ソニー高効率、応答速度を向上させる有機光電変換素子の特許
ソニーが有機材料を利用したセンサーの応答速度や効率を高める特許を出願しているようです。どのような特許なのでしょうか?
それではみてみましょう。
【0001】
本技術は、有機光電変換素子に関する。詳しくは、有機材料を用いた有機光電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、固体撮像素子や光センサなどにおいて、光を検出するために光電変換素子が用いられている。この固体撮像素子や光センサの感度を高くするには、光電変換素子の量子効率を向上させる必要がある。ここで、量子効率は、光子を電子に変換する効率である。また、固体撮像素子や光センサの動作速度を高くするには、光電変換素子の応答速度を向上させる必要がある。ここで、応答速度とは、光照射の状態で観測される明電流値が、光照射を止めてから、立ち下がる速さのことである。量子効率を向上させるには、バルクヘテロ構造を素子に持たせる方法と、キャリア移動度を高くする方法とが有効であり、一方、応答速度を向上させるには、キャリア移動度を高くする方法が有効である。例えば、2種類の有機材料を混合したバルクヘテロ構造の光電変換膜が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、バルクヘテロ構造において結晶化が阻害されてアモルファス化または固溶化されているために、光電変換膜のキャリア移動度を十分に高くすることができない。このため、量子効率と応答速度の向上が困難であるという問題がある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、有機材料を用いた光電変換素子において量子効率と応答速度を向上させることを目的とする。
ソニーの新特許が出願されているようです。上記はその一部を引用したものになります。仕組みはいまいちよくわからないのですが、とにかく有機材料を利用することで、光を電子に変換する効率が高まったり、素子の応答速度が高速になる可能性があるようです。恐らくですが、CMOSの変換速度や効率は現在では限界にきているので、さらに高速にするためには光電変換素子の材料から見直さなければならないということなのでしょうね。
ところで、光電変換素子ってなんぞやということですが、Chat-GPTさんに聞いてみました。
p型光電変換層は、半導体デバイスの一部で、光を電気に変換する役割を果たします。具体的には、p型半導体(ホールが多い半導体)とn型半導体(電子が多い半導体)を接合したp-n接合が作られています1。
このp型光電変換層は、光を吸収して電子とホール(電子の欠乏)を生成します2。この生成された電子は、高電界で加速され、電子雪崩(大量のキャリア生成)を引き起こすことがあります2。
また、PN型フォトダイオードでは、pn接合の空乏層に光が入射されると、光電効果により空乏層内で電子が励起され、電子と正孔が発生します。空乏層で発生した電子はn層へ、正孔はp層へ移動します。つまり、電流が流れます3。
これらのプロセスにより、p型光電変換層は光を電気信号に変換する重要な役割を果たします。このようなデバイスは、カメラやその他の光検出システムなど、さまざまなアプリケーションで使用されています45。
よくわかりませんが、イメージセンサーの中ではこのようなことが行われているらしいです。
この取り組みが成功すれば、積層型のセンサーがさらに高速になりローリングシャッター歪みもさらに少なくなる可能性がありそうです。また積層型でなくても済むのであれば、積層型でなくとも高速読み出し可能なセンサーになる可能性もあるので期待しちゃいますね。さらに効率も高まるということのようですので、より対ノイズ性能に強くなり、ダイナミックレンジも広くなる可能性がありそうです。
実はパナソニックも有機材料を利用したセンサーを開発中です。
ソニーとしては、センサー開発で負けるわけには行かないので、センソー技術の向上を目指しているようですね。
そして、α1に新機能が追加されるかもしれないという噂について「ソニー α1が大幅アップデートされると噂 新機能追加か」にて詳しくお伝え。
ソニーに関する最新情報はこちらのまとめリンクから。
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