キヤノンのズームレンズの特許
キヤノンが超望遠ズームの特許を出願していることが明らかになりました。下記はそれらのレンズの仕様をすべて引用していますが、あとで似たような仕様のものをまとめてリストにしているため、面倒だったら以下の引用は読み飛ばしてください。
それでは、どのようなレンズなのでしょうか?みてみましょう。
ズーム比 2.65
広角 中間 望遠
焦点距離 65.13 132.49 172.86
Fナンバー 4.12 4.12 4.84
半画角(°) 9.32 4.59 3.52
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.66 126.66 126.66
BF 20.68 10.92 8.44ズーム比 2.24
広角 中間 望遠
焦点距離 65.98 120.73 147.81
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 9.40 5.05 4.10
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.69 126.69 126.69
BF 8.51 8.51 8.51ズーム比 2.25
広角 中間 望遠
焦点距離 65.66 118.97 147.88
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 9.37 5.12 4.10
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.69 126.69 126.69
BF 21.75 11.98 8.60ズーム比 2.23
広角 中間 望遠
焦点距離 66.33 114.47 147.86
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 9.43 5.42 4.10
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.62 126.62 126.62
BF 29.28 23.86 14.78ズーム比 2.30
広角 中間 望遠
焦点距離 68.17 126.83 156.80
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(°) 8.90 4.79 3.89
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.65 126.65 126.65
BF 8.57 8.57 8.57各種データ
IPForce
ズーム比 1.90
広角 中間 望遠
焦点距離 103.00 168.72 196.00
Fナンバー 5.48 5.77 5.77
半画角(°) 5.92 3.66 3.17
像高 10.82 10.82 10.82
レンズ全長 126.62 126.62 126.62
BF 8.57 8.57 8.57
というわけですべて引用してみましたが、それぞれ似たような仕様のレンズがありますので、それをまとめて簡易化させてみたいと思います。すると以下のようになります(当サイトによる解釈です)。
- 70-170mm f/4
- 70-150mm f/4
- 100-200mm f/5.8
バックフォーカスが短いのでミラーレス用で間違いないのですが、問題は像高です。半画角で像高が10mmというと、なんとマイクロフォーサーズ用の像高になります。
最初は1.5インチ用のセンサーかと思ったので計算して調べてみたらしっくりこなかったので、に焦点距離と半画角から計算してセンサーサイズを調べてみたところ、やはり4/3インチセンサーでぴたっと数値が一致します。ということは、これはキヤノンが作成したマイクロフォーサーズ用のレンズ、もしくは4/3インチセンサー用のレンズということになるのでしょうか。
もしこの仮定が正しいとすると35mm換算で以下のような仕様のレンズということになります。
・140-340mm f/4
・140-300mm f/4
・200-400mm f/5.8
かなりの超望遠ズームであることがわかります。
監視カメラや産業用?
特許をみると、実施例の一つとして監視カメラという言葉が非常に多くでてきています。例えば、こんな感じです。
図19(A)、(B)は、上述した各実施例のズームレンズを撮像光学系として用いた撮像装置(監視カメラ)10を示している。図19(A)において、11は監視カメラ本体、16は各実施例のズームレンズを含むレンズ部である。レンズ部16は、カメラ本体11に対して着脱(交換)可能であってもよい。
IPForce
もちろんエクスキューズとして、着脱可能であってもよいとか、ビデオカメラやデジカメでもいいという記述があり、他社に特許の内容を監視カメラ以外に利用させないように予防線がはってあるわけですが、監視カメラが目的である可能性が高いように思えます。
しかし監視カメラだとしても、かなり望遠すぎるようにも思えますし、前後左右に可動させるとしたら、レンズの全長だけで10cm以上もありますので、かなり大きな監視カメラになることが予想されます。
でもこのような超望遠ズームの監視カメラは、ある一定の条件ではかなり有用性が高そうです。例えば、空港に設置して滑走路を確認したり、動物などが滑走路内に侵入していないかといった目的や、駅のホームに設置して、一つの監視カメラでより広い範囲を確認したいといった目的に利用できそうです。
さらにAIによる画像解析をすることで、駅のホームから人が落ちたとか、ホームで誰かが調子を悪くして倒れているなども自動検出して知らせることも可能になるのではないかと思いますね。このほかにも野球場やサッカー場、公園などにも適用できる可能性がありそうです。
というわけで、最初は4/3インチセンサー用のレンズだったので驚きましたが、クロップファクターを確保するためにセンサーを小さくし、最低限の解像度を満たそうとすると4/3インチセンサーの監視カメラがちょうどいいということなのでしょうか。レンズに詳しい人がおられたら教えてくれると嬉しいです。
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