シグマインタビュー:カメラ内補正のおかげで小型・軽量化が実現できている

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シグマへのインタビュー

一眼レフからミラーレスへの移行は、プロフェッショナル向けレンズの設計に新たな可能性をもたらしたのか?

長焦点のレンズに関しては、ミラーレス化によって大きく変わったわけではない。確かにモーター技術の進化は見られたが、それはミラーレス化によるものではない。とはいえ、ミラーレスは一眼レフよりも優れたオートフォーカス性能があり、それを活かしてより強力で高速なモーターを搭載することができる。その結果、レンズの最終的な性能やボディとの連携が向上している。

実際、ミラーレスにマウントアダプターを経由して一眼レフ用のレンズを装着した場合、一眼レフの最新世代よりも性能が良くなるケースがあった。長焦点レンズの設計においては、ミラーレスの恩恵はそれほど大きくない。むしろ広角レンズのほうが、コンパクト化や画面の隅々までの性能向上といった点で、ミラーレスの利点がより明確に現れている。

35mm f/1.2 DG II Artについて、よりコンパクトで軽量なレンズをどうやって設計することができたのか?

ポイントは2つある。まず2018〜2019年に初代のモデルが登場した頃と比較して、カメラ本体側の補正アルゴリズムが大幅に変化している。

そのため、この第2世代ではそうした進化を活かして光学性能を最適化しつつ、特に歪曲収差や周辺光量落ちを補正するレンズの数を減らすことができた。これはミラーレスの大きな利点で、よりコンパクトで軽量なレンズ設計が可能になる。他社も同様のアプローチをしている。

なぜシグマ製レンズにZマウントレンズが少ないのか?特にフルサイズ対応のレンズが皆無なのはなぜか?要望はあるのか?

要望は継続的に寄せられている。しかし、残念ながらシグマフランスのゼネラルマネージャーという立場では、この質問に対する答えを持ち合わせていない。なぜZマウント用のレンズをもっと製造しないのか、そしてなぜフルサイズ対応レンズが1本もないのか、私にはわからない。

Sigma 20–200mm f/3.5–6.3 DG Contemporaryは、クラシックな焦点距離の範囲を踏襲しつつ、広角側がより広くなっている。それはなぜか?これほど汎用性の高い焦点距離だと、広角側の画質が犠牲になるリスクはなかったのか?

最初に届いたフィードバックでは、広角側も望遠側も光学性能がかなり良好との評価を得ている。もちろん、これほどコンパクトで軽量な高倍率ズームが単焦点レンズの性能に匹敵するわけではないが、ここでの目的は、可能な限り広い焦点距離を、できる限りコンパクトな形で提供することだ。

広角側を20mmに広げた理由については、シネマ分野への進出が大きなきっかけだと思う。映像制作では超広角が今や欠かせない存在となっており、スマホにも数年前から超広角モジュールが搭載されていることもあり、このタイプの焦点距離はますます人気が高まっている。

非常に良いアイデアだと思うし、このレンズは非常に汎用性が高い。現在の技術では、非常に広い焦点距離がありながらも、サイズを抑えることが可能となっている。以前にも触れたように、これはミラーレスの大きな利点の一つだ。今では20–200mmのレンズが、10年前の24–200mmや28–200mmと同じくらいのサイズで作れるようになっている。

デジタル補正の影響が大きいレンズ設計

シグマへのインタビュー記事をPhotorendが公開しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。

さて、記事ではシグマのレンズ設計に関する質問が多く記述されています。レンズ設計に関しては、非常にコンパクトで軽量なレンズが増えていたり、より焦点距離の範囲が広いレンズが登場していますが、これらはカメラのデジタル補正を有効に活用した結果であることがわかりますね。

レンズ設計に関しては、ある収差を修正しようとすると別の収差が悪化するというような、ジレンマ、トリレンマの関係にあるわけですが、一つの収差を無視することができれば、それだけ設計の自由度や幅が広がり、より小型・軽量化されたレンズが開発できるようになるようです。

単焦点の小型・軽量化は、このデジタル補正とフランジバックが短くなったことで、一眼レフ時代には必要だったミラーボックスが入る距離を作り出すために広角レンズに逆望遠レンズを設定する必要がありましたが、これが必要なくなり、設計の自由度が高まったことも影響しているようです。そのため、長焦点距離の望遠レンズにおいては、ミラーレス化の利点はあまりないと指摘しています。

また、一つの歪曲収差や口径食があってもデジタル補正で画像を補正できることで、これらの収差を補正する必要がなく、そのぶん小型・軽量化が可能となっており、焦点距離の範囲が広いレンズでも、従来の高倍率ズームと比較してあまりサイズを大きくすることなく設計することができていることがわかりますね。

シグマからは最近、様々な面白いレンズ、小型・軽量なレンズが発売されていますが、それはミラーレス化による恩恵があったからかもしれませんね。

Photorend

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