EOS R5 Cが正式発表
キヤノンからEOS R5 Cが正式に発表されました。以前から19日に何かしらの製品の発表があることがアナウンスされていましたが、どのような製品なのかはあきらかにされていませんでした。その後に、その19日に発表することを告知するサイトの画像のファイル名にEOS R5 Cの名称が含まれていたことがわかり、なかばネタバレ状態になっていたわけですが、やはり実際に発表されたのはEOS R5 Cでしたね。
内容をみると当初から言われていたとおり、EOS R5のハイブリッドカメラバージョン(動画と静止画の両方を撮影できるカメラ)になりました。EOS R5 Cの仕様などについては、キヤノンの公式サイトや他のサイトのほうが詳しいと思いますので、そちらのサイトに譲りたいと思います。
なお発売日は2022年3月上旬で、価格は約65万円とされています。
EOS R5 Cの主な特徴
基本機能はEOS R5
キヤノンのサイトや他の様々なサイトをみてもわかりますが、基本的にはEOS R5の静止画性能に加え、動画性能を向上させたというようなカメラとなっているようです。カメラにはPhotoとVideoの切り替えスイッチがあり、スイッチを切り替えることで明示的に動作モードが変更され、どちらのモードで利用するのかが明らかになることが特徴的といえそうです。
拡充された8k対応
EOS R5では8k動画の録画時間などに制限がありましたが、R5 Cではクーリングシステムを搭載することで、無制限の8k動画の録画に対応しました。外部給電が必要になりますが、8k 60pでRAWの記録が可能になり、4kや2kでも8k読み出しのオーバーサンプリングが可能となっています。
デメリットも
しかし一部ではデメリットについても話題になっています。まず、アクティブクーリングということで空冷機構がカメラに実装されたため、カメラの厚さが23mm大きくなりました。約2cmですから、かなりのサイズアップということになります。当初の噂では背面液晶が固定式になる可能性も示唆されていましたが、バリアングル液晶が採用されたのは幸いですが、かなり厚くなり、見た目も無骨な感じになってしまったのはマイナスポイントといえるかもしれません。
そしてなんといってもボディ内手振れ補正が省略されたのも大きなマイナスポイントだと思います。ネット界隈をみると、動画撮影用だとしてもボディ内手振れ補正が省略されたのが本当に残念という声が多く、これだったらソニーやZ 9でもいいというややきつい意見も散見されています。
ただ動画撮影目的なら、手持ち撮影ということはあまりないと思いますのでそう考えると手振れ補正は不要だという意見もあるかもしれません。手持ち撮影ならむしろ手振れを演出に利用したい場面のほうが多いかもしれませんしね。
各メディアはどのように報じたか
それでは、今回のEOS R5 Cについて、各メディアはどのように報じたのかみてみます。
BCN
EOS R5 Cは、CINEMA EOS SYSTEMの動画性能とミラーレスカメラ「EOS R5」(2020年7月発売)を踏襲した高い静止画性能を、電源ダイヤルでのモード切り替えにより使い分けることができるデジタルシネマカメラ。高次元で動画性能と静止画性能の両立を実現したことにより、機動力が求められる報道現場や、シネマライクな画づくりが求められる広告・企業映像制作など、1台で幅広い撮影シーンに対応する。
-BCNより
1台で動画と静止画に対応するので幅広いシーンに対応できるとして前向きな記事となっています。
GIZMODO
8K動画の伝道師。
キヤノンの映像制作機器部門、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として「EOS R5 C」が発表されました。「EOS R5」の動画つよつよ特化版です。そして、それこそユーザーが求めていたもの。
-GIZMODEより
BCNよりもポジティブなのがGIZMODEの記事です。動画特化版こそがユーザが求めていたものとして理解を示しています。最近は動画を撮影したいという人が多いですので、理解できるところです。
ITmedia NEWS
キヤノンは1月19日、スイッチレバー1つで静止画と動画を切り替えられるハイブリッドなミラーレスカメラ「EOS R5 C」を発表した。プロの映像制作者向けカメラとして3月上旬に発売する。参考価格は65万円前後(税込)。
-ITmediaNEWSより
IEmedia NEWSは基本的にキヤノンのプレスリリースベースで、メディアとしての考えを記述することなく、プレスリリースやキヤノンが発表している内容を、坦々と紹介しているような報道になっています。
ImpressWatch
主要コンポーネントをミラーレスカメラの「EOS R5」と共有するという、35mmフルサイズセンサー搭載の8K・RAW対応シネマカメラ。放熱ファンを内蔵し、本体内部の熱を強制排出することで、EOS R5に比べて長時間の動画撮影が可能な点を特徴としている。
-ImpressWatchより
ImpressWatchも基本的にはプレスリリースベースで、キヤノンはこう述べていますというスンタスの報道となっていますね。
海外での反応
海外での反応は、結構シビアなものがおおいです。具体的には、こんな指摘が多いですね。
・ボディ内手振れ補正がないのは動画撮影者にとってはいいことだけど、静止画を撮影する人は考える余地がある
・もしボディ内手振れ補正があったらすぐに予約した
・ボディ内手振れ補正がないので静止画を撮影する人に適切でないし、フルサイズのHDMI端子と内部偏向フィルターがないので動画を撮影する人に適切でない
・ボディ内手振れ補正を必要としていないのはハリウッドで働くような人たち、ジンバルを利用する人だけだろう。このカメラを買う人は最低限の装備で撮影したいはずだからボディ内手振れ補正を本当に望んでいた
というわけでR5 Cの発表で、製品に対してどのような報道があったのか、どのような意見があったのかといったことをかいつまんで記事にしてみました。ボディ内手振れ補正の有無に関してはやはり意見がわかれるようで、動画撮影用として利用したい人のなかでも、より必要最小限の設備で撮影するためにボディ内手振れ補正が欲しいという人も一定数いるようですね。
静止画撮影メインという人であればなおさらということになりますが、EOS R5 CはR5に似たカメラですが、実際は動画撮影用のカメラとして考えたほうがいいのかもしれません。
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コメント
コメント一覧 (6件)
動画モードと静止画モードで全く別の OS が動くということで、Z9 に対抗して 8K で長時間撮るというニーズに応えるために間に合わせで作ったカメラという印象がぬぐえませんね。
キヤノンについては 5D4 のセンサーの流用で EOS R を出して、評判を落とした後 EOS R5 で巻き返したという前例もありますし、R5C で集まったフィードバックを受けて、のちに本格的で完成度の高いハイブリッドカメラを開発、発表するということも十分ありそうです。
なんだか中途半端な感じだなという印象です。
動画でもIBISは欲しいですし写真モードもあるハイブリッド機なのだから尚更IBISは搭載しておいてほしく感じます。
ソニーα7S IIIやFX3やニコンZ 9やパナS1HにもIBISは搭載されてるわけで動画メインだからという言い訳も苦しいですし、動画機ならHDMI端子はType AであるべきなのにType D (マイクロ) というチグハグさもあります。
NDフィルターも内蔵されてるわけじゃないので動画機としても写真機としてもどっちとして使うにしても一手間必要なのが半端で、価格も約65万円出すならZ 9のほうが買いたくなりますね。
やはりIBISオミットには否定的な意見のユーザーが多い印象です。8K60pを無制限だと放熱の関係上難しかったんですかね。
HDMIも、基本設計がR5とはいえ改変点はあるわけですしTypeAにしておいた方が良かった気はしますね。
OSが別々なのはEOS/CINEMA EOSからUIを変えると使いづらいでしょうからアリだと思います。
とはいえ、批評している人のうちどの程度が実際に購入を検討しているか、という観点もありますね。
かくいう私も、本機に関しては全くの考慮外なのにこうして所感をコメントしてますが……
帯に短し襷に長しを地で行く、実にキヤノンらしい製品ですね。
これは個人向けでは無く法人向けカメラなので我々アマチュアの
要望と言うよりもプロの方達の意見を取り入れたカメラと思います。
ボディ内手振れ補正は放熱効率と動画への悪影響を考慮して搭載し
なかったとのだろう思います。
またこのカメラは EOS R5 が出てから半年ぐらいで噂が出てきたので
ニコン Z9 とは無関係でしょう。
何か理由があるのかも知れませんが赤いシャッターボタンは違和感が
ありますね。
動画を撮らないしで、動画関係は本当にわかりませんが(静止画も高級機には価格も含めついていけないですが)、Z9とR5Cをどのように比較すべきかについては本当にわかりません。Z9もどれぐらいが動画目当てで買われるのか? メーカーはアンケート他をとったりもして一般人よりは把握しているように思えるので、それなりには考えているとは思います。それでも想定外他起こったりもするでしょうし、スペック競争的な部分もどうなの?もありますが。
個人的には、Z9は月産3500台なわけですが、R5Cってどれぐらいかなという、R5もどれぐらい? とかいうのには俄然興味があるのですが。。。(そして実際どれぐらい売れたかわかれば、個人的には結構決着もつく)