ニコンのNikon Z 9に積層型CMOSセンサーの速度が重要になる理由
DPreviewが積層型CMOSセンサーについて報告しています。以下は一部を要約したものになります。
・積層型CMOSセンサーの場合、センサーにRAMを組み込みことができる
・これにより超高速の読み出しを実現する
・イメージセンサーはAFセンサーとしてもライブビュー画像の生成にも利用されるので、高速読み出し可能なことは、特にスポーツ撮影向きカメラとして必要な領域の性能を向上させる
・基本的に読み出し速度が向上すると、最大撮影速度が向上する
・画像から測定する頻度が高くなると、被写体の変化に効果的に反応できる
・EVFのフレームレートが向上するので被写体を追いやすくなる
・高速読み出しによりローリングシャッター歪みを軽減させることができる
先日、ニコンがミラーレスカメラのフラッグシップカメラであるNikon Z 9の開発を発表しました。
積層型CMOSセンサーとは何か?
センサーには積層型のCMOSセンサーが搭載されることが示唆されています。それでは、積層型のCMOSセンサーというものはどのようなものなのでしょうか?ソニーが解説してくれているので、その画像を引用してみます。
ソニーは、業界で初めて※1DRAMを積層した3層構造の積層型CMOSイメージセンサーを開発しました。これは、従来の裏面照射型画素部分と信号処理回路部分との2層構造の積層型CMOSイメージセンサーに、さらにDRAMを積層したものです。
DRAMを積層した本開発品は、高速読み出しを実現し、動きの速い被写体の撮影時にも、フォーカルプレーン歪み※2を抑えた静止画や、フルHD(1920×1080画素)サイズで毎秒最大1,000フレーム(従来比※3約8倍)のスーパースローモーション動画の撮影が可能です。
このように従来は画素+回路だったものの間に、DRAM(メモリ)を追加して画素と回路の間にメモリを配置して3層化するようなイメージセンサーとなっているようです。
つまり、これまではイメージセンサー(画素)から回路を通じて、外部のメモリへ逐次読み出しというようなことをしなければならなかったものが、まずいったんイメージセンサー内にあるメモリに保存できるようにすることで、高速な画素の読み出しを可能にしているということのようです。
例えばですが、CPUの中に一時的にバッファを作って、高速な処理を実現したりですとか、HDDやSSDの中にメモリを作って高速な書き込みを可能にしたりしているといったことと同じような考え方ですね。そういえば、カメラにもバッファを多く作って、メモリカードへの記録が遅いという問題を解消して連続撮影コマ数を向上させています。
そして、ニコンが今回、その積層型CMOSセンサーをNikon Z 9に搭載するということで、これがどのようなセンサーなのか興味を持たれているようです。もし、強力なセンサーであれば、上記に引用のように様々な機能が向上する可能性があり、カメラ全般の機能向上に寄与する可能性があるので、期待は高まっているという感じですね。どのようなカメラに仕上がるのでしょうか。年内に正式発表があるようですので、それまでに、かなり仕様の噂が漏れてくると思います。どのような製品なのか楽しみですね。
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