シグマ 大口径単焦点レンズの特許
出願日 2020年10月28日
■ 実施例
焦点距離 54.42
Fナンバー 1.46
全画角2ω 43.62
像高Y 21.63
レンズ全長 167.72■ 実施例
焦点距離 62.87
Fナンバー 1.46
全画角2ω 38.04
像高Y 21.63
レンズ全長 167.71■ 実施例
焦点距離 69.51
Fナンバー 1.46
全画角2ω 34.46
像高Y 21.63
レンズ全長 167.64(当サイトによる解釈です)
IP Force
シグマが大口径の単焦点レンズの特許を出願していることが明らかになりました。実施例にはもっと多くの種類があるのですが、似たような仕様のものが多いので代表的なものをまとめてみました。それが上記で引用した3種類になります。
これらの仕様をまとめると、こんな感じのレンズになりそうです。55mm f/1.4、60mm f/1.4、70mm f/1.4です。問題はどのようなレンズなのか?ということですが、今回、バックフォーカスがわかるような情報がないので、ミラーレスか一眼レフかはよくわかりませんでした。しかし、像高からフルサイズセンサー用のレンズであることは明らかです。
一眼レフ用交換レンズか
しかし、特許のなかに気になる文章を見つけました。それが以下のような文章です。
【0001】
本発明はデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、シネマカメラなどに用いられる撮影レンズに好適な単焦点レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラをはじめとする光学機器に用いられる単焦点の撮影光学系においては高速撮影やボケを生かした表現に対応できるように大口径比であることが求められている。さらに撮像素子の高画素密度化に伴い、諸収差をより一層補正して高性能であることが要求されている。従来、一眼レフカメラ用の撮像光学系においてはミラーの可動範囲としてバックフォーカスを確保する必要からレトロフォーカスタイプをとることが多い。レトロフォーカスタイプを採用して長いバックフォーカスと大口径比、高性能化を図った撮影レンズが知られている。【0004】
IP Force
特許文献1では標準画角のレンズに多く採用されてきたダブルガウスタイプのレンズ構成の物体側に凹レンズと凸レンズ成分からなるワイドコンバーターの役割をもつレンズ構成を有する実施例が開示されている。この光学系はFNOが1.4程度と大口径を実現している。しかしながら主にサジタル方向の収差補正が不十分で周辺像高部で像の広がりが大きい。特許文献2では特許文献1と同様にダブルガウスタイプの物体側にワイドコンバーターの役割をもつレンズ構成を有する光学系が開示されている。この光学系はワイドコンバーターの役割をもつレンズ群を構成するレンズ枚数を多くし特許文献1よりも近接撮影が可能になっているもののサジタル方向の収差補正が不十分で周辺像高部での像の広がりが大きい。
これだけをみると、レトロフォーカスが採用された大口径レンズに関する特許のようにみえますので、文字通り解釈すると一眼レフ用のレンズの特許にみえます。レトロフォーカスとは逆望遠の意味です。広角レンズでは焦点距離が短いので、できるだけセンサーに近いところにレンズを配置したいのですが、一眼レフの場合はミラーが動くレフ機構があるので、ある一定の距離(バックフォーカス)が必要になります。そのため、わざわざバックフォーカスを稼ぐために逆望遠のレンズ構成を持たせています。
このような記述がわざわざされているということは、たぶん一眼レフ用のレンズの特許ではないかと思うのですが、詳しい方がおられたら教えていただけると嬉しいです。
また、もし一眼レフ用のレンズだとしたら、なんでこの時期にこの特許を?という疑問もまたでてきますね。ちなみに、既存のシグマの一眼レフ用交換レンズを調べてみたのですが、同じような仕様、同じようなレンズ構成図の製品はなく、まったく新しく出願された特許のように見えます。
ということは、シグマは新しい一眼レフ用のレンズもまだ発売する可能性があるということなのでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (1件)
一眼レフがまだ市場から消えたわけではなく売れそうなら
販売するつもりかもしれませんね。
設計の感は一度失われると取り戻せないので開発だけでも
進めるのは良いことと思います。
今後、フィルムカメラに復活の兆しがあるように一眼レフが
復活しない共限りません。
特にフィルムカメラは撮影時にデジタル補正が出来ないので
設計の感を残しておくのはレンズメーカーとして重要です。