そこで私は、この先を見据えるのは「思想」ではないかと考えている。思想をつらぬいたプロダクトは、ちょっとやそっとではコモディティ化しない。
最近でわかりやすいのは「絞りのないレンズ」「テレコン内蔵の軽量超望遠ズーム」「現代レベルの大口径MFレンズ」である。おわかりのように「普通ではないスペック」、つまり新規開拓のプロダクトだ。
売れた前例があり、枯れた技術を使い、安定生産が見込め、少しでも前回を上回るスペックがある類似品であれば売りやすいだろう。だが、誰にでもウケそうで売れそうなものは結局だれにも刺さらないものだ。逆にトガッた製品は必ず誰かにブッ刺さる。日本のカメラ人口はとても多いので思ったよりたくさんの人にブッ刺さる。
以上の例は「スペックに宿る思想」の話で、Z 50は「デザインに宿る思想」の側である。触ってみれば思想が分かり、使ってみれば確信するだろう。このカメラはスペックで写真を撮るのではなく、触って使って撮るカメラなのだから。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/buy/1297291.html
Nikon Z 50レビュー
デジカメWatchにNikon Z 50のレビュー記事が掲載されています。引用させていただいた部分だけでは語れない部分もありますので、ぜひ記事元リンクから全文をご覧ください。
記事は、デジカメWatchに寄稿する写真家やライターが、今年購入したカメラに関する記事となっています。この記事ではNikon Z 50を購入した人によるレビューとなるようですね。
レビュー内容はちょっと哲学的です。なかなか解釈するのが難しい文章なので、どう判断するかによって意見が異なる可能性もありそうです。
まずカメラそのものについては、標準ズームを装着した状態でとても小型であり、グリップについてもレンズを取り付けたときの状態を考えてよく作られているというような印象だったようです。そしてファインダーもZ 6と同等のものがエントリー機に入っているので驚いているということのようです。
Z 50はデザインに宿る思想のカメラ?
これは記事を読んだ自分の解釈ですが、カメラにはスペックとして数値でわかるような「スペックに宿る思想」という側面と、スペックではわからないようなグリップ形状、ボタンの位置、シャッターの触感など数値化できないような「デザインに宿る思想」があるとしています。
記事では、スペック的にわかり安い思想としては、テレコン内蔵の軽量超望遠ズームとか、大口径MFレンズとか、通常ではこれまでなかったスペックの製品ということのようです。
それに引き換え、Nikon Z 50き「デザインに宿る思想」の側にあるカメラだとしています。つまりスペックでは判断できる良さが思想としてあり、その思想は利用してみればわかるということなのでしょうか?そして、思想があれば簡単にコモディティ化(市場価値の低下、陳腐化、差別化の価値の低下)しないということで、その方向性を貫いたほうがいいという意見であるようです。
記事内容が哲学的でもありちょっと何回なので、自分のこの解釈が正しいのかわかりませんが、スペックでいいものを出さないとわかりにくいという反面、使ってみてわかるということも大事だとは思うので、そのあたりの判断は難しいところかもしれません。
ただ、使って貰えればわかるというのであれば、少なくとも使ってもらえる場所が必要です。先日、家電量販店にいったら、ニコンの廉価な一眼レフ、D780、そしてZ 6IIとZ 7IIの展示機はありました。ですが、Z 5とZ 50は残念ながら展示されていませんでした。展示スペースもキヤノンやソニーの半分という感じになっているようです。
このような状況では、一般のユーザに触ってもらうこともできないですので、触ってもらえればわかる、使ってもらえればわかると、もしニコンが考えているのなら、売り場面積の確保や実際に触ってもらえる環境の整備は非常に重要だと思うので改善して欲しいと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (7件)
>「デザインに宿る思想」
ううむ・・・
ちょっと言い過ぎじゃないかな^^;
それを言うのなら、オリンパスや富士フィルムにこそ「デザインに宿る思想」がありそうな気がするけどなあ。
ボディを小さく、ダイヤルを大きく、軽量小型だけど操作性を犠牲にはしない・・・OMの思想。
レンズ側にも絞り環を!ボディ側にシャッター速度とISO感度を!
まあ、X-S10では普通に変えてきましたけど^^;
でも、それはそれで使いやすいし、フィルムシミュレーション専用のダイヤルを左手側にドンと乗っける辺り「デザインに宿る思想」ですよね(^^)
キャノンの電子ダイヤル、縦方向にこだわりますよね。
あれは「デザインに宿る思想」ではないのか・・・・な?
まあZ50は確かにニコン製品を使ってきた者にとってはマニュアル見なくても使えるって感じですけど。
それが「思想」かと言われると・・・・
ああ、でもEVFへのこだわりなんかはやっぱり「デザインに宿る思想」なのかな?
しかし、そこまでいうと何となく贔屓の引き倒しというか。
よく言い過ぎのような気がしますなあ。
私もオリンパスや富士フイルムのほうが「デザインに宿る思想」を感じます。
というか「デザインに宿る思想」なんてどのメーカーもそれぞれ拘りがありニコンならではってわけでもないですよね。
何か売れてないのを”市場がニコンの「デザインに宿る思想」を理解してないからだ”と言い訳してるようにも見えます。
ボディ内手振れ補正もない廉価機
選べるレンズもなく、キットレンズは暗くプラマウント
触るまでもなく買えない機種ということでしょう
デジカメWatchのレビューは基本的に記事広告なので褒めるだけです。
触ってみれば 使ってみれば 良さが解る。確かにニコンカメラはその通りなのですが、
逆の見方をすれば買ってみなければ良さが解らない はある意味博打を打ってカメラを買っているようなもので、
購入後後悔したくないと言う心理が働いて購入を慎重にならざるを得ません。そこへ他社が新機能を前面に押し出した新型カメラを市場に投入してくれば、後悔したくない心理が働いて新機能を持つカメラを購入しようとするのが顧客心理と言うものです。
思想でモノが売れるならばはAIDMAと言う言葉は生まれません。故にZは既知の通りの売れ行きとなっています。
ボディ側のマウントが樹脂製だった初代SONY α7 に比べれば、よっぽどマトモな造りですけどね。
自重の軽いレンズだったら、別にレンズ側のマウントが樹脂製だって何の問題もありませんし、そもそも、キットレンズに多くを望むこと自体、ナンセンスってモンでしょう。
貴重な新規ユーザーにキットレンズだけで完結されてしまったら、メーカーとしても商売上がったりですから。
ただ、今時のカメラでボディ内手ブレ補正(+センサー・クリーニング機能)が非搭載ってのは、どう考えたってあり得ない。
FF機であるZ6やZ7への忖度なんでしょうけど、それって、Z6やZ7の出来に不安があるってのをNikon自ら認めてるようなものです。
威勢のいいコトを言ってる割に、中身が伴ってこないなのが今のNikon。
これではシェアを落とし続けるのも当然ですね。
ところで、彼の文章が分かりにくいのは、今に始まったコトじゃありません。
本業の漫画の方も、取るに足らない話を大袈裟に書いているだけですしね。
Canonユーザーだった筈の彼が何故Z50を購入する気になったのか?
もう少し簡潔に書いていれば、印象も変わったかもしれませんね。
”Z 50はいいぞ” といっても、それが自分に合うかどうかは別の話。
触らなければ分からない部分というのも話は分かるが買ってガッカリ
する場合もある。
とあるメーカーの天体撮影も出来ると謳ったカメラを買ったが暗所での
ライブビューのノイズの多さと遅延に悩まされ防湿庫行きなってしまった。