フルサイズ版Nikon Z fcの可能性はあるのか?
海外のサイトなどではフルサイズ版Z fcについて話題になっています。この記事では、なぜいまフルサイズ版Z fcが話題になっているのか、そして発売される可能性があるのかなどを考えてみたいと思います。
フルサイズ版Z fcが話題になった経緯
いまフルサイズ版Z fcが話題になっているきっかけは海外のこの記事がきっかけです。この記事はニコンの新製品に関する噂を取り扱ったものですが、そこにフルサイズ版Z fcの可能性について言及されています。
この記事では、ニコンは年内に2台のフルサイズミラーレスを発表するという噂があるとしています。1台は以前から噂になっていたNikon Z 9の縦グリップのないバージョンと思われるZ 8です。そしてもう一台についてはよくわかっていないのですが、次の3台のうちいずれかの可能性があるとしています。
- 専用のビデオカメラ(最近はニコンが多くビデオのことを語っている)
- レトロなフルサイズカメラ Nikon Dfの後継機種(このアイデアは最近のインタビューで議論された)
- 小さなフルサイズVlogカメラ(ZV-E1のような?)
ここででてくるのが「レトロなフルサイズカメラ」つまりフルサイズ版Nikon Z fcです。この他動画専用機の可能性も指摘されているわけですが、フルサイズZ fcの可能性もあり、どれが発表されるのかまでは述べられていません。
フルサイズ版Z fcの可能性はあるのでしょうか?
ニコンのフルサイズ版Z fcへの考え方
ニコンは最近のインタビューで、Z fcのフルサイズバージョンの要望があることは認識していると返答しています。
ここではフルサイズ版Z fcについては以下のように答えています。
- Z fcがAPS-Cの理由は?フルサイズはあるのか?
- cはカジュアルを意味し、気軽に撮影して欲しいという思いがある
- そのためには小型、価格が重要なのでAPS-Cになった
- Z fcのフルサイズ版を求める声は多く、意識している
- 多くは言えないが、どう対応できるか注意深く検討している
また同じインタビューの可能性もありますが、こちらの記事でもフルサイズ版Z fcについてのニコンの発言があります。
ここではフルサイズ版Z fcについて以下のような発言をしています。
- Z fc人気の理由は?フルサイズ版の発売予定は
- Z fcのコンセプトは楽しさ面白さ
- 個性的なデザインを求める人に向けデザイン
- APS-Cなのはコンパクトで低価格にしたかったから
- Z fcのcはカジュアルを意味している
- 発売と同時にフルサイズの要望が多く寄せられた
- 要望を聞きながらどのような製品なら期待に応えられるか考えている
このようにニコンはフルサイズ版Z fcの要望があることを認識していて、その要望にどのように応えられるかを検討しているような状況であることがわかります。もちろん要望に応えられない、または発売しても売れない可能性が高いので発売はしないという可能性もあると思います。これらの発言からは、どのように考えているのか詳細はわかりません。
フルサイズ版Z fcある可能性ない可能性
ではフルサイズ版Z fcが発売される可能性について、可能性を高める要因と可能性を下げる要因の両方について考えてみたいと思います。
ある可能性 低価格で作れる?
あくまで一つの可能性ですが、レトロデザインで自分でシャッター速度、絞りなどを設定してじっくり撮影を楽しむスタイルのカメラと仮定してみます。この場合、連写性能などは必要ないでしょうし、動体に強くする必要もありません。
そうなると、例えばですがNikon Z 5などの廉価なカメラを流用し、デザインやダイヤル、ボタン類などをレトロなスタイルにしたカメラとして発売すれば、かなり低価格にすることができますし、開発リソースなども最低限で済む可能性があります。つまりNikon Z 50とZ fcの関係のようにNikon Z 5とフルサイズ版Z fcを設定するわけです。もちろん発売時の価格はZ 5の発売時の価格よりは高くなるわけですがZ 5をリファインし、再び価格下落前の高価格で販売できると考えれば利益率も高くなりますしメリットがありそうです。
ある可能性 オールドカメラの人気の高まり
最近はフィルムカメラ、昔のコンデジなどレトロな製品の人気が高まっています。Z fcもその中で発売され人気な製品となったわけですが、いまはさらにレトロカメラの人気が高まっているように感じます。そのなかでフルサイズのレトロスタイルカメラを発売すれば、他社にはない製品なので差別化できるというメリットがありそうです。
ただ若い人にも購入してもらう場合には、昔のカメラで撮影したように写真が作れるエフェクトなどは必須になるかもしれません。
しかしスマホとの連携など便利な機能についてはいろいろ考える余地がありそうです。簡単に利用したいという場合ならWifiやBluetoothの対応が必須になりますが、PCに取り込むところまでが写真の楽しみと考えればわざと不便にしたほうがいいかもしれません。ただ若い人はPCを所有していない人も多いと思いますので、このあたりは難しい判断になりますね。
ある可能性 Nikon Dfの存在
ニコンがNikon Dfを発売していたのは驚くべきことで、爆発的な人気を得たとは言えない状況ですが、存在感は十分にありました。過去にレトロスタイルのカメラを発売していたことや、APS-CのNikon Z fcを発売していることを考えると、フルサイズ版Z fcの可能性もあるように感じます。
売れるかどうかは実際に販売してみないとわからないところも多いので、レトロスタイルカメラが人気になっている今、可能性を信じて発売する可能性も考えられそうです。
ない可能性 多岐にわたる要望
このようなレトルスタイルカメラに、どの程度の要望を取り入れるかというのは非常に重要だと思います。単にレトロなスタイルのカメラが欲しいという人もいれば、この機能が欲しいとか、こういう操作性が欲しいとかいろいろな要望がでてくると思います。
すべての要望を取り入れるのは不可能ですし、なかには矛盾する要望もでてくると思います。そうなると、どういうカメラにするのか考えるのは結構たいへんそうです。
中にはレトロスタイルであればいいので中身は最新の機能を実装してほしいという人もいると思います。一方で前述の通り、1枚1枚じっくり撮影したいので絞り、シャッター速度、ISOのダイヤルが欲しくて、機能的にはZ 5と同等でもまったく構わないという人もいると思います。極端な場合では、とにかく便利機能は一切要らないので、フィルムカメラのデジタル版のようなカメラが欲しいという人もいると思います。
結局、こういうカメラはこだわりがある人が購入するカメラなので、要望が人によって大きく異なるだろうと思います。万能的にするとかえって売れないとか、特定の人だけに刺さるカメラするとやっぱり売れないとうジレンマを抱えてしまう可能性もあるのかなと思いますね。どのような仕様にするのかは結構難しいと思います。
そうなると発売するメリットが低いので止めておこうという選択になる可能性もでてくるのかなと思います。
ない可能性 オールドレンズへの対応
レトロスタイルなカメラによくある問題は、オールドレンズにどこまで対応するのか問題です。レトロなスタイルなので一定数の人が昔のレンズも使いたいという人もいると思いますね。
そうなるとモーター内蔵のマウントアダプタを開発するとか、Aiレンズに対応してほしいとか多くの要望がでてくると思います。このあたりをばっさり切り捨ててデザインだけレトロの方向に割り振るか、写真撮影を楽しむ人向けの本格的なカメラとして発売するのかで変わってくるのだろうと思いますね。
いずれにせよどこまで要望を取り入れるのかというところにたどり着きそうです。
というわけで妄想でここまで記述してみたわけですが、実際には動画向けのフルサイズミラーレスという可能性だったら、がっかりしちゃいますね。
個人的には恐らく「ない」と思っていて、あるとしたらNikon Z 5の中身で、オールドレンズには非対応、シャッター速度、ISO設定のダイヤルのある静止画用でじっくり自分で設定を決めてから撮影すること「も」できるカメラになるのではないのかなと思います。
皆さんはフルサイズ版Z fcはあると思いますか?
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コメント
コメント一覧 (4件)
CP+2023ニコンブースのNリビングステージの背景壁の棚にZfcとともに、Dfブラックゴールドエディションが置いてありました。
これが予告だと思っています。
果たして…。
元々機能よりデザインが求められている製品カテゴリーですし
Z fc をフルサイズにしてもオールドレンズが本来の画角で使える、ぐらいしかアドバンテージがありません。
そのオールドレンズもマウントアダプターを介す事で、フイルム時代よりは嵩張って不格好です。
結局フイルムカメラ風の外観のカメラに釣り合うミラーレスのレンズが必要になってくるのですがニコンは今までのところそのあたりあまり上手く展開出来てるとはいえないのが気がかりですね。シグマの I シリーズを頼るのでしょうか?
“いずれ”は兎も角として、今秋を期限に考えた場合一番可能性が高いフルサイズは…何なのでしょう?
「動画専用機」はニコン自身も回答していますが、動画はエコシステムも大事ですからそれが整っているとは言い難い今のニコンからは出ないでしょう。
「Zf」は記事でも触れられている「ない可能性」が全てだと思うのでやはり無いでしょう。
「フルサイズVlogカメラ」についてもソニーからZV-E1が出たばかりでかなり不利な形で競合してしまうでしょうし、かと言って過去機使いまわしで安く仕上げても大して売れないことはZ30のカメラ店販売ランキングから見ても明らかです。
となると「ニコン最後のフルサイズレフ機」か「高感度特化のZ9H」、はたまた「安価なZ5II」ですかねぇ?
レトロデザインのFFミラーレスは例えばソニーやパナソニックが出したとしてもレトロファンには受け容れられなさそうで、キヤノンは出す気配がなく、ライカが出したとしても超高価になりそうで、シグマがFF Foveon機でレトロデザインを採用してきたらフィルムの特性に近いFoveonセンサーとじっくり撮るスタイルから何気に相性が良さそうで、Iシリーズのレンズと見た目も合いそうでもしかしたら大ヒットする可能性もありそうですが、ニコンはそれを見てからFF版Z fcの着手に入るのか、それともその前にまだどこも出してないレトロデザインFFミラーレスの需要を獲得するのか、悠長にしてるとまたミラーレス黎明期やキーミッション (アクションカム) や1型センサーコンデジのDLなど後追い状態になり頓挫したときみたいにならなければいいですが。