なぜニコンは中国のみでViltrox相手に特許訴訟を起こしたのか

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ニコンのVilrtoxへの訴訟の考察

要約

ここ数週間、中国の特許裁判所においてニコンがViltroxを相手取って訴訟を起こした件について、一定の議論が行われている。この件における興味深い側面の一つは、裁判所そのものである。国際特許というものは存在しないため、もしニコンがViltroxによるZマウントレンズの販売を実質的に阻止したいのであれば、訴訟はおそらく米国および欧州で提起されていたはずである。目的は、中国市場においてロイヤリティを獲得することにある可能性がある。中国市場では、Viltroxの価格優位性が他国の市場以上に大きいためである。

この訴訟に関して写真関連メディアに見られるいくつかの誤解を整理しておくことは有益だ。その一つは、ニコンが「Zマウント特許」の侵害を理由としてViltroxを提訴したというものである。しかし、「Zマウント特許」という単一の特許は存在しない。

発明者が独占という特権を得るためには、その発明が独創的であり、重要性を持ち、かつ有能な技術者であれば誰でも思いつくような「自明な」発明であってはならない。審査官がこれに納得した場合に特許は付与される。

特許侵害で訴えられた被告は、その特許が誤って付与されたものであること、例えば発明が独創的でも重要でもなく、あるいは自明であったことを示すことで勝訴できる。この場合、その特許は無効となり、誰でもその「発明」を使用できるようになる。

特許は三つの主要部分から構成される。第一に発明の要約であり、発明の目的や独創性、そしてそこに至るまでの技術水準が説明される。第二に発明の実施形態の記述であり、使用方法が例示される。最後が最も重要な「請求項」であり、保護対象となる発明の新規部分が正確に定義される。

筆者はZマウント設計に関連するニコンの特許13件を確認した。そのうち1件はマウントの物理設計の細部に関するものであり、これが裁判で耐えうるかについては疑問がある。残りはすべてカメラとレンズ間の通信に関するものであり、そのほとんどがZマウントの特徴的要素、すなわち2系統のシリアル通信チャネルを持つ点に関係している。

しかしこの点自体は独創的ではない。同様の構成はマイクロフォーサーズマウントにも存在し、独自レンズ機能のために第二の通信チャネルが追加されていた。ニコンの場合、この追加チャネルは「ホットライン」と呼ばれ、フォーカスおよび手ブレ補正機能のフィードバックに用いられる高速通信経路である。これらはマイクロフォーサーズマウントにおいて追加チャネルが使用された用途とまさに同一であり、それ自体として新規性があるとは言えない。

ニコンの請求項を読むと、概して第二チャネルが同期式である点(従来技術は非同期式であった)および二つのチャネル間の相互動作の具体的な順序に関する内容となっている。これらの差異が重要であるのか、それとも自明であるのかは裁判所の判断に委ねられることになる。ただし、それはViltroxが本件を争うことを選択した場合の話だ。ニコンとの間で何らかの合意に至る方がより簡単である可能性もある。最近、REDがニコンを提訴した事例では、無効化できた可能性のある特許が用いられていたにもかかわらず、ニコンは単純に同社を丸ごと買収するという対応を取った。

ニコンが訴訟に勝利することは難しい?

ニコンのViltroxを相手にした訴訟に関して考察する文章が公開されています。上記は要約したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。

さて、今回ニコンがViltroxに対して訴訟を起こしたわけですが、その特徴は中国でのみ訴訟を起こしていることにあるようです。記事では、そのことについて触れられていますが、難しい文章ですので、より簡単に説明してみたいと思います。

記事では、もしニコンがViltroxのレンズを全面的に発売禁止にしたい場合、日本、欧州、米国などでも訴訟を起こしているはずだと指摘しており、そのためニコンは中国市場でのみViltroxに何らかの制約を課したいと考えているのがわかるようだとしています。

その理由として、Viltroxは中国国内では価格競争力が非常に強いため、中国市場で特許使用料を得たいのではないかとしています。しかし、Viltroxがニコンの特許は誰でも考えつくような自明の発明であると主張し、中国の裁判所がこれを認めた場合には、特許そのものが無効になる可能性もあるとも指摘しています。

そこでニコンの特許を読んでいくと、ほとんどがカメラとレンズの通信に関する特許であり、その技術はマイクロフォーサーズでも利用されているもので、目新しいものではないと指摘しています。

そのため、記事ではニコンのViltroxに対する訴訟について、どちらかというと懐疑的に見ていることがわかります。新規性が認められないとなると、ニコンの特許は無効になる可能性があり、これはニコンにとっても賭けとなるかもしれません。

したがって記事では、ニコンがViltroxのレンズの発売を禁止させようとしているのではなく、ロイヤリティ契約や和解を望んでいるのではないかと考えているようですね。

しかし、まだニコンがどのような主張をするのか、また中国以外の国でも訴訟を起こす可能性も残されており、現時点では中国での審理が行われるまではよくわからないというのが真相のようです。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • VILTROXの製造工場は中国にあるはずなので、まずはそこからということでしょう。

    米国で勝訴しても、中国で製造を継続できれば、日本や欧州でも売ることができてしまいます。

    製造地で勝てる見込みが出てくれば、他国でも提訴という流れと思われます。

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