カメラ業界を中国企業が変革する?
中国企業がカメラ市場に参入し、カメラ業界を変革していくのではないかと分析する意見が公開されています。どのような意味なのか、この記事で詳しくお伝えします。
(前略)
1980年代から1990年代にかけて、日本の企業はカメラ業界を支配してきた。キヤノンとニコンは高品質な光学技術と信頼性の高いメカニズムで知られ、ソニーとJVCはコンシューマ向けビデオカメラ市場を席巻していた。しかし、2010年代に入り、DJI、シャオミ、ファーウェイといった中国企業の台頭によって、その状況は変化し始めた。
(中略)
中国の台頭の主な理由の一つはイメージング技術を他のデジタルソリューションと統合する能力だ。ドローンメーカとして始まったDJIは、高解像度カメラを搭載したドローンを開発することで、空中の写真撮影に革新をもたらした。DJIのジンバル技術などの安定化技術はカメラ市場全体にも広がり、特に2017年にスウェーデンの有名なカメラブランドであるハッセルブラッドを買収して以来、映像、および写真機器の分野でも重要なプレイヤーとなっている。
(中略)
また中国企業のもう一つの重要な強みはイノベーションの速度だ。日本の企業がハイエンドのデジタル一眼レフやミラーレスカメラの開発サイクルを着実に進める一方で、中国企業は自社の製品を迅速に改善することに熱心だ。中国企業の身軽さは国内の製造のエコシステムによって支えられており、より迅速な製品が可能となっている。実際、多くの日本のカメラブランドも、その製品の大部分を中国で製造している。
(中略)
中国ブランドは、その勢いを維持し、かつて日本ブランドがそうだったように、カメラというイメージング業界を再定義する可能性が高い。中国が技術力、競争力のある価格設定、そして関連分野でのイノベーションを組み合わせることで、世界のカメラ業界は今後も進化を続けるだろう。私の願いは、競争がより多くの選択肢を提供し、業界が停滞することを防ぐことだ。
参入障壁が下がったレンズ交換式カメラ
中国企業が日本のカメラメーカにとって脅威になるかもしれないという記事が公開されています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事では、中国企業には優位点が3つあると述べています。まず一つ目は低価格な商品を発売できること、二つ目は他のデジタル技術を写真や動画撮影に応用する能力に優れること、最後に開発サイクルが早いと指摘しています。
デジタル技術の応用に関しては、写真に様々なデジタル技術を応用して、より面白い、より優れた写真を撮影できるような技術がスマホなどで培われています。さらにAI技術を使って必要ないと判断したものを自動的に取り除いたり、色味を変化させたり、本来建物の裏側にあって撮影されていない場所をも自動的に作り出すような技術がスマホだけでなくカメラにも搭載される可能性がでてくるかもしれません。このことについては写真としてどうなの?という論議がでてくるかもしれませんが、撮影者が撮影したい写真を作り出してくれるという意味では、かなりのイノベーションになると思いますね。
これまで車の世界では、将来的に内燃エンジンが必要なくなり、市販のバッテリーやモーターを組み合わせ、あとはデジタル技術と融合させれば中国企業でも簡単にEVが作れるのではと言われていました。燃費が良く壊れないエンジンを作ることが非常に難しいわけですが、エンジン製造という障壁が下がることで様々なメーカが自動車市場に参入しやすくなったわけです。
カメラにも同じことが起きていて、これまでは製造が難しかったレフ機構やメカシャッターといったものが必要なくなりつつあるため、市場参入の障壁が下がりつつあります。現在ではマウント形状が障壁となりますが、それもマイクロフォーサーズやLマウントアライアンスに加盟すれば交換レンズの問題も回避できるかもしれません。
というわけですが、確かに交換レンズでは互換レンズが中国企業から次々と発売されていて、すでにその兆候が出てきていると言えるのかもしれません。日本のメーカも黙ってやられているとは思えないので、ぜひとも頑張って欲しいと思いますね。
(source)DigitalCameraWorld
- EOS R6 Mark IIIは3000万画素台の新開発積層型センサーを搭載し価格は約3000ドル!?
- EOS R5 Mark IIの新ファームが間もなく登場か!? AF不具合問題も解消する!?
- ニコン Z9II、Zrに続き3台目のカメラを年内に発表と噂 Z7III、Z30IIか?
- ソニーの次の新製品はグローバルシャッター搭載のα7S IVかFX3 IIになるとの憶測
- シグマ 映像製作用レンズ Aizu Prime LineとAF Cine Lineを発表
- 富士フイルムのパンケーキレンズの仕様は23mm f/2.8で超コンパクトになるとの噂
- OMデジタルのOM-5 Mark IIは積層型センサーを搭載か 6月17日に発表との噂
- ニコンが年内に発表する可能性の製品の噂 Z9II、100-300mm f/2.8ほか
- ニコン Nikon Z6II、Nikon Z7II新ファーム公開 パワーズーム対応ほか
- 富士フイルム X-E5の主な仕様が流出か!? 着実にスペックアップを実現
コメント
コメント一覧 (0件)
かつて10万円以内で買えたエントリークラスのデジタル一眼レフやミラーレスのレンズキット、ダブルズームキットを、次は中国企業にそれらのクラスの製品を発売してほしいなあ。
かつてサムスンが意気揚々と参入したけど駄目で撤退したわけだし、もうスチルカメラ市場は参入する旨味はないと思うけどなあ。
コロナからの回復で一旦右肩上がりに見えたが、またこれから先は右肩下がりになると思うし。
いずれにしろ中国メーカーがカメラ業界に参入するのは
間違いないでしょう。
戦前、戦中の日本が自動車、カメラ、家電製品、その他、
海外の先行メーカーのノックダウン、コピーからスタート
しているわけだから中国メーカーが同じ道を通っても
不思議ではないですね。
ぶっ潰すべき
中国企業が日本企業を越えている技術はスタビライザー関連のみでは?
逆にこの機会に日本企業にはスタビライザー技術を伸ばして競争力のあるものにしてほしいですね。