ニコンが作業用ロボットのハンドカメラを開発
ニュースイッチがニコンのロボット用カメラについて報告しています。全文は記事元リンクからご覧ください。
ニコンは移動型作業ロボット(モバイルマニピュレーター)の高速画像制御を可能にするハンドカメラを開発した。500分の1秒で撮影し、その画像データを処理してロボットハンドの手元の位置ずれなどを制御する。画像処理とロボット制御の組み合わせで、1秒間に100回の信号を送る100ヘルツでの制御を確認した。適用する作業に合わせて画像処理などを調整することで、今後500ヘルツでの高速制御ロボットに提案する。
こうした制御はモバイルマニピュレーターの重要技術。コロナ禍で導入検討が増えたが、一度ロボットが静止し位置を計測し直してから腕を伸ばすため、作業効率に課題がある。人間が歩きながら部品をピッキングするような作業には、ロボットハンドの手元の位置ずれなどを微調整する必要があった。
記事によれば、ニコンが移動型の作業ロボットのマニピュレーターを制御するためのカメラを開発したとしています。このマニピュレーターはいわゆる人間の手のようなもので、この手の動きをカメラで捉えることで、精密に制御していこうというようなもののようです。
カメラは500分の1秒、つまり500fpsで高速連続撮影して、微細なマニピュレーターの制御を正確に可能にするというもののようですね。カメラは2次元、3次元で捉えることがで、奥行きなども把握できるようになっているので、より正確にモノをつかんだり、挟んだり、つかんで移動させたりといったことが可能になっているようです。
この装置のメリットは、移動型の作業ロボットにも適用できるということがメリットになっているようです。例えば、人が作業ロボットを移動させたり、人がロボットを移動させつつ作業させるときには、その都度、自分の位置や対象までの位置を測定し直したり微調整しなければならなかったようですが、この装置を利用すると、微調整や再測定必要なく利用できるので、より効率的に動かすことができるという仕組みになっているようです。
モバイルマニピュレーターとは何か?
だいたい内容的にはどのようなものかはわかったのですが、実際の利用状況がよくわからないので調べてみると、自走式の移動装置にいわゆるロボットの手が乗っかっているようなシステムとして利用されるようです。
例えば、Amazonのようなサイトで、注文が入ると自動的に倉庫にあるモバイルマニピュレーターが動いて自動的に製品をつかんで戻ってくるですとか、何かを製造する工場で、部品(材料)がなくなると判断された機器に、自動的に部品(材料)を倉庫まで取りに行って供給するですとか、そんなシステムとして利用されるようですね。このような装置は人材不足や新型コロナウィルスの影響で人の雇用が難しくなったりしていることで、需要が増しているのだそうです。
そう考えると、ニコンの今回のこの製品の意味がよくわかってきますね。自走で走ってくるので、停止位置などには微妙な誤差があったりするため、装置が停止してから材料までの距離や位置を測定したりするのでは時間がかかりますし、見切り発車だと材料をつかむことができなくなったりして効率が悪くなるようですが、自走しながら高速で撮影し、対象物の位置を常に把握することができれば、停止してからすぐにマニピュレーターを動かすことができるので、より効率的に作業ができるということになるのだと思います。
ニコンは半導体露光装置やカメラなどの光学製品で頑張ってきましたが、今後はその他の伸びしろがある事業の育成が重要になっています。3Dプリンタ、医療事業などの分野にも力を入れていますが、このようなロボット制御の分野に自身のカメラなどの光学技術や被写体の認識技術を応用して参入していくというのは、いい目の付け所かもしれません。
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