いつか一眼レフから顧客を移行させようとする時期について感触はあるのか?
まだ計画は完了していない。現時点で言えることは、一眼レフとミラーレスの両方を優先しているということだ。我々はZシステムは完全なものにしたいとも考えている。それが最優先だ。いつかの時点で、一眼レフのユーザに最終的にミラーレスによってもたらされる機能に満足し、そしてZシステムに移行することを望んでいる。それが最終目標だ。しかしそれまでは、我々は一眼レフの開発を続ける。
Zシステムを構築するにおいて、何が優先事項なのか?エントリークラスなのかハイエンド製品なのか?
我々は実際に両面を進めている。Z 50はよいエントリークラスのカメラで、APS-Cセンサーを利用しているが、我々はまたハイエンドと、もっと手軽なカメラの両方のフルサイズセンサーのラインナップを拡充したいとも思っている。
Nikon Z 50は市場に投入されたばかり。APS-Cミラーレスのラインナップは時間経過とともにどのように発展していくと見ているか?それともAPS-Cミラーレスをフルサイズミラーレスへのステップアップのためにあるとみているのか?
Z 50はとてもバランスがよいカメラだ。Z 50の素晴らしいところは、フルサイズミラーレスと同じマウントを利用できることで、Z 50ユーザはDXレンズとFXレンズを利用することができる。しかし、ユーザがそれ以上の高画質や高画素を望むのであれば、我々はNikon Z 6/Z 7を提示することができる。
伝統的にAPS-Cユーザは少ししかレンズを購入しない傾向がある。ユーザがAPS-Cミラーレスのためにフルサイズ用のレンズを購入すると予想しているのか?
現在、我々のAPS-Cミラーレス用の16-50mmレンズと50-250mmレンズはとても素晴らしい光学性能を提供している。だからまずは、Z 50ユーザには、それらの二つのレンズを実際に使用してもらいたい。そして、現在のロードマップでは他のレンズがあり18-140mmレンズもそれらのユーザに向けて用意がある。APS-Cミラーレス用のレンズはお手頃な価格、手軽なサイズとして作りたい。
(記事を一部引用して意訳しています)
(記事元)https://www.dpreview.com/interviews/6739481235/ces-2020-interview-nikon-we-are-at-a-transitional-stage
将来的にミラーレスへの移行を期待
DPewviewがニコンの幹部とのインタビュー記事を掲載しています。
記事では、ニコンのミラーレスや一眼レフに関する今後の戦略について記載されています。全文は記事元リンクからご覧いただくとして、特に興味深い部分のみ引用させていただいています。
記事によれば、ニコンは最終的にユーザがミラーレスの機能で満足できるようにしていくということのようですね。そして、すべてのユーザがミラーレスに満足できるようになるまでは、一眼レフの開発も続けるとしています。
さらにNikon Z 50については、やはり光学的に優れたレンズという自負があるようで、レビューなどの結果と一致していますね。もっとキットレンズの素晴らしさをアピールしたほうがいいのにと思います。さらにZ 50については、他にも廉価で小さなサイズのレンズの開発を検討しているようですので、APS-Cミラーレスに期待している人には嬉しい情報かもしれませんね。
また、ここには引用していませんが、Z 6/Z 7を発売しても一眼レフの売上げの落ち込みは予想より遙かに少ないようです。一眼レフは一眼レフで売れていて、さらにミラーレスも売れているということであれば、それはそれで嬉しい誤算ということになるかもしれませんね。
Nikon Z 50のことに話を戻すと、記事ではNikon Z 50の需要は、初めてカメラを購入する人と、フルサイズ所有者の2台目の需要があるとしています。なので静止画と動画でバランスの良い製品としてNikon Z 50は手頃な価格のカメラとしているようですね。
Zシリーズの充実を最優先
これまでミラーレスを発売することで、一眼レフの需要が低下するのではないか?と見られていました。ですが、キヤノンがEOS Kiss Mという製品を投入しても、一眼レフのEOS Kissは相変わらずかなり売れている状況です。場合によってはEOS Kiss Mより一眼レフのほうが売れている状況でしたので、必ずしもミラーレスを選択する人ばかりではないということが言えるのかもしれません。
同様に、この記事ではニコンがミラーレスの発売により一眼レフの売上げの落ち込みは想定より軽いものだったとしています。このことから考えると、ユーザはしっかりと一眼レフとミラーレスのメリットとデメリットを理解していて、しっかりどちらがいいのかを判断して購入していて、さらにミラーレス化したことで一眼レフユーザのサブ機として購入されることもあって、どちらもそれぞれ売れているという側面もあるのかな?と思いますね。
このことから、ニコンとキヤノンは予想以上にミラーレスカメラを自社の利益の脅威になる可能性が高いと、過剰に評価していたと言えるのかもしれません。もちろん実際に発売してみなければ、どれだけ脅威になるかどうかはわからないので、リスクを回避したり、リスクを過大評価することは理解できます。ソニーが早くからミラーレスに取り組んで、いまトップシェアを得つつあるというのは、失う物が少なかったということも十分に考えられそうですよね。
そのため現在では、ニコンはとにかく今後はZシリーズに注力して拡充していくとしています。カメラを含めレンズも今後はZシリーズのみに注力していくことが考えられそうですね。
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コメント
コメント一覧 (3件)
そうですね。開発の主軸はミラーレスに置きながら、そこで得られた技術や新たなデバイスなどをレフ機にもっていけば良いんだと思いますね。
実際、D780はほぼZ6ですよ。(使った感じでは、若干ライブビューでのAFはZ6のほうD780よりが早かった。)
今後はZ系のレンズがより充実し、Z/6/7の2世代後ぐらいにはレフ機の役割もかなり低くなっていると思います。
ただ、D5600やD3500の価格はZ50のほぼ半分ですから、世界を見渡せばこれらの機種を簡単に切れないと思います。ニコンは日本国内だけで商売をしているわけでもありませんし、世界を見渡せば日本よりもっと貧しい国が大半です。
> DPewviewがニコンの幹部とのインタビュー記事を掲載しています。
DPReviewですね?
単純な話、アダプタなしでNIKKORシリーズレンズがそのまま使えるならミラーレスに移行します。