Z 24-70mm f/2.8 S IIのAFモーターが変更された理由
なぜなぜZ 24-70mm f/2.8 S IIのAFモーターが変更されSSVCMが搭載されたのか考察する記事が公開されています。どのような主張なのか、この記事で詳しくお伝えします。
いろいろなプロフェッショナルに話を聞くと、おそらく大多数の人が古いレンズを新しいレンズに買い換えることになりそうです。もともとのレンズに特に悪い点があるわけではなく優れたレンズだ。しかし、プロフェッショナルレベルで役立つ新しい機能が十分に追加されているため、新バージョンを好むことになるだろう。
(中略)
一方で、裏でささやかれているのは、フォーカスモーターの変更の理由についてだ。ニコンはフォーカス速度に関して3つの主張をしていた。(1)EXPEED 7イメージプロセッサを搭載したカメラとの組み合わせで最速のAFレンズ(2)初代のレンズと比較して約5倍高速(3)ズーム中のAF追従性能が約60%向上したということだ。
私はNikon Z8やNikon Z9で初代のレンズのフォーカス速度や追従速度に関してプロフェッショナルから不満を聞いたことがない。そのためSSVCMへの移行は次世代のニコンのカメラを見据えたものではないかと考えている。これは実際にニコンのやり方の一つだ。大きなレンズ技術の変更は、カメラの技術の変更に先行する傾向がある。その理由は将来のカメラを試験するための比較対象が必要となるからだ。例えば、次世代のカメラのフォーカス性能を向上させても、レンズのフォーカス速度がボトルネックとなれば、その性能を証明することは、そのような性能のレンズが登場するまで確認することができない。ニコンは第一に光学メーカーだから、レンズがカメラに先行しているのは理にかなっている。
製品比較のためのレンズが必要か
なぜZ 24-70mm f/2.8 S IIのAFモーターが変更されたのか、Z SYSTEM USERが考察しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
記事では、初代となるZ 24-70mm f/2.8 Sを利用しているプロフェッショナルからフォーカス速度に関する不満を聞いたことがないとしています。とても速いというわけではないようですが、撮影する状況においては必要十分な速度があったのだろうと思いますね。
では、AF速度には関係ないのになぜZ 24-70mm f/2.8 S IIのAFモーターをSSVCMに変更して発売したのでしょうか?記事では、その理由として、次のカメラの指標となるレンズになるからだと指摘しています。つまり、例えばNikon Z9IIが発売されたとして、そのAF性能が非常に高性能だったとしても、それに応えることができるレンズがなければ、実際に速度が速くなっているのかどうかを証明することができないからということのようです。
また、Z 24-70mm f/2.8 S IIを発売していれば、Nikon Z9とNikon Z9IIの性能の違いも、より比較しやすい状態になるのだと思いますね。
このことから、次にニコンが発表するカメラはAF性能がかなり向上している可能性があることになり、非常に期待がもてる内容となっています。
ただしVCMは駆動音が少ないことから動画目的で搭載され、それが結果的にAF性能の向上に寄与しただけの可能性もあるため、このあたりは慎重に考えなければならないかもしれません。もし本当にNikon Z9以上のAF性能を実現したカメラが発売されるとしたら、それはそれで非常に楽しみになりますね。
レンズを新しくしなければならないほどAF性能が向上していた場合、Nikon Z9IIはどのようなものになると考えることができるのでしょうか?まずEXPEED 8が搭載されイメージプロセッサそのものが最新のものになる可能性です。そしてデュアルEXPEED 7などにして処理能力を向上させる可能性も考えられそうです。さらにキヤノンのようにEXPEEDアクセラレーターというようなイメージプロセッサを補助するチップが搭載され、AF性能や被写体認識機能が向上することも考えられそうです。
もしレンズがボトルネックになる可能性があるためAF性能を向上させたのだとしたら、Nikon Z9IIはNikon Z9よりもAFが高速化している可能性も考えられそうです。次世代のカメラがどのような製品なのか、非常に楽しみですね。
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Z 24-70mm f/2.8 S II | Z 24-70mm f/2.8 S | |
レンズ構成 | 10 群14 枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ3 枚、メソアモルファスコートあり、アルネオコートあり 、最前面のレンズ面にフッ素コートあり | 15群17枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ4 枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面および最後面のレンズ面にフッ素コートあり) |
最短撮影距離 | 0.24m(焦点距離24mm)、0.24m(焦点距離28mm)、0.27m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)、0.33m(焦点距離70mm) | 撮像面から0.38m(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.32倍(焦点距離70mm) | 約 0.22倍(焦点距離70mm) |
絞り羽根枚数 | 11枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
インナーズーム | 対応 | - |
AFモーター | ボイスコイルモーター | ステッピングモーター |
クリック感切り替え | 対応 | - |
フィルターサイズ | 77mm(P=0.75mm) | 82mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約84mm(最大径)×142mm | 約89mm(最大径)× 126mm |
質量 | 約675g | 約805g |
直販価格 | 371,800円(税込) | 330,000円(税込) |
コメント
コメント一覧 (4件)
24-120mm f/4 SもインターナルズームでⅡを出してくれないかなあ・・と思う。
お値段据え置きでm(__)m
レンズの駆動源にどのようなモーターを使用するかは
難しいですね~。
レンズの種類によって駆動レンズの慣性質量が異なり
またカメラによって使用できる電力量が異なる。
当たり前だが使用できる電力が弱い(バッテリーが小さい)
カメラでも異常なく動作する必要がある。
なので設計時の目安(設計基準)があるはず。
それは素人には分からない。(Z SYSTEM USERさん宛て)
現状のボディはSSVCMの性能を十全に活かせていないと言うユーザー(Z9×Z 400mm f/2.8 TC VR S持ち)もいるみたいですし、次期ボディ(エンジン?)のAF能力の向上には期待したいところです。
ところで今回のⅡ型もラインナップの一本として当然数えられると思うので、これなら2025年度内Zレンズ50本以上という目標は容易に達成できそうですね。
>>フォーカス速度や追従速度に関してプロフェッショナルから不満を聞いたことがない
これは何を撮ってるプロの方でしょうか。
暗所のAF性能、特にスポーツ撮影時に勝手にコントラストAFに切り替わると
怒りを覚えるぐらいAF追随しません。
ニコンZマウントのVCMは400/2.8と600/4のみですが
STMで問題ないという考えが甘かったんじゃないかと思えるぐらい
条件によっては遅いです。(というか安定していない)
他社のLレンズやGMレンズはSTMは使用していません。
SレンズはすべてVCMにモデルチェンジして欲しい。