α7S IIIとFX3、FX6のどれを選択すればいいか?
DigitalCameraWorldがα7S IIIとFX3、FX6の比較に関する記事を掲載しています。
ソニーは最近になって動画関係に非常に力を入れています。先日、α7S IIIというカメラを発表しましたが、さらに内部的にはほぼ同じ製品だと思われ、しかもαシリーズの形に近いシネマカメラのFX3という製品を発表しています。
そうなるとα7S IIIとFX3のどちらを選択すればいいのか?と悩む人も多いと思います。それでは、記事では、どのような比較がされているのかみてみましょう。
1 センサー
• Sony A7S III:フルサイズ裏面照射型 EXMOR R CMOSセンサー 1020/1200万画素
• Sony FX3:フルサイズ裏面照射型 EXMOR R CMOSセンサー 1020/1200万画素
• Sony FX6:フルサイズ裏面照射型 EXMOR R CMOSセンサー 1020万画素そう、これら3台のカメラはすべて同じセンサーを採用している。そしてこのカメラは同じBIONZ XRプロセッサーを共有している。これらのカメラはビデオ向けに1020万画素があるが、α7S IIIとFX3は1200万画素の静止画を撮影することができるが、FX6だけは動画専用となっている。
2 ISO感度
•Sony A7S III: ISO 80-409,600(拡張)
•Sony FX3: ISO 80-409,600(拡張)
•Sony FX6: ISO 320-409,600(拡張)、ベースISO 800 / 12,8003台のすべてのカメラは、同じ拡張モードでの最大ISOを採用しているが、FX6にはより高いベースISOと、ISO感度12,800のベースISOがあるデュアルネイティブISOテクノロジーがある。α7S IIIとFX3は同じ基本技術を利用しているようにみえるが、FX6にはより先進的なデュアル回路ノイズ制御がある。
3 色
•Sony A7S III: S-Log 3/2、HLG
•Sony FX3: S-Cinetone、S-Log 3/2、HLG
•Sony FX6: S-Cinetone、S-Log 3/2、HLG、カスタムLUTここは機能が着実に進歩している。α7S IIIはS-LogモードとHLGを提供しているが、FX3はそれに加えソニーのシネマカメラシリーズのカメラすべてで利用できるS-Cinetoneモードを追加している。FX6はさらに一歩すすんで、カスタムLUTを利用できる能力を加えて提供されている。
(訳者注:少し古い記事のため反映されてない情報があります。最後までこの記事をお読みください)
解像度
•Sony A7S III:フルフレームQFHD(4K UHD)、Super35FHD
•Sony FX3 :フルフレームQFHD(4K UHD)、Super35FHD
•Sony FX6: Sony A7S III:フルフレームQFHD(4K UHD)、Super35 FHDここに違いはない。3台のカメラすべてフルサイズセンサーの全画素読み出しでの4k動画撮影を提供している。Super35を利用したい場合(恐らくSuper35またはAPS-Cレンズを利用している場合)FullHDの解像度どまりとなる。
フレームレート
•Sony A7S III: 4K 120P、240P FHD
•Sony FX3: 4K 120P、240P FHD
•Sony FX6: 4K 120P、240PはFHDまたもや、ここでの違いはみられない。3台のすべてのカメラは同じセンサーと同じプロセッサを利用していて、4kとFullHDで同じ最高フレームレートを作り出すことができるが、同じ録画可能時間を提供しているわけではない。
冷却
•Sony A7S III:パッシブ
•Sony FX3:内部ファン
•Sony FX6:内部ファンこれは重要な違いだ。α7S IIIはとても優れた熱設計をしているが、しかしそれはパッシブ冷却で制限があり、放熱システムに冷却ファンを搭載し、ほとんどのモデルで無制限の録画時間を提供しているFX3とFX6とは比較にならない。
NDフィルター
•Sony A7S III:なし
•Sony FX3:なし
•Sony FX6:内蔵1 / 4-1 / 128これは重要な違いだ。NDフィルターはISO設定が同じままで、異なる光量でも絞りの設定を変更する必要がないので、ビデオグラファーにとっては重要だ。α7S IIIとFX3のどちらもNDフィルターはないが、FX6にはある。
ボディ内手振れ補正
•Sony A7S III: 5軸IBIS
•Sony FX3: 5軸IBIS
•Sony FX6:いいえこれも、また重要な違いがあり、今回はFX6には利点がない。α7SとFX3は両方ともαシリーズでおなじみのボディ内手振れ補正がある。FX6にはボディ内手振れ補正がない。恐らく、ソニーはこのカメラを携帯性の便利なカメラとして期待していないのだろう。
デザイン
•Sony A7S III:ミラーレスカメラ
•Sony FX3:ハンドル付きミラーレスカメラ
•Sony FX6:ハンドル付きボックスカメラこれは個人的な好みの問題になるが、α7S IIIは静止画と動画の両方ハイブリッドカメラとして設計されているものの、FX3は基本的に同じような形をしているが、アクセサリの取り付け位置やXLR付きのキャリーハンドル、マイク端子などビデオ撮影に適合している。FX6はクラシカルなボックススタイルのシネマデザインを踏襲している。
サイズと重量
•Sony A7S III: 128.9×96.0x69.7mm、614g(本体のみ)
•Sony FX3: 129.7×77.8×84.5mm、715g(本体のみ)
•Sony FX6: 114x116x153mm、890gα7S IIIは3台のなかで最小、最軽量だが、FX3はわずかに大きく重い。ソニーはシネマラインの中では抜群に最小のカメラだと主張している。FX6は確かに大きいが、とても重いというわけではない。
結論
α7S IIIは、もし静止画と動画の良いハイブリッドカメラを探しているのならとてもよい選択肢だが、最新の1200万画素という解像度は静止画撮影の魅力を大幅に損なっている。これことはFX3を利用することが、さらによりよい提案であることを示唆している。より特に物理的にビデオ撮影に適応し、多くのさらなる出費がない。完全なシネマカメラとしてのパッケージではないものの、動画撮影者が最終的に惹かれるだろう筐体の形状、接続性、操作性を備えている。
違いをどう考えるのか
この記事ではα7S IIIとFX3に加え、FX6についても比較対象になっていますが、ここでは前者の2台について考えてみます。
それぞれをみると長くなるので、かいつまんで違いをみてみると、主な違いは3つのようですね。まずはS-Cinetoneに対応しているかどうか、そして内蔵ファンの有無、最後が各種コネクタや動画用の接続端子の有無ということがいえそうです。ですが、ここにきて新たな情報が。α7S IIIがファームアップでなんとS-Cinetoneに対応してきました。ということはS-Cinetoneの対応の有無については、比較対象から外れることになりそうです。
ということは全体的にみると、α7S IIIは静止画撮影用のカメラから動画機に寄せていった結果こうなっていて、FX3は動画撮影用のカメラを静止画用にも振った結果このようになっているように見えます。または動画撮影用のカメラを極限まで小さくしたといってもいいかもしれません。
こうなると動画撮影専用機として無制限の時間で録画したい場合や、各種の動画撮影に便利なアクセサリなどを利用したい場合にはFX3で、基本的には静止画撮影で利用して動画も撮影したいといった場合や、静止画撮影の割合が高いという人はα7S IIIというような感じになるのでしょうか?
同じ中身で動画用と静止画も可能という二つのカメラを発売してくるのはソニー恐るべしという感じです。
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