クローバルシャッターでメカシャッター時代は終了か
ソニーが発表したグローバルシャッター採用のミラーレスカメラが全世界で非常に大きな話題になっています。
以前のグローバルシャッターのカメラはDigital Bolex(コダックのCCD)とソニーのF55だった。
新しい製造プロセスのおかげで、積層型CMOSセンサーを使用したα9 IIIによって、この技術は飛躍的進歩をする一歩手前まで来ている。
グローバルシャッターはスマホでも主流になり、これはメカシャッターの終わりとなるのだろうか?
私の最初の考えは、α9 IIIについて肯定的に捉えているが、α1のオーナーとしては私は急いで買い換えるつもりはない。それは必要ないからだ。なぜなら高速なローリングシャッターの積層センサーは、私が必要とすることのすべてを行うことができ、一方でグローバルシャッターはニッチなごく少数の撮影を可能とするだけだからだ。α9 IIIを使えば雷やカメラのフラッシュをバンディングなしに撮影したり、非常に高速に移動する被写体、例えばプロペラの羽根などを歪みなく撮影できる。これは印象的だが、全体の撮影における使用ケースは非常に少ないだろう。また一部のカメラのローリングシャッターは非常に高速(例えば2ms)であるため、問題のある写真はさらに少なくなり、グローバルシャッターを手に入れる理由もさらに少なくなる。
しかしながらα9 IIIは素晴らしいカメラであり、この技術は業界がとるべき必要なステップだ。積層型のグローバルシャッターセンサーは、画像処理が可能になったときに8kのさらに高いフレームレートを可能にする。これはCMOSセンサー技術の自然な次世代へのステップとなる。これにより、ソニーはセンサーでさらに大きな優位性を持つことができるかもしれない。競合他社のキヤノンなどが、積層型のグローバルシャッターセンサーのための必要な特許、知財、製造能力があるのかはまだ不明だ。
グローバルシャッターの長らく噂のサイトの定番のクリック稼ぎネタで、2010年以来、毎年、グローバルシャッターを搭載したカメラが「もうすぐ発売される」という記事が数え切れないほどあるが、それにはソニーの積層型CMOS製造プロセスが必要で、本当にそれを妥協せずに実現することができた。
α9 IIIが発表されました。そして、それはグローバルシャッターを採用したカメラということで各国で話題になっています。EOS HDでもグローバルシャッターを採用したカメラについての感想が公開されています。
記事ではグローバルシャッターへの進歩は当然のステップで、これによりバンディングやローリングシャッター歪みがなく撮影ができるようになるとしています。また、今後、4k 240pなどといった高いフレームレートの動画も撮影できるようになる可能性があるとして、カメラの可能性を高める重要な技術になるというような意見が記述されていますね。
恐らくソニーは電荷をためるメモリを画素ごとに用意して、そこにたまった電荷をローリングシャッターで読み出すということをしていると思います。しかしこの方法ではフォトダイオードの面積が少なくなりノイズ耐性が弱くなる可能性がでてきます。そのため2層型のセンサーとしてフォトダイオードの下に電荷をためるメモリを設定することでそれを防止しているのではないかと思います(間違っていたらすいません)。この方法でセンサーを開発できるのは、今のところソニーだけでしょうから、センサー分野ではソニーがまた一歩抜け出したと考えても良さそうです。
一方で、グローバルシャッターになることで撮影できる分野は広がるけれども、かなりニッチな分野であり、積層型の高速読み出し可能なセンサーがある現在では、それほど大きな影響を与えるものではないとも考えられるようですね。
恐らくセンサーの価格がとんでもなく高いので、より一般的な人が購入するボリュームゾーンのカメラには搭載されない可能性もあるのかなと思いますね。そう考えるとメカシャッターはまだまだ必要な技術として今後、しばらくは残るのではないのかなと思います。
主な特徴
- 世界初グローバルシャッター方式のフルサイズイメージセンサー搭載デジタル一眼カメラ
- 新次元のスピード性能を生かす最先端のAFシステム
- プロの撮影を支える快適な操作性と高い信頼性
- 即納をサポートする高速ワークフローと高い拡張性
センサーサイズ | 35mmフルサイズ (35.6 x 23.8 mm)、Exmor RS CMOSセンサー |
画素数 | 約2520万画素 |
イメージプロセッサ | BIONZ XR+AIプロセッシングユニット |
被写体認識 | 人、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機 |
手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 (補正方式はレンズ仕様による) |
手ぶれ補正効果 | 8.0段 |
高速連続撮影 | 約120コマ/秒 AF・AE追従 |
動画撮影 | 4k 120p |
フラッシュ同調速度 | 1/80000 秒 |
シャッター速度 | 静止画撮影時: 1/80000-30 秒、バルブ、動画撮影時: 1/8000-1 秒 |
ISO | 静止画撮影時: ISO 250 – 25600 (拡張: 下限ISO 125、上限ISO 51200) |
フォーカスポイント | 759点(カバー率約95.6%) |
EVF | 0.64型 約943万ドット電子式ビューファインダー |
背面液晶 | 3.2型 約210万ドット 4軸マルチアングル液晶モニター |
メモリカードスロット | CFexpress Type Aデュアルスロット |
サイズ | 約136.1 x 96.9 x 72.8 mm |
重量 | 約703 g(バッテリー、メモリカード含む) |
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コメント
コメント一覧 (9件)
PhotographyBlogにサンプルが上がっていますが、やはり懸念の画質問題はついて回りそうです。
ISO1600でさえ拡大せずとも何となく見える程度にはノイズが乗り、12800では目に見えてザラザラ。フルサイズ24MPでこれですからね……(バグでExifが12800で頭打ちとの見解もあるようですが)
妥協せずに実現、なんてことはないでしょう。まぁ言ったのがEOSHDだし、さもありなん……
https://www.photographyblog.com/reviews/sony_fe_300mm_f2_8_gm_oss_review
少なくとも、普通の人がこぞって買うような機種ではないですね。一方、撮れること自体が何より優先な報道用途には革命的かもしれません。歪み無しのフル解像度120fps+プリキャプチャは(色々制約あるにしても)凄まじい。
民生機ではあるものの、現状は産業用から一歩出てきた程度なのかなと。それでも大きな一歩ではあります。
追記です。α9IIIの別のサンプルが公開されており、こちらでは先のサンニッパのサンプルよりややマシに見えます。ISO1600ならピント面のディティールは割とまとも……後処理で明るくしたせいですかね。
まぁ、それにしても24MPフルサイズに期待するノイズ量ではないと思いますが……LrなどのAIノイズ処理かけたらどうなるかな?
https://www.photographyblog.com/reviews/sony_a9_iii_review#sample_images
差としてはこの2枚がわかりやすいです。
https://img.photographyblog.com/reviews/sony_fe_300mm_f2_8_gm_oss/sample_images/sony_fe_300mm_f2_8_gm_oss_01.jpg
https://img.photographyblog.com/reviews/sony_a9_iii/sample_images/sony_a9_iii_11.jpg
[Basic] のα7を基準としてα9シリーズは [Speed] の機種なので、これくらいニッチになってもいいのかもしれません。
というよりこれくらい突出したスピード性能じゃないとα9シリーズの存在意義がなくなってしまうのかも。
ただα1 IIもグローバルシャッターになるのか、そうなったらまたα9シリーズの存在意義が危ぶまれますが、ソニーは今のところ積層型センサー機は1と9のみで画素数違いで分ける方針なのでしょうか。
ニコンはZ 9とZ 8で縦グリが一体か別かでの違い、キヤノンはおそらくソニーと同じように画素数違い (但しR1とR3はどちらも縦グリ一体型?) で分ける方針ということなのか。
積層型センサーが廉価ミラーレスにまで搭載され全機種メカシャッターレスの時代になるのはまだ当分先のように思いますが、ミラーレスの方向性としては将来的にはそうなりそうですね。
高感度の画質はセンサー面積が1/4で、5年前のG9PROと同じくらいですね。スポーツ新聞に印刷して載せるのであれば十分でしょう。
やはりα9は新技術の実験機で、α1Ⅱは積層型ローリングシャッターになりそうですね。
なお、ソニーセミコンはソニーのカメラ部門とは別会社ですから、他社から話を持ちかけられれば、その仕様に合ったグローバルシャッターを提供する可能性もあると思われます。しかし、APS-Cやm4/3では感度が足りず難しそうですね。
今回のα9Ⅲ以前に出たレンズ交換式GSカメラといえばAPS-C機のPixii A1112がありましたが、こちらも高感度性能と画質でかなり苦戦していました。
高速性は明らかにαのほうが上で比べるべくもないのですが、上記の二点に関してはかなり難しい問題なのかもしれないですね。
とはいえ、これほど早くスポーツ撮影などに耐えうるGSカメラが登場したことは純粋に驚きです。
積層センサー技術の粋が集まった名機と言ってもいいでしょう。
さすがソニーだと称賛せずにはいられません。
他社が今回の発表を受けてどう出るか。
特に近日中にフラグシップ登場の噂が囁かれているキヤノンの動向は気になるところです。
閑話休題
以前普及機にも積層センサーが搭載されるなどと書き散らしたりしましたが、こうも新規センサーの実装される進歩が速いとその日は思った以上に近いのかもしれないですね。
やはり報道用カメラでしたね。安心してR1に行けます。しかし、そのR1もグローバルシャッターだと同じ画質になるということですね。通常の積層センサーでお願いします。
技術的には革命的な製品であることは間違いないと思いますが
例えば来年のオリンピックで使うとして室内競技の撮影に堪える高感度耐性なのでしょうか?
市場の反応が興味深いです。
クローバルシャッターの時代到来ですね。
自分の購入対象である廉価機に搭載されるのはいつ頃でしょうね。
手持ちのカメラで電子シャッターを使うと動き物は歪むので早めに
廉価機まで普及して欲しいです。
メカシャッターレスの時代はもう少し先でしょうね。
自分が買うような10万未満のボディに搭載されるのは
早くても3~5年先のような気がします。