キヤノン 全画素読み出しのフルサイズセンサー発表
キヤノンがローリングシャッター歪みのないグローバルシャッター機能を搭載した新センサーを発表しました。
どのような製品なのでしょうか?それではプレスリリースをみてみましょう。
おもな特長
グローバルシャッター機能の搭載に加えて約1,900万画素の多画素と約58fpsの高速な撮像性能を実現
新製品は、被写体またはカメラ自体が高速で移動しながら撮影を行う場合でも、被写体をゆがみなく正確に撮像することができるグローバルシャッター機能を搭載しています。また、4Kの約2.3倍である有効画素数約1,900万画素(5,688×3,334)による広視野・高解像度での撮像を実現します。さらに、一般的に画素数が多くなると読み出しに時間がかかり、フレームレートが低下する課題に対し、センサー内の駆動回路と信号処理回路を高速化することで、約58fps(全画素出力時)の高速読み出しが可能です。
画素サイズ6.4μmによる高感度・高画質を実現
画素サイズが一辺6.4μm※1と大きいため、光の利用効率が高く、高感度を実現しており、夜間における監視など暗い環境下での撮影が求められる場面でも明るい画像を取得することができます。さらに、キヤノンがイメージングのリーディングカンパニーとして長年培ってきたセンサー技術によりノイズを抑えることで、広いダイナミックレンジを実現しており、建物の出入り口など明暗差が大きい環境でも、高画質な撮像が可能です。
さまざまな産業用途に対応するラインアップ
産業用途の幅広いニーズに対応できるよう、カラーの“LI5030SAC”、モノクロの“LI5030SAM”に加えて、可視光域と近赤外線域が同時に撮像できる、交通監視用カメラや産業用カメラ向けの“LI5030SAI”、マイクロレンズおよびカラーフィルターが非搭載で、電子顕微鏡やX線検出カメラでの活用が可能な“LI5030SAN”を発売します。
(記事元)キヤノンWebサイト
キヤノンによれば、有効画素数1900万画素、58コマ/秒の読み出しが可能なセンサーを開発したそうです。しかも、グローバルシャッター機能を搭載しており、全画素の同時読み込みに対応しているとしています。しかも、フルサイズセンサーということで、非常に期待できる製品になっている可能性がありそうです。
ただし、これは残念ながら産業向けや監視用途向けのセンサーで、動画撮影やスチル撮影むけのセンサーではありません。なので、このセンサーをそのままミラーレスカメラに応用することは不可能だと思います。
キヤノンのセンサーは全画素読み出しが難しい?
キヤノンのイメージセンサーというと全画素に像面位相差センサーを搭載したデュアルピクセルCMOS AFが有名です。これは1画素を文字通り二つの画素(デュアルピクセル)に分割して像面位相差センサーとして利用する方法です。
この方式では二つの画素を1画素(逆にいうと1画素に二つの画素が必要)として取り扱っているため、仮に2000万画素のセンサーとして製造しようとすると見かけ上4000万画素のセンサーを作ることと同じことになると言われています。そのため、画素数が多くなると全画素の同時読み出しが難しく、グローバルシャッター機能を搭載するのは難しいのではないかと言われてきました。
今回のセンサーがデュアルピクセルCMOS AFに対応しているのかどうかはわかりませんが、少なくともキヤノンには技術的にはグローバルシャッター機能を搭載したセンサーを開発できるだけの技術力があることは確かであるとわかったことになると思います。
これらの技術を応用して、いずれはミラーレスカメラにもローリングシャッター歪みのないセンサーが搭載される可能性があるのかなと思うと少し楽しみになりますね。
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コメント
コメント一覧 (3件)
キヤノンは2/3型で有効画素数約532万画素のグローバルシャッターを搭載したセンサーを
3年前に産業用として販売開始しましたね。
今回も産業用のようですがフルサイズなので何れはミラーレス機に搭載されそうですね。
画素数が増えても同時読み出しだからローリング歪みが出るわけではなく、フレームレートが
どこまで高速化出来るかですね。
約58fpsということなので動画にも必要十分のような気がします。
Cinema EOS C700 GS PLがグローバルシャッターですが、DPCMOSは非対応のようです。
https://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/digitalcamera/c700/feature-af.html
グローバルシャッターセンサーの技術自体は以前から持ち合わせていますが、DPCMOSとの同時実装が難しいようですね。そうなるとR1(仮)もローリングシャッターかもしれません。読み出し速度が十分速ければ良いだけですが。
まさかのSPADセンサーだとアツい展開ですが、まぁ流石にないでしょうねw
メカシャッターレスを呪文のように唱えている身です。ですが高望みはせずです(というか、低価格機に載せてほしい)。キャノンのR6は1/56秒のスキャン速度との話が出ているようですが、積層ではないと言われているようです。安くできるなら、個人的にはそれで充分です。APS-C、Mフォーサーズでよい、場合によっては1600万画素でもOKです(個人的妄想では)。キャノンR6が実質4800万画素であって、1600万画素なら、その1/3。なので1/168秒でスキャンできる(ソニーα9並み?)とかは甘い考えなのでしょうか? この計算でよいなら、別に2000万画素でもよさそうですが。。。しかし駆動回路、処理回路の高速化がやはり必要で、ある程度は価格は高くなる?