレトロカメラとして驚かせました。そして今度は部分積層型センサーという奥の手のセンサーを搭載したNikon Z 6IIIを発表したことも確かに驚きでした。
しかし、この戦略には問題があるとしています。それは主に中国から漏洩される各カメラの仕様に関する情報です。サプライズには情報統制が必要で、主に中国から流れてくる情報を遮断しなければ、新製品を発表してもサプライズにならなくなってしまうと指摘しています。
またセンサーについては、ソニーにすべてお任せにしているとか、α7S IVで搭載されるはずのセンサーをニコンが早く手に入れることができたなどという噂については一刀両断しています。それぞれ別会社であり、ニコンはソニーにお世話になっているし、ソニーはNikon Precision(半導体関連の海外の子会社)にお世話になっていて、互いにうまくやることが、中国メーカのカメラ市場への参入から自分自身を守ることになるとしています。
Nikon Z 6IIIの部分積層型センサーは、ニコンの独自設計/開発のセンサーであるという指摘があり、製造はどこかでお願いしているとしても、特許で守られていて他社が利用できない可能性も指摘されています。仮に特許で縛られているとして、自社で独占するか、他社とのライセンス契約を認めるかどうかはわかりませんが、少なくとも部分積層化というセンサーは成功しているように見えます。
そして気になる次のニコンからの新製品ですが、この記事ではAPS-Cミラーレスに向くのではないか?としています。しかしさらなるフルサイズカメラも発売される可能性があるとも指摘しています。
APS-CですとNikon Z 50IIかNikon Z 70(Z 80、Z 90)という可能性がありますし、またフルサイズだとNikon Z 5II、Nikon Z 7IIIの可能性があるわけですが、確かにこの製品は気になるところですよね。
ところで、話は変わりますが、この記事のなかで驚きの情報がありました。この筆者はZシリーズのカメラについて、発売前に様々な情報を得る立場にあるとしています。そしてNikon Z 6IIIの正確な仕様や、近い仕様が中国から漏れ出してきたのは、ニコンが3月にNikon Z 6IIIの初期生産分がニコンのスタッフの手にわたった頃からだとしています。このスタッフというのが日本のニコンに所属をしている人なのか、または中国の何らかの関係している部署に所属をしている人なのかはわかりません。少なくとも、その製品をスタッフに配布したことで、それからZ 6IIIの仕様が流出し始めたことは間違いないようです。
(記事元)Z SYSTEM USER
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コメント
コメント一覧 (3件)
Nikon Z 6IIIのセンサーはニコンの設計開発なのは、今日の株主総会での質疑応答でも答えていたので間違いないと思います。
正式発表になったZ6Ⅲと類似したスペックが1月頃には中国発のSNSの情報として出ていましたね。中国からの漏洩は防ぐのは難しそうです。
Z SYSTEM USER がニコン関係者だったとしたらそれを暴露している時点で批判している中国のリーカーと同類のような気がします。
Z SYSTEM USER はかつてニコンの APS-C 機の未来が怪しいというような記事を書いていたかと思いますが意外とニコン側の見解とも重なるのでしょうか。