メモリーだけでなくHDDも値上がり
コンテンツクリエイターには厳しい時代
CFexpressに続きHDDの価格も急上昇しています。価格.comによると、SandiskのCFexpress Type Bカード、Sandisk SDCFE-128G-JN4NN [128GB]は2025年末ころまでは平均価格で2万1000円前後で販売していましたが、現在では3万9000円台で推移するなど、ほぼ2倍の価格になっています。
そして最近ではハードディスクにまで影響が及んでいるようで、WESTERN DIGITALのWD80EAAZ [8TB SATA600 5640]は、2025年には平均2万円前後で購入できていたのに対し、現在は4万9000円前後を推移しています。こちらは2.5倍に迫る勢いで高騰していることがわかりますね。
CFexpressもHDDも、ここ数年で2倍近い値上がりが起きているため、デジタルカメラを趣味にしている人はもちろんですが、特に映像制作に携わるクリエイターにとっては深刻な問題になりつつあります。
この値上がりの背景には、AI向けデータセンターの需要増加があるとされています。AIの学習には膨大なデータを保存・処理する必要があり、そのために大量のSSDが使われています。CFexpressカードも内部はNAND型フラッシュメモリーで構成されているため、SSD需要が高まると同じ素材を使うメモリーカードも価格が上がってしまうというわけです。
さらに、SSDが高騰していることで、企業が大容量HDDを再び大量に求めるようになっているという話もあります。AI学習データはとにかく巨大で、SSDではコストが合わないため、保存用としてHDDを選ぶ企業が増えているそうです。しかし、HDDは以前ほど大量生産されておらず、供給が追いつかない状況になっていると伝えられています。結果として、HDDもCFexpress同様に価格が跳ね上がってしまったようです。
この影響を最も受けているのが、映像コンテンツを制作するクリエイターです。動画撮影は静止画と比べものにならないほどストレージを消費しますし、4Kや6K、RAW動画ともなればCFexpressカードが必須になります。さらに、撮影した素材は基本的に消去しません。なぜなら、後から再編集が必要になる場合があること、クライアントから再利用の依頼が来ること、そして“撮り直しができない瞬間”を記録しているからです。素材は資産であり、消してしまうことは大きなリスクになるため、データは増える一方になります。
その結果、クリエイターは例年の2倍近いストレージ予算を確保しなければならない状況になっていると言われています。CFexpressカードを複数枚揃え、さらに撮影データを保存するためのHDDを買い足し続ける必要があり、経済的な負担は決して小さくありません。
AIの進化は社会全体に恩恵をもたらしていますが、その裏でこうした影響を受けている業界もあるのですね。映像クリエイターにとっては、まさに厳しい時代になってきたと感じます。最近の報道によればメモリーなどの新工場が計画されており、2027年前半には少しずつ改善し、供給不足の解消は2027年後半頃になるのではと言われています。しかし価格が元に戻るのかどうかは現時点では予測不可能のようです。
今後どうなるのか、少しでも負担が軽くなる方向へ向かってほしいところですね。
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