ニコン 113億円を計上へ
ニコンは30日、2026年3月期に固定資産の減損損失などで113億円を計上すると発表した。半導体露光装置の苦戦が続いており関連資産の回収可能額を見直すなどした。業績全体に及ぼす影響は5月8日の決算発表で説明する予定という。
半導体露光装置の主な顧客である米インテルの苦戦が続いていた影響が響いた。販売が会社想定を下回って推移したことに伴い回収可能価額を見直し、58億円の減損損失を計上した。積み上がった在庫の評価損として56億円の営業損失を計上した。
赤字が膨らむ可能性
ニコンが半導体露光装置の販売不振で関連する資産の回収可能額を見直し、58億円の減損損失を計上、さらに在庫の評価損として56億円の営業損失を計上したと発表しました。
今回ニコンが新たに発表したのは、およそ113億円の追加損失です。これは主に、半導体を作るための装置が思ったほど売れず、関連する設備や在庫の価値を見直さなければならなくなった、という話です。言いかえると、「売れると思って準備していたものが想定より売れそうにないので、会計上の価値を下げました」ということです。
このとき出てくるのが、「減損損失」と「在庫評価損」という少しわかりにくい言葉です。どちらも難しそうに見えますが、考え方はそれほど複雑ではありません。
減損損失というのは、会社が持っている設備や機械、あるいは事業そのものの価値を下げる処理です。たとえば、半導体向けの装置を作るために工場や設備にお金をかけても、その先あまり売れず、十分に回収できそうにないと判断した場合、「この設備は思っていたほど稼げない」と考えて、帳簿の上で価値を引き下げます。
一方の在庫評価損は、作った製品や部品の価値を下げる処理です。こちらはもっと身近に考えるとわかりやすく、売れると思って作っておいた商品が思ったほど売れず、時間がたって価値が下がってしまった状態に近いです。たとえば、売るつもりで倉庫に置いていたものが、予定どおり売れない、仕様が古くなる、値引きしないと売れない、といった場合には、その在庫は帳簿に書いてあるほどの価値はないと判断されます。
つまり今回の113億円は、単に「一時的に利益が減りました」というより、「設備も思ったほど稼げそうにない」「在庫も思ったほどの値段では売れそうにない」と、会社が現実に合わせて資産の価値を下げた結果として出てきた損失です。ここが今回のニュースで重要なところです。
そして本当に大事なのは、この113億円が「もともと850億円赤字の中にある程度含まれていた話」なのか、それとも「850億円を出したあとに新しく増えた損失」なのか、まだはっきりしないことです。ここが今回いちばん重要な点になると思われます。
そのため、今市場が気にしているのは、ニコンが赤字か黒字かではありません。そこはもうほぼ結論が出ています。本当に見られているのは、「850億円で底が見えたのか、それともまだ下があるのか」という点です。赤字の大きさそのものよりも、これ以上悪くならないのかどうかのほうが重要視されているようです。
決算発表時の数値や説明をみなければ詳細はわかりませんが、素直に発表を読むと850億円に加え、さらに100億円近く赤字が増える可能性も考えられそうです。


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