ソニーミラーレス開発者インタビュー
ソニーのミラーレスカメラ黎明期の開発者へのインタビュー記事が掲載されています。興味深い内容でしたので紹介したいと思います。
それではインタビュー記事をみてみましょう。
――なるほどミラーレスだけあって、フルサイズでも小さくて軽いね、でもやっぱりピントが合うのが遅いし、レンズもこれからだね、と。
石塚:そうそう。そんなふうに「やっぱりフルサイズでもミラーレスはたいしたことない」と、デジタル一眼レフで天下を取っている上位メーカーに油断してもらうことも、実は計算していました。
――えっ、だってA1プロジェクトで5年後にシェアナンバーワン、って宣言されたと。
石塚:あの宣言はあくまで社内向けで、僕は対外的には、「ナンバーワンになるぞ」という話はあえて1回も言わなかった。
――それはどうしてですか。
石塚:要するに、ソニーはレンズ交換式カメラではシェアが低い、いつまでもカメラのことを分かっていない電機メーカーだ、って思わせたほうが。
記事は長文で、この他にも非常に興味深い内容が満載ですので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
油断を誘っていたソニー
記事ではシェアが取れていなかった時代にスマホが台頭し、今後はデジカメも食われていく可能性を心配していた様子がよくわかります。そして、スマホでは不可能なレンズ交換式に託すしかないと考える状況になり、やるならフルサイズということでα7などが発売された経緯が明かされています。
そのあたりはこれまでの経緯として知っていた人も多いと思うのですが、興味深かったのはこのあとです。最初にフルサイズを発売しても、まだまだ技術、レンズなどがニコン、キヤノンに追いつくまでには時間がかかるとして、フルサイズを発売しても、ソニーはまだまだだよねと思ってもらうことを計算していたと述べています。
確かにα7IIIが発売されるぐらいまでは、業界全体がゆったりしていたような感じもします。ニコン、キヤノンは4年に1度のフルモデルチェンジ、その2年後のマイナーチェンジという感じでしたし、APS-C一眼レフも2年に1度簡単な変更を加えて発売という感じでした。
その間にソニーは頑張って体制や技術を整えていたということになります。
そのうちにミラーレスでないと撮影できない写真というのが出回って、そのことが記事になることもありました。それがプロゴルファーの撮影です。ゴルフではスイング中に音を出すことができません。そのため、ボールを打ち出した後のゴルファーの写真しか撮影することができませんでした。
しかしミラーレスであればローリングシャッター歪みはあるかもしれませんが無音で撮影できます。そのためクラブを振り下ろしている途中の写真も撮影できるようになり撮影の幅が広がり、そのことが記事になるぐらいでした。それだけインパクトがあったのだろうと思いますね。
またα7 IIで瞳AFが実用化されたのもミラーレスの強みという意味でインパクトがありましたよね。その頃あたりから、いよいよミラーレスの時代になりそうだなと感じたことを思い出します。
で、結局、2018年にニコン、キヤノンもフルサイズミラーレス市場に参入するわけですが、それまでにレンズラインナップを拡充したり、ギアを一段上げて開発を進めたりしてソニーはシェアをじわじわと高めていき、いまの状況を作りあげます。
結果的にですが、ニコンはミラーレスカメラへの参入は3年遅かったという声が市場からでてきます。
もしソニーが”計算”していなかったら、もっと早くニコンやキヤノンが本気になり、いまの状況にはなっていなかったかもしれません。
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/e21ac9d8536194ebebda1a4fe9b253ac87cff40e
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コメント
コメント一覧 (4件)
自動車、電車等動く物体はミラーレスの電子シャッターはつい最近まで使い物に
なりませんでした。
多少は改善しましたが今でもあまり状況は変わっていないように思えますね。
ソニーは像面位相差AFの実用化に力を入れていたのかなと思います。
それが出来るまでは多くを語らない姿勢を貫いたのかなと。
この点はキヤノンも同じでそれぞれのアプローチで像面位相差AFを実現しました。
この2社の像面位相差AFが無ければ今のミラーレスの隆盛は無かったかもしれません。
某最大手デジカメまとめサイトの掲示板で、読解力が足りない人が多発していたやつですね。(もしくは原文を読まずにコメントしていた)
このシリーズは好評のため書籍化するそうです。
α9とα7iiiで急に本気を出してきたんだっけか
あの辺りから急にシェア拡大して今のソニーαを築いたんだっけか
今では古い機種のα6000を使用して鉄道撮影をしています。新モデルが出てはいますが、まだまだ普通に綺麗な画像で撮れてしまうのでレンズにお金を掛けれるようになりました。この辺はレンズの勉強にもなってありがたいなと。