レンズ市場に異変
レンズ市場に異変です。特に人気のあるレンズに顕著なのですが、ほとんど市場に流通していないという状態になっています。
具体的にみてみます。価格.comで売れ筋ランキング上位にあるレンズについて、販売しているショップがどの程度あるのか調べてみました。
・NIKKOR Z 40mm f/2 0/14ショップ
・RF24-105mm F4 L IS USM 5/22ショップ
・RF16mm F2.8 STM 0/20ショップ
・RF100-400mm F5.6-8 IS USM 6/26ショップ
・35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058) 0/16ショップ
・18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061) [フジフイルム用] 0/13ショップ
・RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 10/29ショップ
・28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063) 27/35ショップ
・フジノンレンズ XF27mmF2.8 R WR 0/16ショップ
・RF24-240mm F4-6.3 IS USM 3/21ショップ
このように多くのレンズについて、ショップでは在庫がない状態になっていて購入することができないことがわかります。過去にこのようなことがあったという記憶がなく、レンズ市場はかなりおかしな状態になってしまっていると考えられます。
これは日本だけでなく海外でも同様のようで、海外サイトでは人気のある製品の在庫が、オンラインショップで復活すると、そのことが記事になるほどです。
レンズの供給が少ない可能性
これまでも一時的に人気レンズの供給が不足して、なかなか入手できない状況になったことはありました。しかし、それはある特定メーカの特定レンズのみで、現在のようにほとんどの人気レンズで入手しにくい状況になっているのは非常に珍しい状況だと思います。
メーカもレンズの供給不足を認めている場合もありますが、積極的にアナウンスしていないようで、なぜ入手ができないのか状況がよくわからない場合が多いです。
このようにレンズの供給が不足している理由として可能性がいくつか考えられます。
まずは最近の半導体不足の影響です。レンズの中にはAF用のモータやそれを制御する部品、手振れ補正が内蔵されている場合には手振れ補正を制御する半導体も必要ですし、電子接点を通じてカメラとレンズがデータをやりとりするのは当たり前になっていますので、その通信を行うための半導体も必要です。これらの半導体の供給が滞っている場合には、レンズそのものを生産できなくなってしまいますので、半導体不足の影響がレンズの供給問題として表面化している可能性があると思います。
次に海外の新型コロナウィルスの蔓延による影響です。最近では収まってきているようですが、アジアでは新型コロナウィルスの再拡大によりロックダウンを行ったり、工場での働く人員を削減して稼働させたりしていたようです。このため部品のサプライチェーンに問題が生じ、レンズ生産に必要な部品が入手しづらい状況になった可能性が考えられます。
そして最後に最近ではナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂の供給に問題が発生する可能性があると指摘されています。それらの原因は今年の2月にアメリカで発生した大寒波が原因のようで、それらの樹脂や部品などの原料の供給が追いついていない状況なのだそうです。
このように世界中で新型コロナや気象異常によって様々な製品の生産ができなかったり、需要に追いついていない状況になっているようで、これらがレンズ生産に影響を与えている可能性も高いのかなと思いますね。
いまは当たり前のものが当たり前に入手できていた以前とは異なる状況になっていると考えられそうです。メーカとしては売りたいのに製造ができないということになりますので、泣きっ面に蜂という状況ですがなんとか頑張って欲しいですね。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (1件)
キヤノンとタムロンが酷いですね。
ソニーが一本もありませんが半導体不足に関し半導体事業部を
持っている事が強みかもしれませんね。