解像度数を巡る攻防
ニコンやキヤノンが8k動画を撮影できるカメラを発売しているにも関わらず、パナソニックは8k市場には参入せず4k動画のままです。
パナソニックが8kのカメラを発売しないことにはどのような理由があるのでしょうか?
8Kテレビはやりません――。パナソニックの津賀一宏社長が8日(日本時間9日)、米ラスベガスで開催中の家電・技術見本市「CES」会場で朝日新聞などのインタビューに応じ、8Kテレビは「ニッチなマーケット(市場)」だとして、発売を否定した。
(中略)
津賀氏は「放送のソース(番組)が非常に限られている。それだけでは勝負できない。(テレビを出しても)あまり意味はないでしょ」と語った。日本ではNHKが昨年12月に世界初の8K実用放送を始めたが、普及には時間がかかるとみている。
以前にも紹介しましたが、パナソニックは8kテレビ市場に参入しないことを明言しています。ただし、この記事は古くて2019年の記事です。なので今では方針を撤回している可能性もありますが、パナソニックが当時、どのように考えていたのかがわかります。
記事によれば、8kテレビは放送番組が限られ、ニッチなマーケットなので8kテレビには参入しないとしています。もちろん、これはテレビの話でカメラには関係がありません。ですが、8k解像度そのものをニッチと考えているのであれば、民生用のカメラについては8k動画撮影機能を搭載せずに4kで済ませるという考え方もあるのだろうと思います。
個人的にも家庭用で8k解像度はさすがに不必要だと思います。リビングなどに80インチ以上のモニターやプロジェクターを設置したい富裕層向けには需要があるかもしれませんが、まさにそれは「ニッチ」といえそうです。
これらの「合理的」判断からパナソニックは8k市場に参入しないということを決めたとしてもおかしくはありません。
動画撮影ミラーレスへ注力するなら8kは?
しかし、先日、記事にしましたがパナソニックはカメラ事業の戦略を大幅に転換して動画撮影向けのミラーレスカメラに注力することを明らかにしています。
- 中韓勢の躍進やスマートフォンの普及などで今後大幅な成長が見込めない既存のテレビやカメラ事業から収益源をシフトする。具体的数値は非公表。
- 成長事業領域には新規事業に加え設置自由度の高いテレビ、動画ミラーレスカメラ、ヘッドホン、インターホンを掲げた。
動画撮影向けのミラーレスカメラをどのような立ち位置で考えているのかということになるかと思いますが、プロフェッショナル向けとしては8kオーバーサンプリングの4k動画を撮影したいという人も一定数はいると思います。そうなると、パナソニックとしては将来的に8k市場への参入も検討することになるのでしょうか?
しかし8k動画には、約3318万画素というセンサーが必要になります。画像の縦と横のアスペクト比が静止画用とは異なるため、3318万画素よりも大きな画素をもつセンサーが必要になるわけですが、マイクロフォーサーズでは画素的に多すぎる可能性があり、マイクロフォーサーズで8kというのは厳しいようにも思えます。
そうするとフルサイズセンサー搭載のSシリーズで8k市場に参入する可能性はあるのでしょうかね。そして、カメラ(ソース)が8kなのにそれを再生できるテレビがパナソニックから発売されていないということになると、やぶ蛇になるかもしれないのではないかと個人的には思ったりします。
動画に注力していくパナソニックは8kについて、今どのように考えているのでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (1件)
確かに津賀社長が8Kテレビはニッチ等を過去言っていたような気がしますし、特に違和感は感じなかったような。。。ですがカメラについてはパナソニック自身は受注生産のボックス型も連発して、ニッチな方向機材を出していると思いますし、「クリエイター向け」等言葉を好んで使っているようですし、さすがにフルサイズで8K搭載機なしだと、これまたなぜ?となると思います。場合によっては、フジもAPS-Cで8K対応を果たしたというのに、それこそニッチ路線でフルサイズ8Kを出さないのか、という言い方もできたりするかもしれません。
PEAC社長は今回、具体的なことは言ってなさそう?ですが、8K対応をパナソニックは早くから言っていたでしょうし、8K対応ぐらいは言っておかないとと思ったという感じです(記事上、言っていないことになっている可能性もありますが)。とにかくパナソニックの方向性が未だよくわかりませんね。なおフルサイズ止めた!で、8K対応しないだったらわかりますが。