ソニーα9 IIIの噂が正しかったのか検証
ソニーがα9 IIIを発表しました。グローバルシャッターのセンサーを搭載して話題になっているわけですが、実は2020年ぐらいからα9 IIIの噂がぽつぽつとでてきていました。その後、最近になってかなり多くのα9 IIIの噂がでてくるようになって、そして実際に発表という流れになります。
なのでかなり古い噂には当然ですが間違っている内容が多いのですが、まあそれは憶測も含まれているからで当然です。ここでは、いちおう区切りを付けるために、ここ1年間ででてきた主な噂について検証をしてみたいと思います(憶測や希望的観測については除いてあります)。
まずは、これまででてきた噂を記述してみましょう。下にいくほど最近の噂になります。
- 新しい技術が使われた積層型のセンサーが搭載される
- 写真家は古いスタイルを好むので静止画用のα9 IIIにはバリアングル液晶は搭載されない
- 5000万画素フルサイズExmor RS裏面照射型CMOSセンサー
- 60コマ/秒までの連写
- ISO 50-102,400
- 10ビットの8k 30p、4k 120p
- 370万ドットEVF(ブラックアウトフリー)
- AFポイント759点、ファストハイブリッドAF、リアルタイム瞳AF
- 5軸ボディ内手ぶれ補正
- CFExpress Type-A/SDデュアルメモリカードスロット
- 名称は未定
- スポーツ撮影のプロフェッショナル向け
- α1に代わるものではない
- 動画の仕様はα7 IVと同じ(8k、外部RAWなし)が、高いフレームレートのモードがある
- プロフェッショナル向けの新しい機能が多くある
- 縦グリップを内蔵した新しいボディ
- 電源オフにせず独立してバッテリを交換できる
- FX100バッテリー2個
- 追加のカスタムボタンとスイッチ
- 上面の二つのダイヤルの下部にはコントロールリングがあり、一つはカスタマイズが可能
- 3.4インチのチルト式超高輝度デュアルタッチスクリーンで手袋のまま、ぬれたままでも操作可能
- CFExpress Type A/SDデュアルカードスロット
- USB経由でSSDへの直接保存の対応
- 最先端のセンサークリーニングと防塵防滴システムが搭載
- AFを強化した新しいBIONZプロセッサ
- メカシャッターレス
- 電子グローバルシャッターのある2900万画素センサー
- 高速起動
- 120コマ/秒 フル解像度、HEIF、2秒バースト
- Z 9に対抗するため画素数の少ない240コマ/秒モードも検討
- 60コマ/秒 フル解像度、HEIF、圧縮RAW、大きなバッファ
- 30コマ/秒 非圧縮/圧縮ロスレスRAW
- 576万ドット ハイダイナミックレンジEVF、240hzダイナミックレフレッシュ機能付き
- 車/バイクのAF追従モード
- 1秒あたり240回のAF計算(α9IIの4倍)
- AFポイント2200点、カバー率100%
- GPS/GLONASS/BeiDou/QZSS対応
- 音声からテキストへのメタデータ書き込みの強化
- 5G、外部長距離WiFiアンテナ用の端子によるWiFi速度の向上
- 5G BASE-Tイーサネットポート
- 3600万画素のグローバルシャッターセンサー 16bitイメージ、15.5以上のダイナミックレンズ(ソニーは過去18ヶ月でダイナミックレンズの問題を解決した)
- 新しい画期的なチップ設計によりRAWノイズ性能が実質1EV向上
- 40コマ/秒の非圧縮/ロスレスRAW、40コマ/秒の圧縮RAW、デュアルBionz XRプロセッサーによる50コマ/秒のAPS-Cクロップ撮影
- ISO100~409,600(ISO25も選択可能)
- 1440点のフォーカスポイントがあるハイブリッドAF。位相差センサーが98%をカバー
- 特定のレンズとの組み合わせで7段分の補正が可能な新開発ボディ内手ぶれ補正(キヤノンのような隅のブレがなく、ボディが大きくなったことで改善)
- 944万ドットEVF
- 新型バッテリー NP-FZ200で2000コマ(CIPA基準)のバッテリー寿命の向上(テストーは3500~6000枚を撮影している)
- 過酷な環境にも対応する耐候シールド
- α1とほぼ同じボディ
- 3300~3600万画素センサー
- 8k非対応
- 40コマ/秒 12ビットRAW
- 30コマ/秒 14ビットRAW
このようにかなり多くの様々な噂がでていたことがわかります。それだけ期待されていたカメラと言えるのかもしれません。
噂は実際に正しかったのか?
というわけで、これが実際に正しかったのかどうかみてみましょう。
- 新しい技術が使われた積層型のセンサーが搭載される
- ○ グローバルシャッター搭載の積層型センサー
- 写真家は古いスタイルを好むので静止画用のα9 IIIにはバリアングル液晶は搭載されない
- × 4軸マルチアングル液晶モニター搭載
こちらはバリアングル液晶かどうかという点についてですが、4軸マルチアングルをバリアングルとほぼ同じと考えると×、単純なバリアングル液晶ではなかったという点では○になるわけですが、趣旨的にはバリアングル液晶に近いものなので×ということにしてみました。1年前の噂ですから、まだ曖昧な情報だった可能性があります。
- 5000万画素フルサイズExmor RS裏面照射型CMOSセンサー
- × 2460万画素
- 60コマ/秒までの連写
- × 120コマ/秒まで
- ISO 50-102,400
- × 常用ISOで250 – 25600
- 10ビットの8k 30p、4k 120p
- × 8kなし
- 370万ドットEVF(ブラックアウトフリー)
- × 943万ドット
- AFポイント759点、ファストハイブリッドAF、リアルタイム瞳AF
- ○ 759点
- 5軸ボディ内手ぶれ補正
- ○ 手振れ補正あり
- CFExpress Type-A/SDデュアルメモリカードスロット
- ○ デュアルCFExpress Type Aメモリカード
この噂は外れまくりです。手振れ補正やデュアルメモリカードスロットは外しようがないと思いますので、ほぼ全滅と考えてもいいかもしれません。
- 名称は未定
- ○ このときは未定?
- スポーツ撮影のプロフェッショナル向け
- ○ プロフェッショナル向けでした
- α1に代わるものではない
- ○ α1に代わるものではない
- 動画の仕様はα7 IVと同じ(8k、外部RAWなし)が、高いフレームレートのモードがある
- × HDMIのRAW出力あり
- プロフェッショナル向けの新しい機能が多くある
- ○ グローバルシャッター、ブラックアウトフリー、1/80000シャッターなど
- 縦グリップを内蔵した新しいボディ
- × 縦グリなし
- 電源オフにせず独立してバッテリを交換できる
- × 縦グリの機能についての記載と思われるため
- FX100バッテリー2個
- × 1個 アクセサリの縦グリは2個
- 追加のカスタムボタンとスイッチ
- ○ カメラ前面のカスタムボタンなど
- 上面の二つのダイヤルの下部にはコントロールリングがあり、一つはカスタマイズが可能
- ? 現時点で不明
- 3.4インチのチルト式超高輝度デュアルタッチスクリーンで手袋のまま、ぬれたままでも操作可能
- × 3.2インチ
- CFExpress Type A/SDデュアルカードスロット
- ○ デュアルカードスロット
- USB経由でSSDへの直接保存の対応
- ? 現時点で不明
- 最先端のセンサークリーニングと防塵防滴システムが搭載
- ? 現時点で不明
- AFを強化した新しいBIONZプロセッサ
- × BIONZ XR
- メカシャッターレス
- ○ メカシャッターなし
- 電子グローバルシャッターのある2900万画素センサー
- × グローバルシャッターだが2460万画素
- 高速起動
- ? 現時点で不明
- 120コマ/秒 フル解像度、HEIF、2秒バースト
- ○ 正しい
- Z 9に対抗するため画素数の少ない240コマ/秒モードも検討
- ? 検討していたかどうかは確かめようがない
- 60コマ/秒 フル解像度、HEIF、圧縮RAW、大きなバッファ
- ? 現時点で不明
- 30コマ/秒 非圧縮/圧縮ロスレスRAW
- ? 現時点で不明
- 576万ドット ハイダイナミックレンジEVF、240hzダイナミックレフレッシュ機能付き
- × 943万ドット
- 車/バイクのAF追従モード
- ○ 車に対応
- 1秒あたり240回のAF計算(α9IIの4倍)
- ? 現時点で不明
- AFポイント2200点、カバー率100%
- × 759点
- GPS/GLONASS/BeiDou/QZSS対応
- ? 現時点で不明
- 音声からテキストへのメタデータ書き込みの強化
- ? 現時点で不明
- 5G、外部長距離WiFiアンテナ用の端子によるWiFi速度の向上
- × WiFi用端子なし
- 5G BASE-Tイーサネットポート
- × 1000BASE-T
つづいて、こちらは120コマ/秒やグローバルシャッターがあることで正解ですが、そもそも縦グリップ内蔵となっているので大きくはずしています。ただし、これはα9 IIIのプロトタイプの一つでテスト機種である可能性もあるので、完全に間違えとするのも違うのかなという印象ですね。しかし、実際の製品としては完全に外れているということになるのでしょう(縦グリの有無において)。
- 3600万画素のグローバルシャッターセンサー 16bitイメージ、15.5以上のダイナミックレンズ(ソニーは過去18ヶ月でダイナミックレンズの問題を解決した)
- × グローバルシャッターだが3600万画素ではない
- 新しい画期的なチップ設計によりRAWノイズ性能が実質1EV向上
- × 現時点で不明だがα9 IIよりは恐らく悪化しているため
- 40コマ/秒の非圧縮/ロスレスRAW、40コマ/秒の圧縮RAW、デュアルBionz XRプロセッサーによる50コマ/秒のAPS-Cクロップ撮影
- ? RAW保存の連写性能は現時点では不明?
- ISO100~409,600(ISO25も選択可能)
- × ISOは250から
- 1440点のフォーカスポイントがあるハイブリッドAF。位相差センサーが98%をカバー
- × 759点
- 特定のレンズとの組み合わせで7段分の補正が可能な新開発ボディ内手ぶれ補正(キヤノンのような隅のブレがなく、ボディが大きくなったことで改善)
- × 8.0段
- 944万ドットEVF
- ○ 943.7万ドット
- 新型バッテリー NP-FZ200で2000コマ(CIPA基準)のバッテリー寿命の向上(テストーは3500~6000枚を撮影している)
- × FX100
- 過酷な環境にも対応する耐候シールド
- ? どの程度かは現時点で不明
こちらはほとんどハズレという噂ですね。画素数も違いますし、新バッテリーを利用しているところも間違っています。完全に噂レベルの話といった印象です。最近の噂なのですが、その噂が大きく外れているというのは結構馬頭ら香椎ですね。
- α1とほぼ同じボディ
- △ αシリーズはどれもほぼ同じだけれども
- 3300~3600万画素センサー
- × 総画素数でも2520万画素
- 8k非対応
- ○ 8k非対応
- 40コマ/秒 12ビットRAW
- ? 現時点でRAWでの連写性能は不明?
- 30コマ/秒 14ビットRAW
- ? 現時点でRAWでの連写性能は不明?
この噂も比較的最近ですが、残念ながらかなり外れています。
というわけで見てきましたが、α9 IIIの仕様の噂に関しては、正しい情報はあまりでてなかったということになるのかなと思います。
海外のサイトでは、発表前の記事になりますが、今回のような情報の出方は珍しいという記述もありました。つまり通常とは異なるような情報の流出がされていたようです。そのため正しい噂が出てこなかった可能性が考えられそうです。
このグローバルシャッターのカメラというのは非常に大きなインパクトになりますので、ソニーは情報統制をかなり厳しくしていた可能性があるのかなと思いますね。個人的な想像ですが、カメラの仕様やテスト機をメディアに貸し出すことで情報が流出してしまう可能性が高まるので、先に正式発表しておいて、それからテスト機を貸与することにしたのかな、などと思っています。それだけインパクトを出したかったからではないかと思うのですが、実際はどうなのでしょうか?
さらにα9 IIIのセンサーがデュアルゲインではないことについて「α9 IIIのセンサーはデュアルゲインではなく高ISO低ノイズに特化??」にて詳しくお伝え。
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