情報の流出の典型的パターン
このようなサイトを運営している関係上、海外の様々なカメラ関連のサイトを見ています。長く様々なカメラ関連のサイトをみていると、引用元、クレジットの記述がなくとも、おそらくこの噂はこのサイトから来ているなとか、ひょっとしたら、このサイトの噂とこのサイトの噂の情報筋は同じものなのかな?などと想像が付くようになります。
最近は、以前とは異なり欧米からの情報の流出はかなり少なくなったように思います。日本国内でも有名なリーカーがサイトを閉じてしまったり、特定のメーカから情報を流出するなと注意されたなどと言われたこともあったのか、過失によるものを除けば情報が流出することはあまりありません。
特に最近はメーカがかなり情報の統制に力を入れているのか、事前に情報が流出することが少なくなっていると感じています。
最近のカメラに関する噂は発売の直前になって流れることが多くなっています。これはメーカがメディアやインフルエンサー、販売店などに事前に発売前に製品を貸与し、発表当日にレビュー記事や、製品発表の記事を書いて欲しいというマーケティング戦略が関係しているものと思われます。多くのメディアに製品を貸与し事前にレビューを書いてもらって、発表日当日にレビューを掲載してもらえば、それがいい宣伝になるからです。
そのため発表日から数週間前になると、その製品の仕様や発表日などの情報が流出するようになります。最近ではこの手の情報の流出が非常に多くなっています。しかし一方で以前のように数ヶ月前に製品の情報が流出するということは最近ではほとんどなくなってしまいました。
カメラの噂はこうやって流れていく
最近思うのは、カメラ関連の噂に関しては中国の情報筋が大きく関わっていることです。日米欧からの情報流出は少なくなった印象ですが、中国からの情報はむしろ増えている印象です。ニコンのNikon Z6IIIに関しての噂も、ほぼ正解と思われる初期の噂は中国版XのWeiboからのものでした。詳しくは流れていたNikon Z6IIIに関する噂を検証した以下の記事をご覧ください。
しかし、この中国発の噂というのは実に厄介というか面倒で、カメラの噂の情報元に関するロンダリングに意図せず使われてしまっているので注意が必要になっています。
例えば、このように引用元のロンダリングが行われています。
欧米のあるサイトが「希望するカメラの仕様」というものを掲載したとします。すると中国のWeiboで、それを引用し、希望する仕様として投稿します。その希望する仕様は引用元の記述がないか、もしくは欧米のあるサイトの略称で記載されます。次に、欧米の別のサイトが、その希望する仕様を見つけてカメラの仕様の噂が流れていると勘違いし、その情報を掲載します。これで「希望する仕様」が「噂される仕様」に変わりました。情報のロンダリングがこれで完成します。
別パターンもあります。
今度は逆パターンで、あまり信頼性の高くない欧米サイトがカメラの噂を流します。それを見た人が中国のWeiboに掲載し、その投稿をみたある程度の信頼性のある欧米のサイトの運営者が中国でまた情報が流出したとして情報を掲載するパターンです。
概ねこの二つのパターンで情報筋や引用元のロンダリングが行われ、それらしいカメラの噂として流れるというようなことが結構あります。しかもそれが悪いことにたまに情報が正しいことがあるところが、完全にその噂を否定できないという悪い流れになってしまっています。
なぜこのようなことになるのかというと、そこには言葉の壁が存在しているからだと思います。欧米同士のサイトだと概ね英語で記事が書かれているため、希望する仕様、信頼性が高くない情報というのは読んでいてわかるのだろうと思います。しかし、そこに外国語の翻訳という問題が入ることで、それが希望する仕様なのか、信頼性の高い情報なのかを判断できなかったり、例えばことわざ、スラングを多用することで、記事のニュアンスが外国の人に伝わりにくかったりして、噂がさも真実かのように流れてしまうのではないかと想像しています。
もちろん、真実性の低い噂が流れるのは、これ以外のパターンもいくつかあるわけですが、最近は特に多いと思われるパターンについて書いてみました。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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