ニコンの泣き所?
本格的なカメラを期待すると、カメラメーカとしての親しみやすさを失ってしまう?そんな指摘をする記事が掲載されています。どういうことなのでしょうか?
それでは記事をみてみましょう。
ニコンの22年3月期の売上高は5396億円と、13年3月期(1兆104億円)と比べ47%減少した。主因は映像事業の不振。22年3月期の同事業の売上高は13年3月期比76%減の1782億円まで落ち込んだ。スマートフォンに需要を奪われデジカメ市場全体が縮小したほか、ニコン個別の問題としてミラーレスカメラ市場でライバルの後じんを拝した。
日本カメラ博物館の山本一夫学芸員は「ニコンには本格的なカメラを期待する声が多い」とし、「(期待に応えようとすると)親しみやすさからは離れてしまう」と指摘する。本格的なファンと、新たなファンの双方に訴求することが難しいことが同社の泣き所であり、25年度中計でも映像事業の売上高目標は2000億円とほぼ現状維持だ。
記事によれば、ニコンはデジカメなど映像事業が低迷しつつあり、半導体露光装置や映像コンテンツ事業などを主力事業にしようとしているとしています。
以前から言われていましたが、かつてニコンはカメラ販売事業の割合が高いことが指摘されていました。当時はミラーレス市場に参入していなかったわけですが、このままではソニーにシェアを奪われ、ニコンの主力事業であるカメラ事業がじり貧になるのではないかということを言われていたわけですが、いま現在は結果的にそれに近い状況になっています。
このことはニコンも理解していて、恐らくですが映像事業以外の新しい事業を育てようということで、ヘルスケア事業、3Dプリンタなどの精機事業などへ取り組むことになったのだろうと思います。
新たなファンの獲得が急務か
記事によれば、ニコンには本格的なカメラを期待する人が多く、その人向けに本格的なカメラを作ろうとすると、その製品は親しみにくいものになり、新しいユーザからそっぽを向かれてしまうということがあるのではないかと指摘しています。
ニコンは一眼レフ時代はニコン、キヤノンという双璧の一つとなっていたメーカです。プロフェッショナルな人もニコンのカメラを利用していたため、ミラーレスカメラでもプロフェッショナルやハイアマ中な人の需要を満たす製品を作りたいと思うのは当然です。
しかし、それによって逆に新たなカメラを購入しようと思うようなアマチュアな人から選ばれなくなる可能性があるのだとしたら、皮肉というか、どうしようもないジレンマになっている可能性もあるのかなという思いもします。
一方でキヤノンやソニーは廉価なミラーレスカメラがあったり動画撮影用のミラーレスなどあります。ニコンもZ 30を投入していますが、親しみやすい製品にはなっていないようにも思えます。
このあたりは確かに記事にあるようにニコンにとってはジレンマのような状態になっている可能性もあるのかなとは思います。どのようにしたら、このジレンマを解消することができるのでしょうか?
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/7cce616ff7853ed56052bd7eaf9e62f0cd2ead70
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コメント
コメント一覧 (4件)
良くも悪くもスペックや実用性を重視するソニーやキヤノンに比べると、ニコンには所有欲を満たす質感や写真の楽しみといった要素を期待され、応えようと頑張る印象があります。(決して実用性が低いという話ではありません)
ニコンにZfを期待する声はあっても、キヤノンにヘリテージカメラを期待する声はほぼ無いのもその表れかなと。
プロが満足の性能という点では他社も同様なので、「本格的」は質感等々の話に思えます。質感を高めると無骨さが出やすいとか、初心者向けな製品名(Kissなど)ではないとか、その辺で親しみやすさが削がれている……ような?
何かニコンはエントリー向けの機種が下手な印象はありますね。
ニコンのカメラというとプロ向けやマニア向けというのはキムタクがCMに出てた時代から感じてます。
でも逆に今の時代は最初に触れるカメラはスマホからになっていて、レンズ交換式カメラを買おうという人はそれなりに情報収集してから買う人が多いように思うのでニコンには有利に感じますが、それでもやはり大衆にフレンドリーという印象は必要ということなのでしょうか。
キヤノンでいうと “Kiss” 、ソニーは元々AV機器やゲーム機などでも大衆に馴染みあるメイカーなので親しみがある。
ニコンは全くCMも見かけなくなりましたし若い人のニコンの認知度はどれくらいなのか気になりますね。
例えばライカのようにスマホのレンズに “NIKKOR” の名が付いていればニコンのカメラに興味を持つ新規が増えるのでしょうか。
いろいろニュースや株主向けの説明を見た私の理解だと因果関係が逆のように思います。
シェアが下がった結果として、事業規模を縮小する必要が出てきて、規模を縮小する中で利益を最大化するために高単価の本格的カメラを重視するようになったのではないでしょうか?
学芸員ということなのでビジネススクール的な正しい説明は求められてはいないと思いますが…
広く親しんでもらうためのきっかけ作りは重要だと思いますが、単純に低価格で数を売る、という方向は、供給や製造に困難のある今の時代は避けた方が良いでしょうね。
厳しいことをいいますと売れないのは単に性能の問題なだけでは・・・
ミラーレス参入時に25万でデュアルスロットのα7III発売後に30万以上でシングルスロットのZ6、Z7だしたり
ヒエラルキーモデル継続しようとしてZ6が売れずに投げ売りされているのにコストダウンしたZ5発売
ソニーが2019年にα6400、キヤノンがR5、R6で搭載した被写体認識AFをニコンだけは未だにZ9にしか搭載出来てないです。
広角パワーズームレンズないのにVLOGって主張してもEVFない廉価機枠にしかならないかと
動き回る子供を簡単に撮れるっていうのがα6400が売れた要素だと思います。
親しみやすさとかそんなふわっとした要素で商品選ばれてないです。