ニコンのフルサイズミラーレスが発売され、具体的な仕様がいろいろ明らかになったわけですが、その中で驚きがあった機能があります。その一つがUSB Type-Cをニコンが採用したということです。このことは比較的、保守的な機能を選択することが多いニコンが、最新の端子であるUSB Type-Cを採用したということで、ネットでは驚いた人も多いようです。そして、その後に発表されたキヤノンのEOS RもUSB Type-Cを搭載していましたね。
ニコンはなぜUSB Type-Cを採用したのでしょうか?USB Type-Cは最近のスマホでは当たり前の端子ですが、パソコンなどではまだまだType-Cは数ポート程度が搭載された程度で、通常のUSB Type-Aの端子を利用している人も多いと思います。
その理由ですが、恐らくニコンはNikon Zシリーズで、本体内バッテリ充電を実現するためにType-Cを採用したものと思われます。
まず、Nikon Zシリーズでは、バッテリチャージャを利用しても、本体内にバッテリを入れてUSB接続して充電しても、どちらも充電時間は約2時間35分と同じです(残量のない状態からフル充電の場合)。従って、バッテリチャージャを利用しても、本体で充電しても変わりがありません。特に複数のバッテリを所有している人は、本体内でもバッテリチャージャでも充電できるので予備のバッテリチャージャを購入する必要がないですし、充電する時間も同じというのはうれしいのではないでしょうか?
では、バッテリの充電にどのぐらいの電力が必要かというと、バッテリチャージャであるMH-25aの仕様を調べると1.2A、8.4V、10Wという仕様であることがわかります。
この仕様は現在のUSBの給電規格においてはどのような立場にあるのでしょうか?現在の主な給電規格の仕様は下記の通りになります。
USB 1.x and 2.0 500mA 5V 2.5W
USB 3.x 900mA 5V 4.5W
USB Battery Charging (BC 1.2) 0.5 ~ 1.5A 5V 2.5 ~ 7.5W
USB Type-C 1.5A 5V 7.5W
USB Type-C 3A 5V 15W(オプション)
この中で10Wをの出力に対応できるのは、USB Type-Cだけです。USBの給電規格には、USB Power Deliveryという規格もあり、そこでは最大で100Wまでの給電できる規格もあるので、やろうと思えばUSB Type-Aでの給電も可能なのですが、認証されたケーブルが必要とか、給電には相互が互いの対応する仕様を相互判断することが必要など様々な理由があり、USB Type-Cでの対応になっているものと思われます。
ちなみに、本体充電アダプタのEH-7Pの仕様は、3.0A 5V 15Wですので、USB Type-Cの規格に準拠していることがわかります。
ミラーレスでは連写性能が一眼レフよりも高い傾向にあるため、撮影枚数が増えます。そうなるとカメラからパソコンへの転送にも時間がかかるようになります。ですので将来的なことを考えると転送速度の速い規格の端子を採用したほうがいいことは明らかなので、より最新の端子であるType-Cを利用したいうことが考えられそうですね。
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