RF10-20mm F4 L IS STM開発者インタビュー
なぜキヤノンはRF10-20mm F4 L IS STMという素晴らしいレンズを作ることができたのか、その理由がわかるインタビュー記事です。
──10mmとなると周辺光量落ちや周辺解像力が落ちることが懸念されますが、今回の製品はそのあたりがとてもクリアーな印象です。それらを成し得た理由を教えてください。
中原:やはりショートバックフォーカスと、カメラ側の歪曲収差補正が大きなポイントになっています。カメラ側の歪曲収差補正と聞くと画像を引き延ばして画質が悪くなるようなイメージを持っている方もいるとは思いますが、引き延ばしたところも考慮して、より倍率色収差や像面湾曲等の誤収差を抑制するようにスーパーUDレンズ、UDレンズ、非球面レンズを効果的に配置した光学設計をしています。
──衝撃的だったのはレンズの価格です。製造コストが上がっている中でEF11-24mm F4L USMよりも価格が安くなった理由が知りたいです。
正村:さまざまな要因がありますが、RFマウントの特徴である大口径・ショートバックフォーカス、および歪曲収差補正を生かした設計により、光学系が大幅に小型化しています。そのため前玉を含めた硝材やそれを支える構造なども含めてコストを抑えることができています。
なぜRF10-20mm F4 L IS STMはブレイクスルーを実現できたのか、そのような記事が公開されています。インタビューはかなり長文ですので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事ではEF11-24mm F4L USMの後継レンズとしてRF10-20mm F4 L IS STMという素晴らしいレンズを実現することができたのか、キヤノンへのインタビューが掲載されています。記事では、11-24mmより広角側の焦点距離を広角側に伸ばしつつ、重量は半分以下、それでいて価格はEF11-24mm F4L USMとほぼ同等を実現しているとして、これは驚きだとしています。
そしてなぜこのようなレンズが可能だったのか、キヤノンのレンズ開発者へ質問をしています。その回答が上記の内容になります。
その理由はミラーレスカメラになったことでフランジバック(マウント面からセンサーまでの距離)が短くなったこと、カメラ内のデジタル補正の影響が大きいようですね。レンズの設計はバランスが大事だといいますが、歪曲、口径食などをデジタル補正で、ある程度、無視できるようになったことは大きいのかもしれません。そしてデジタル補正を利用しても画質の劣化が最低限になるような処理をしていることも上記の記事から伺うことができます。
またフランジバックを短くしたことで、バックフォーカス(レンズの後玉からセンサーまでの距離)を短くすることもできるようになったため、よりレンズ設計の自由度が増して特に広角レンズでは有利になったのも重要な点なのかなと思いますね。
マウント口径やフランジバックについては、キヤノンとニコンがRFマウント、Zマウントが公開するまでは様々な意見があったわけですが、結果的にはどれが正解なのかは未だに分からずといったところでしょうか。
そして「キヤノン 小型軽量のRF 400mm f/4 DO IS USMを来年発売??」ではキヤノンのDOレンズ400mmレンズの噂について詳しくお伝え。
RF 10-20mm F4 L IS STMのおもな特長
一眼カメラ用交換ズームレンズにおいて世界初※1の焦点距離10mmを実現した小型軽量な超広角ズームレンズ。
超広角域でも周辺まで解像感に優れ、ズーム全域、画面全体で高画質を実現し、歪みの少ない風景写真や建築写真などの撮影が楽しめます。
またレンズ内光学式手ブレ補正機構を搭載し、低速シャッターでも手持ちで夜景撮影や長秒撮影が可能。
さらに広角特有の周辺ブレを補正するキヤノン初機能、周辺協調制御※2※3に対応。
主な仕様
画角(水平・垂直・対角線) | 121°55′~84°・100°25′~62°・130°25′~94° |
レンズ構成 | 12群16枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.12倍(20mm時) |
フィルター径 | なし(後部ゼラチンフィルターホルダーに差し込み) |
最大径×長さ | 約φ83.7mm×112mm |
質量 | 約570g |
MTF曲線
レンズ構成図
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(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/3974d4ac7a908c669e08d44f784eda2fd44c3cba
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コメント
コメント一覧 (5件)
広角側を1mmも広げつつ重量を半分にしたのは凄いですよね。望遠側が4mm狭くなってますが、これを望遠側目的で買う人は少ないでしょうしいい塩梅と思います。
F4シリーズが4本に増えましたが、他3本に比べて24-105が一歩見劣りするように感じます。おそらく設計思想がまだ一眼レフに引きずられていた初期のレンズだからでしょう、歪曲収差補正を光学的に頑張っているようですし。
今の思想と技術で設計したII型を見てみたい気持ちがあります。もっと軽くできる気がする……お値段は20万超えそうですが。
インタビューアーが質問でいちいち製品持ち上げてて広告記事の匂いがプンプンします
まさかデジカメwatchの記事に公平性・独立性なんてものを期待されてらっしゃいます・・・?
Twitterあたりで”デジカメwatch 提灯”と調べればメーカー問わず出てきますよ
まあ景品表示法改正でステマが禁止されたので”広告記事”ではないと思いますけどねー
わたしが何かデジカメWatchに公平性を期待するような発言をしましたか?
広告記事でないなら忖度記事、提灯記事と言うのが適切ですね。
興味深い記事ですね。
協調補正を単なる手振れ補正強化だけで無く周辺のブレと画質補正に
使っていたのは驚きです。
インタビューアーさんは色々と興味深いところを聞き出していますね。
もう一押し歪曲補正のキヤノンの考え方についてもう少し掘り下げて
欲しかったですね。
小型化のためとは言えこの考え方はあまり好きではない。