SIGMA 12mm f/1.4 DC | Contemporary レビュー
シグマは今回、少々やりすぎたと言えるかもしれない。画角が100度レベルのレンズを、f/1.4という非常に明るい開放値で、さらに軽量かつ扱いやすく仕上げることを目指した。価格も630ドルと、妥当な水準に抑えられている。
これらの目標は達成されたが、それは多くの妥協の代償によるものである。Sigma C 12mm f/1.4 DG の光学性能は、画面端での良好な画質を保証することができない。また、横色収差や球面収差の補正も十分とは言えず、歪曲収差や周辺光量落ちに関しては完全に放棄されている。妥協点があまりにも多く、今回のレンズを「大成功」と呼ぶには無理がある。
ちなみに、私はマニュアルの Samyang 12mm f/2 CS NCS(富士フイルムXマウント版)と、Sony E 11mm f/1.8 の両方を所有している。これらのレンズを新しいシグマに置き換えることも真剣に考えたが、テスト結果がその気持ちを見事に打ち消した。この一文が、シグマのテスト結果を端的に要約していると言えるだろう。
- 長所
- 便利で軽い鏡筒
- フレーム中央の画質が優れている
- フレームの端の画質は良好
- わずかな縦方向色収差
- コマ収差の良好なコントロール
- 非常に低い非点収差
- 明るい光に対して適切なパフォーマンスを発揮
- 静かで高速かつ正確なオートフォーカス
- 適度なフォーカスブリージング
- 自然で違和感のないフォーカスの外れた領域
- 短所
- 非常に高い周辺減光
- RAWファイルで気になる歪み
- 倍率色収差が少し大きすぎる
- 球面収差の補正が弱すぎる
大口径かつ軽量のため妥協も
SIGMA 12mm f/1.4 DC | Contemporaryのレビュー記事をLensTip.comが公開しています。上記はまとめ部分になり、より詳細なレビューや作例がありますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
SIGMA 12mm f/1.4 DC | Contemporaryは、APS-Cセンサー向けの超広角単焦点レンズです。レビューでは中心部の解像力は非常に高く、MTFチャートでも開放f/1.4から鋭い描写が得られると報告されています。一方で周辺部やコーナーは中央ほどではなく、やや落ちるものの、実用上は十分に使えるレベルとのことです。また、歪曲収差や色収差も比較的抑えられており、広角レンズとしてはバランスが良いと評価されています。
レンズの光学設計上、逆光や強い光源には少し敏感で、ゴーストやフレアが出やすいとレビューにはありました。明るい開放f/1.4と超広角の組み合わせならではの特徴で、光の条件やフレーミングを工夫すれば十分対処可能だそうです。またオートフォーカスも比較的高速で、約0.3秒程度で合焦するとの測定結果があるそうで、日常的な撮影でもストレスなく使えそうです。
重量は軽く、コンパクトにまとめられているため、携行性も高いとのことです。ただし、12mmという超広角は日常スナップやポートレートでは扱いにくく、特定の用途、例えば風景写真や建築、星景写真などで本領を発揮するレンズだとレビューではまとめられていました。
一方で補正をしていない歪曲収差と、周辺減光についてはかなり厳しく指摘しています。フレームの周辺部では中央部の比較して2段分の光量落ちがあるということで、他のレンズよりも悪い数値となっているようです。
これは広角で大口径レンズのため、ある程度は妥協しなければならなかった可能性があると指摘しています。価格も低価格なので、ある程度の補正前提の作りとなっているのは仕方がないと思いますね。
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SIGMA 12mm f/1.4 DC Contemporaryの主な仕様
| 対応マウント | ソニー E マウント、富士フイルム X マウント、キヤノンRFマウント |
| センサーフォーマット | APS-C |
| レンズ構成枚数 | 12群14枚(SLDガラス2枚、非球面レンズ3枚) |
| 画角 | ソニー E マウント:99.6° 富士フイルム X マウント:99.6° キヤノンRFマウント:96.4° |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 (円形絞り) |
| 最小絞り | F16 |
| 最短撮影距離 | 17.2cm |
| 最大撮影倍率 | 1:8.4 |
| フィルターサイズ | φ62mm |
| 最大径x長さ | ソニー E マウント: φ68.0mm x 69.4mm 富士フイルム X マウント: φ68.0mm x 69.7mm キヤノンRFマウント: φ69.0mm x 67.4mm |
| 質量 | ソニー E マウント: 225g 富士フイルム X マウント: 235g キヤノンRFマウント: 250g |





コメント
コメント一覧 (2件)
他のシグマのAPSC F1.4シリーズと同じ価格にしろ
超広角レンズの周辺の光量は理論上 COSθ で落ちるので
仕方がないですね。
歪曲は軽量化と相反する問題なのでこれも仕方のないところ。
今はデジタル補正が出来るので大きな問題はないでしょう。