M.2 SSDを実装してみた話
最近の市販のPCではSSDが一般化しつつあります。というか、すでにほとんどのメインドライブがSSDで、オプションでバックアップ用のHDDが付属してくるというような状態になっていますね。そのため、SSDも価格が十分にこなれてきて、記事の執筆時点では1テラバイトのSSDを購入しても1万円~1万5000円ぐらいで購入できるという、ちょっと凄いことになっています。
自分はもう数年前からSSDを利用しているのですが、HDDからSSDに換装したときの印象はとても強く残っていて、HDDの読み込み速度が向上するだけで、こんなに体感的に便利になるんだと感じたものです。
これまで、SSDというと既存のデスクトップ用の5インチHDDや、ノートパソコン用の2.5インチHDDに置き換えるような、そんな感じの製品でした。例えば以下のような製品です。
ですが、最近ではマザーボードに直接、直結するような感じのSSDが発売されています。具体的には以下のような形状の製品です。
前者の既存の2.5インチハードディスクに近い形状のものを、2.5インチSSDと言い、後者のスティック状になっているものをM.2 SSDと言います。
実は、これらのSSDは異なる規格で作られていて、2.5インチSSDの最大の転送速度は600MB/sで、M.2 SSD NVMeという規格では32GB/sとなっています(現在の一般的規格の場合。M.2 SSDの形状でもSATAの600MB/sまでしか対応していないものがあるので注意が必要です)。
そうすると、M.2 SSD NVMeを導入すれば、これまでの2.5インチSSDより最大で5倍以上の読み出し速度になり、かなりの高速化ができるのではないか?と思い今回、新たに自分のPCに導入してみました。
実際に利用してみたところ
まず、自分が利用しているPCのスペックはこんな感じです。
もともとゲーマーでしたので、今でも軽く遊べるぐらいのスペックにしています。こうみるとビデオカードの能力がちょっと弱いですね。新しいビデオカードが欲しいです。画像クリックで拡大します。
ディスク1がM.2 SSD NVMeのドライブで、ディスク0がSATAの2.5インチSSDになるのですが、それぞれのベンチマークを計測した結果は、以下の通りになります。
M.2 SSD NVMeのベンチマーク結果
SATA 2.5インチSSDのベンチマーク結果
この結果をみると一目瞭然で、SATAのSSDと比較してNVMeのSSDは読み込みでは3倍~6倍ぐらいの性能差が、書き込みでも0.7倍~6倍ぐらふの差があることがわかります。
これだけみると、M.2 SSD NVMeのほうが速くて圧倒的なんじゃないの?という感じがしますが、これはかなり理想的に行われたベンチマーク結果で、実際の作業では、そこまで速さを実感することはないですね。
多少速くなったかな?と感じるのは、PCの電源を入れてから起動するまでと、様々なソフトの起動時ぐらいです。カメラで撮影したデータをSDメモリカードから読み込む時間は、USBの速度がボトルネックになって、M.2 SSD NVMeの恩恵はほとんどありません。
また現像ソフトの処理速度に関しても、CPUによる処理時間がボトルネックになっていて、M.2 SSD NVMeの速度向上の恩恵はあまりないように感じます。
ただ、前述したとおりソフトの起動時や、データ読み込みの多いゲームなどでは多少のメリットはあるようです。例えば以下のような状況です。
以下はフライトシミュレーターのキャプチャー画像です。
上記はフライトシミュレーターのローディング画面です(画像クリックで拡大します)。SSDからかなりの多くのデータが読み込まれているのがわかります。2.5インチSSDからの起動より、M.2 SSD NVMeからの起動のほうが体感的にも速くなっている印象です。
上記の画像は、実際にフライトシミュレーターでプレイしているときの画像です(画像クリックで拡大します。)。右奥にあるのがスカイツリーですね。M.2 SSD NVMeから多くのデータが読み込まれていますが、プレイ中のボトルネックになるほどではないようです。
画像処理ソフトでは?
RAWデータを現像するソフトや、画像を編集するソフトでは、ソフトの起動時の立ち上がりまでの速度は若干向上した感じはありますが、劇的に向上するというような感じはありませんでした。でも、確かに体感上では感じることができるので、そこはメリットだと思います。
データの転送速度ですが、自分はSDメモリカードのカメラを利用USB3.0のカードリーダを利用してもUSB 3.0の転送速度の上限が制限になり、メモリカードからの読み出し速度の向上はありませんでした。
また、現像ソフトからの現像も、恐らく個々の画像の処理に時間がかかるらしく、SSDの転送速度がボトルネックになることはないように思いましたね。
このことから、ベンチマーク的には圧倒的に速度が向上しているM.2 SSD NVMeではありますが、実際に体感できるのは、OSの起動時、アプリの起動時程度で、その他で体感できるほどの速度の向上はないのかな?という印象です。ただ、動画編集時など頻繁に多くのデータを保存するような場合にはメリットがあるのかもしれませんね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
私は未だHDDですが、SSDは起動速度向上もさることながら、耐故障性に優れるのではないでしょうか?
私的には寧ろ後者に関心がありますが、貴稿、参考になりました。
>M.2 SSD NVMeという規格では32GB/s
「M.2 SSD NVMe」は規格では無いのとやりようによってはどうにでもなるから32GB/sが最高とも言えない
32GB/sが最高だと言いたいのなら「PCI Express 4.0 x16」ではと書かないとダメ
>M.2 SSD NVMeから多くのデータが読み込まれていますが
せいぜい500kb/sが最高で一体これのどこが多くのデータなの?
1枚15MB秒の写真を秒10コマの製品の場合、kb/s換算すると1,200,000kb/sで2400倍も違うし
youtubeでフルHD60fpsの動画見てるほうが少なくとも3倍大容量だよ
カメラ関係の記事はいつも見てるけどPCになるとこの程度ならこれ以降PC系の投稿やめたほうがいいと思う