Nikon Z 9のファームウェアがメジャーバージョンアップ
ニコンがNikon Z 9の新ファームを公開しています。今回のバージョンアップは、マイナーバージョンアップではなくメジャーバージョンアップとなっています。
どのような変更点があるのでしょうか?それでは記事をみてみましょう。
※ 以下の「静止画撮影関連」、「動画撮影関連」、「表示関連」、「再生関連」、「操作関連」、「ネットワーク関連」に記載されている内容の詳細につきましては、 「ファームアップ補足説明書」 をご覧ください。
■ 静止画撮影関連
• 静止画撮影メニュー[画像サイズ]のメニュー名が[画像サイズ設定]に変更になり、撮像範囲 DXの画像サイズを個別に設定する機能を追加しました。
• ハイスピードフレームキャプチャ撮影に [C60] を追加しました。また、[カスタムメニュー]の d4 の名称を[プリキャプチャ記録設定]に変更しました。
• [静止画撮影メニュー]に[高周波フリッカー低減]を追加しました。
• [静止画撮影メニュー]の[フォーカスシフト撮影]に[フォーカス位置の自動リセット]を追加しました。■ 動画撮影関連
• [動画撮影メニュー]に[高周波フリッカー低減]を追加しました。
• [動画撮影メニュー]に[ハイレゾズーム]を追加しました。
• [動画撮影メニュー]の[タイムコード]に[リモコンからのリセット]を追加しました。■ 表示関連
• モニターモードの[ファインダー優先]を[ファインダー優先 1]と[ファインダー優先 2]の 2 種類に変更しました。
• 画像モニターをより暗く、またはより明るく表示する機能を追加しました。
• [カスタムメニュー]に以下の機能を追加しました。
- a11[フォーカスポイント表示]に[3D-トラッキング時の表示色]を追加
- d9[ビューモード設定(静止画Lv)]の[撮影設定を優先]に[フラッシュ使用時を含む]と[フラッシュ使用時を含まない]を追加■ 再生関連
• [再生メニュー]の[縦位置自動回転]が[画像の自動回転]に変更になりました。[ON]に設定すると、カメラを縦位置に構えた状態で再生画面を表示した場合、ファインダーおよび画像モニターが縦位置表示で再生されるようになりました。
• [ホワイトバランス]>[プリセットマニュアル]で撮影した画像の再生時に色温度の表示を追加しました。
• 連続撮影した画像をグループとして扱う機能を追加しました。
• [再生メニュー]の[再生画面設定]に[ファイル情報]を追加しました。■ 操作関連
• 物理フォーマットに対応した CFexpress カードを使用している場合、[セットアップメニュー]の[カードの初期化(フォーマット)]で物理フォーマットする機能を追加しました。
• [カスタムメニュー]に以下の機能を追加しました。
– d14[撮影タイミング表示]に[TypeA自動切り換え秒時]を追加
– d18[撮影画面カスタマイズ(画像モニター)]および d19[撮影画像カスタマイズ(ファインダー)]で撮影画面に表示する項目として、[中央部重点測光範囲]を追加
– f2[カスタムボタンの機能(撮影)]、f3[カスタムボタンの機能(再生)]、g2[カスタムボタンの機能]に機能を割り当てられるボタンを追加、また、割り当て可能な機能を追加■ ネットワーク関連
• FTP サーバー接続時に撮影画面に状態を表示する機能を追加しました。
• FTPS プロトコルに対応しました。
• [ネットワークメニュー]に[ATOMOS AirGlu BT 設定]を追加しました。■ その他
• オートフォーカスのピント精度を向上しました。
• オートフォーカスの低輝度性能を向上しました。(低輝度限界を 0.5EV 向上)
• [3D-トラッキング]使用時に被写体の手前を横切る障害物に対してのピント乗り移りを低減しました。
• [3D-トラッキング]使用時に[AF時の被写体検出設定]を[動物]に設定した際の性能を改善しました。
• [ワイドエリア AF(S / L / C1 / C2)]、[3D-トラッキング]、[オートエリアAF]に設定して被写体を検出しているときに、ピントが背景に張り付いてしまうことがある現象を改善しました。
• フォーカスモード を MF 以外 に設定していた場合でも、フォーカスリング操作時において、フォーカスピーキング、フォーカスエイド、フォーカス距離指標を表示するようにしました。また、フォーカス距離指標の表示時間を変更しました。
• ライブビュー拡大表示にして露出を変更した際に、シャッタースピード、絞り値、ISO 感度を表示するようにしました。
• 静止画モードのサイレントモード時、および動画モード時のマニュアルフォーカスの応答性を向上しました。
• 連動レリーズ接続時に撮影画面に状態を表示する機能を追加しました。また、[ネットワークメニュー]の[カメラと接続]の[リモートカメラリスト]内の表示を改善しました。
• カナダ・アメリカ仕向けのZ 9において[セットアップメニュー]>[言語]に Portugues(PT)を追加しました。
• 以下の不具合を修正しました。
– 以下の設定にした際に、カスタムボタンを押しても、被写体検出が機能しない場合がある。
▸ フォーカスモード:AF-S
▸ f2[カスタムボタンの機能(撮影)]にて任意のボタンに[AFエリアモード+AF-ON]を選択し、被写体検出可能なエリアモードに設定
▸ [静止画撮影メニュー]>[AF時の被写体検出設定]を[しない]以外に設定
– 以下の設定にした際に、AF-ON 中にカスタムボタンを押しても、被写体検出が継続してしまう。
▸ AF エリアモード:3D-トラッキング
▸ [静止画撮影メニュー]>[AF時の被写体検出設定]を[しない]以外に設定
▸ f2[カスタムボタンの機能(撮影)]にて任意のボタンに[撮影機能の呼び出し]または[撮影機能の呼び出し(ホールド)]で、[AF エリアモード]を[3D-トラッキング]、[AF 時の被写体検出設定]を[しない]に設定
– 以下の設定にした際に、カスタムボタンを押してAF-ONにすると、被写体の検出位置がずれてしまう場合がある。
▸ フォーカスモード:AF-C
▸ AF エリアモード:[3D-トラッキング]以外に設定
▸ [静止画撮影メニュー]>[AF時の被写体検出設定]を[しない]以外に設定
▸ f2[カスタムボタンの機能(撮影)]にて任意のボタンに[撮影機能の呼び出し]または[撮影機能の呼び出し(ホールド)]で、[AF エリアモード]を[3D-トラッキング]に設定
– SB-800 でオート FP 発光を行う際、シャッタースピードを 1/320~1/640 秒に設定して撮影すると、画面内の露出が均一にならない。
– [静止画撮影メニュー]>[オートブラケティング]の[補正ステップ]を初期設定から変更していた場合、[カスタムメニュー]>[カスタムメニューの管理]を変更すると[静止画撮影メニュー]>[オートブラケティング]の[補正ステップ]が 1 段になってしまう。
– まれにファインダー内の情報表示が消える場合がある。
– NIKKOR Z 14-30mm f/4S を装着し、[動画撮影メニュー]>[手ブレ補正]を[しない]以外で 8K 動画を撮影すると、カメラが操作を受け付けなくなる場合がある。
– 小さい、もしくはコントラストの低い被写体を青空等の平坦な背景で追尾した際、フォーカスポイントが画面上部に移動してしまうことがある。
– [静止画撮影メニュー]>[アクティブD-ライティング]を[しない]以外に設定した際に、レリーズモードを[C30]または[C120]に切り替えると、画像モニターまたはファインダーに表示される明るさが変わってしまう。
– 8K 動画を撮影した際に、まれに動画が正常に記録されない。
– 動画モードで撮影モードを P または S にした際、[動画撮影メニュー]>[ISO感度設定]の[制御上限感度]を[12800]以下に設定していると、ISO 感度が制御上限感度に達しても絞りが開放側に動かない。
さすがメジャーバージョンアップ、大幅な修正
ソフトウェアには、大規模なバージョンアップであるメジャーバージョンアップと、不具合の修正などマイナーバージョンアップがあります。これらを区別することはできないのですが、一般的にバージョンが1.23というような小数点形式になっている場合には、整数部分が増えるとメジャーバージョンアップ、小数点部分が増えるとマイナーバージョンアップと呼ばれることが多いです。
今回のZ 9も2.11から3.00にバージョンアップしており、事実上のメジャーバージョンアップと言えると思います。実際の修正内容もかなり大規模な修正がされていることがわかります。
修正内容をみると細かな修正内容にも、かなり大幅な修正が加えられていることがわかります。
例えば、静止画撮影や動画撮影時の「高周波フリッカー低減」機能はかなり嬉しい機能追加ではないのかなと思います。最近はLED電球などでかなり点滅速度の速い光源がありますので、それに対応できる可能性があるというのは嬉しいと思いますね。
この他、ネットワーク関連ではFTPだけでなくFTPSに対応しています。FTPはインターネット上の画像転送用のプロトコルです。最近は様々なファイル転送プロトコルが一般的になっていてFTPは少数派になりつつありますが、一部ではまだ使われています。FTPSというのはFTPのデータ送信を暗号化したもので、よりセキュリティの高いデータのやりとりができるということで、これも嬉しい追加機能だと思いますね。
さらにもっと嬉しい機能はAF関連の機能向上です。AFのピント精度が向上したほか、0.5段分のより低輝度のAFに対応したそうです。3Dトラッキングでの動物追尾能力も改善されており、AFに関しては様々な機能向上がされているので、Nikon Z 9ユーザには嬉しい機能追加となっていると思いますね。
ファームのダウンロードや具体的な修正内容については、ニコンのWebサイトからどうぞ。
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コメント
コメント一覧 (1件)
精力的なアップデートでよいニュースには違いないですが、
ニコンは製造もソフトウェア開発部隊も Z 9 に全力投球で
この下のクラスの新ボディに Expeed 7 が下りてくるのはさらに後回しになりそうな感じがしてしまいますね。