Nikon Z 30とZV-E10の簡単な比較
ようやくNikon Z 30が発表されました。このZ 30は、以前に噂されていたとおり、EVFのない動画撮影向けのカメラとしてリリースされました。
となると、同じような層をターゲットにしているソニーのZV-E10と比較したくなります。というわけで、ちょっと簡単にですが違いをみてみます。
このほかにも様々な違いはあるのですが、基本的には多少の違いで機能的な違いはだいたい上記になるのではないかと思いますね(同じ機能のものも一部リストにしています)。
まずは価格ですが、Z 30のほうが12万円前後と高い設定になっています。しかし、実際の店頭での価格は、予想価格のだいたい80%ぐらいになる可能性が高いので、そう考えると9万6000円から10万円ぐらいに収まると思います。そう考えると、あまり価格的な差はないのかなと感じます。
そして、レンズですが、ズームレンズキットの焦点距離はまったく同じで望遠端の解放f値が若干異なります。しかし大きな違いはZV-E10のほうがパワーズームを採用していることです。静止画ですとマニュアルズームのほうが手早くズームができて便利なことが多いのですが、動画ではリニアにズームしたいことも多いため、パワーズームのほうが重宝されます。そう考えると、ニコンも今後はパワーズームの投入を考えなければならないかもしれません(本気でカメラを売りたいのなら)。
そして画素は2088万画素と2420万画素と若干異なります。
動画撮影時のクロップファクター
上記で画素数が異なると書きましたが、それが影響しているのでしょうか?動画性能では両者に少し違いがあるようです。例えば、4k 30pを撮影したい場合には、Z 30の場合は全画素読み出しですが、ZV-E10の場合は30pで1.23倍のクロップが発生します。つまり全画素を利用していないことになります。画素数が増えると処理に時間がかかるため、4k 30pの動画を記録するにはイメージプロセッサの演算能力が足りなかった可能性もありそうです。
また、動画に関する機能としては、ZV-E10にはヘッドフォン端子があるものの、Z 30にはありません。なので風切り音が入っているとか動画撮影中には確認することができないということで、ちょっと不便かもしれません。
また、これも最大の違いの一つになりますが、ZV-E10はLogの撮影ができますが、Z 30ではLogの設定はなく、単純な露出補正やピクチャーコントロールになってしまいます。なので、Z 30はLogを使いたいようなプロフェッショナル向けではないということになるかもしれません。ただ、Logが必要なプロフェッショナルな人はZ 30のようなカメラは購入しないと思いますし、Logの扱いは面倒なので一般のビデオブロガーには必要ないと考えれば、割り切っているとも考えることができそうです。
このほかにもサイズや重量の違いなども結構あり、Z 30のほうが一回り大きく、重量も重たくなっています。
■ Z 30
約128 × 73.5 × 59.5mm
質量 約405g(バッテリ、メモリカード含む)■ ZV-E10
約115.2 x 64.2 x 44.8mm
重量 約343g(バッテリ、メモリカード含む)
というわけで簡単に比較してみましたが、このような機能的な違いがあることがわかりました。動画撮影時のクロップの有無、ヘッドフォン端子の有無、Log撮影の有無、重量やサイズの違いを考えると、どちらのほうが優位性があるでしょうか?
コメント
コメント一覧 (5件)
手ぶれ補正付きのレンズ込みで10万円程度でしたら、私はこれはこれでありなのかなと思います。
また、良くZ50からの進化についていわれていますが、今のZ50のセンサーで、高感度耐性や解像度で大きな不満が無いということに尽きるかと思います。外装を変えてZfc、ファインダーを取ってZ30と、スタイルを変えつつユーザーに寄り添うというのも一つの作戦ではないでしょうか。
例えば、Z9のユーザーであっても、Z30をカバンに忍ばせておくだけで、ちょっとした動画を撮りたいときにサッと撮影できて大げさにならなくて良いかと思います。同じZレンズが制限なしで使えますしね。
スマホの画質では満足できない層を取り込むのが目的なら、まあ、この程度が良い落としどころかと思います。
手ぶれ補正付きの広角ズームレンズが急がれます。
Z 30はホットシューが外付けマイクのデジタル通信に対応してなかったり、やはりレンズラインナップの差などでVLOGCAMとしては厳しいと思います。
ソニーはZV-E10の後継機か上位機を出す噂もあるので、そうなると更にZ 30は分が悪くなるような。
しかしパナソニックやソニーに次いでニコンもVLOGCAMを出してくるとキヤノンなど他のメイカーも追随するのか注目ですね。
Z30 の VLOGカメラとしての競争力ははかりかねますが、新しい方向性の製品を出したこと自体に価値があると思いました。
Z50 と Z fc が発売後時間が経過し、需要が減衰しているところに対して、新しい需要を喚起するのには十分な魅力があると思います。
ニコンがこうした動画に特化した製品を出して顧客から様々なフィードバックを受けることで、
後の発表が予想される Z6III がハイブリッドカメラとして競争力あるものになることを期待したいです。
どういう売れ方をするのかは確かに興味を引きます。しかし、EVFなしの機種は古くからあって現在もあり、Z30は現在では(もしくは今まででも?)最大の大きさなのではないでしょうか。念のため、フルサイズ以上やシグマは除いた方が良いのかもしれませんが。また金額的にも現在一番高いような。そしてソニーはEVFなしを一時期やめていましたし、フジもそうなのでしょう。しかしソニーはVlogという点でEVFなしを発売し、かなり操作系他でも独自性を出していると思います。LUMIX G100はレンズ交換型Vlogという点では先行したのかもしれないですが、少し中途半端だったようで(あまりよく分かっていないですが)、安くなってからそれなりに売れ始めたようです。個人的にはこのような中で、Z50から基本的に向上部分もなく、どうも特徴のないようなZ30ですので、驚きです。もし売れたとなると、大きさ、価格、ファッション性他(機能のバランス?)で苦心して考えていたが、実は見逃していたものが大きいということなのでしょう。しかし本当に力が入っていないような気がしますので、これで売れてしまうと色々と申し訳ないような気がします(個人の感想です)。
動画部分の比較については、詳しくないので簡潔で参考になります(ありがとうございます)。
今日になって YouTube の Z30 のレビューが多数上がるようになりましたが
キットの 16-50mm の広角端 16mm だと24mm相当になり VLOG 目的ではまだ画角が狭すぎますね。
Z30 のレビューではない動画ですが ZV-E10 でも E PZ 10-20mm を足すと二十万円コースで iPhone の方が VLOGCAM として安い、という指摘をされる方もいました。リーズナブルな超広角が求められているということだと思いますが、DX12-28mm はおいくらぐらいになるのでしょうか?
GoPro も 16mm 始まりですし、予定されている DX12-28mm では 画角がまだ足りない可能性もありますね。
ニコンもこのあたりに気づいて対策を練っていると思いたいですが…