画質は、現行のAPS-Cミラーレスの中で、明らかにトップクラスの実力だ。まず感心するのは、そのキレ味。有効画素数は2088万画素と控えめだが、その画素数を最大に生かしきる、とても緻密でキレのいい写りだ。
もちろん、2000万画素クラスであれば、A3プリントも楽々こなせるので、実用上、なんの心配もないのだが、本機はPCで等倍表示をしても、驚くほど解像感のある絵に仕上がっている。実際、本記事の執筆にあたり、本機を一ヶ月以上じっくりと使ってみたが、その期間中、解像感に不満を感じることは皆無だった。
画素数を欲張っていないことと、最新の画像処理エンジンの搭載により、超高感度撮影時の画質がいい点も見逃せない。本機は最高感度ISO 51200という途方もない超高感度を実現しているが、もちろんこれは、単なるスペックの数値だけではない。
ISOオートでの撮影中、暗いシーンではISO 51200になるケースもあったが、解像感や色調の低下はよく抑えられており、SNS用途などであれば、十分な仕上がりだ。もちろん、ノイズが目立つフラットなシーンでは、さすがに感度なりではあるが、それでもISO12800までは十分に許容範囲。APS-C機でこの高感度性能は十分に優秀といえる。
また、本機の高い解像感を支えているのが優秀なキットレンズだ。本記事に掲載しているカットは、主に本機のキットレンズ標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」と、望遠ズーム「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR 」を使って撮影した。
本機は、「Z 7」、「Z 6」と異なり、ボディ内手ぶれ補正機能は搭載していない。そのため、手ぶれ補正はレンズ側で行う。2本のキットレンズには、標準ズームで4.5段分、望遠ズームで5.0段分と、補正効果抜群の「光学式VR機構」が内蔵されている。どちらのレンズも望遠側のF値(明るさ)はF6.3とやや暗めだが、十分な手ブレ補正効果で撮影をサポートしてくれた。
標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のレンズ内手ブレ補正の効果を試すべく、星空を手持ち撮影。シャッタースピードは1/10秒だが、優秀なレンズ内手ブレ補正により、ブラさずに撮影することができた。
また両レンズともに、携帯時にレンズの一部が鏡筒内に収納できる沈胴式を採用。そのため、携帯時のコンパクトさを維持しながらも、使用時には十分な全長が確保できており、高画質化も同時に実現している。
開発者によれば、口径の大きなZマウントは、沈胴させるスペースに余裕があり、高い光学性能を保ちながら、従来以上の薄型化が達成できたとのこと。Zシリーズの大口径マウントは、APS-C機に対しても大きなメリットがあったわけだ。
サイズや重さ、操作感や画質、キットレンズの性能、そして価格。これら全ての要素を、高いレベルでバランスさせたモデルは、意外なほど少ない。しかし本機は、その全てのバランスが、きわめて絶妙であり、それこそが本機最大の魅力だろう。使っていて心地よく、中堅機ならではの存在感もあり、写りにも満足できる、きわめてハイコストパフォーマンスなモデルに仕上がっている。
昨今は、スマートフォンのカメラ性能の向上が著しく、スマートフォンだけでも十分にキレイな写真を撮ることができる。しかし本機には、カメラを持つ喜びや、扱う楽しさ、ファインダーを覗く新鮮さ、そしてレンズ交換による幅広い表現力、さらにはフルサイズ機へのステップアップなど、「カメラで写真を撮る楽しさ」が凝縮している。
本格的な写真を肩肘張らずに楽しみたい方、デジタルカメラやミラーレス機は初めてという方、そしてスマートフォンからのステップアップを望む方に、安心してオススメできるモデルといえるだろう。
(記事を一部引用しています)
Nikon Z 50のレビュー掲載
philewebにNikon Z 50のレビューが掲載されています。記事によれば、Zシリーズで定評あるEVFの見やすさのほか、標準ズームレンズの薄さなどもあり、非常に使い勝手がいいカメラになっているようですね。そして画質の面でも、画素数控えめなことと、レンズ性能が優秀なため画質ではAPS-Cミラーレスでトップクラスの実力としています。さらに感度控えめで高感度体制も高く、手振れ補正の機能も高いということで、夜間の手持ち撮影も十分なようですね。
そして価格、重さ、画質、キットレンズの性能などを高いバランスで両立させているモデルでコスパが高いとも表現されています。ダブルズームレンズキットで15万円ほどするカメラですから、それ以上の価値があるカメラということで、かなりの高評価を得ていることが解りますね。
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基本性能の高さが活路を見いだすか?
なかなかカメラが売れない世の中になっていますが、どのような付加価値をつけて高価格でカメラを売るのかということが重要になってくるのかな?と思います。その一つの例がフルサイズミラーレスです。フルサイズセンサーを利用しているので当たり前ですが、フルサイズだったら高いよねとか、フルサイズセンサー用のレンズだから高いのは当然だよねとなっていて、それを当然だと思っています。高いけど良いから買うというのがフルサイズミラーレスなわけですが、それと同様に、様々なライバルのいるAPS-Cミラーレス市場でも、同じAPS-Cミラーレスだけどこういう製品だから高いのは当たり前だよねと言えるように、他のカメラと差別化をするのが大事だと思われます。
そんな中で、ここまでのレビューをみると、Nikon Z 50はフルサイズミラーレス譲りの操作性、OVFと比較して違和感のないEVF、小型化されて優秀なキットレンズなど、カメラとしての基本性能を追求して、様々な部分を高いバランスで融合させて、かなり実直なカメラとして差別化していこうとしているように思えますね。
ただ、こういう基本機能の良さってのは実際に使ってもらったり、使った人の口コミとして広がらないとなかなか伝わらないことなんですよね。スペックだけをみて判断する人も多いので、このあたりがなかなか難しいことなのかな?と思います。
少し話しがそれますが、当サイトでも何度か指摘していましたが、やはりマウントが大きいことで沈胴式レンズが作りやすくなっているようです。当サイトに頂いたコメントで指摘がありましたが、沈胴式なのでレンズを繰り出したときに不格好に見えるという欠点はあると思います。ですが、レンズを薄く設計できるというのはマーケティング的にはかなり有利になるんじゃないのかな?と思います。実際にみると、レンズの外径はかなり大きいですが、カメラにつけてもパンケーキと思われるぐらい薄くなっているので、これは訴求力があるのかな?と思いました。
というわけで、Nikon Z 50がレビュー通りの製品ならば、Z 50が売れるかどうかは、スペック上では現れない基本性能の高さをカメラを購入したいと考える人にどのように伝えるのかが重要なのかもしれませんね。
記事全文は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://www.phileweb.com/review/article/201911/29/3674.html
コメント
コメント一覧 (2件)
Z6、Z7も決して悪いカメラでは無く、むしろZ6などは第一世代の製品としてはむしろ優れていると思いますね。
ただ、出だしが不運だった原因は、価格設定のミスと貧弱なレンズラインナップだったかと思います。
これって、まんま今のZ50にも当てはまりませんかね。
Z50が良いカメラであるのは判りますが、レンズキット込みで10万円以上出しても買いたくなるカメラかどうかは微妙です。
Z7ユーザーの自分としては、KissMクラスに対抗できるような突き抜けた機種を作って欲しいと思います。
どうか頑張ってください。
Z50は性能がいいのかもしれませんが、レンズがない。
3万円位で買える18mm-200mmのズームレンズ、超広角レンズ、単焦点レンズくらいないと買う気になれないでしょう。