ニコンの寄付で東京大学に研究部門が開設
ニコンの寄付で、東京大学生産技術研究所に研究部門が開設されるそうです。どのようなことなのでしょうか?
それでは記事をみてみましょう。
東京大学 生産技術研究所に「ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門」が開設
産学が連携し、光学分野の人材育成と研究テーマの創出をめざす
2023年3月16日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、本社:東京都港区)の寄附により、東京大学 生産技術研究所(所長:岡部 徹、東京都目黒区)は、「ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門※1」を2023年4月1日に開設します。次世代の光学産業をリードする人材の育成に貢献するとともに、将来的に社会が求める価値を生み出すため、社会実装につながりうる研究テーマの創出をめざします。
「ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門」の概要
部門名称 ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門 開設場所 東京大学 生産技術研究所(東京大学駒場リサーチキャンパス内) 開設期間 2023年4月1日~2028年3月31日(5年間) 担当教員 東京大学 生産技術研究所
芦原 聡(教授 ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門 特任教授 兼務)
志村 努(教授 ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門 特任教授 兼務)
池内 与志穂(准教授 ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門 特任准教授 兼務)講義 「光工学特論」他 寄附者 株式会社ニコン 寄附金額 総額1億円 本寄付研究部門設置の背景と目的
光学産業は日本が極めて強い分野ですが、技術革新のスピードに加え、新興諸国の参入もあって、世界レベルで高い競争力を維持していくことは容易ではなくなっています。また、最先端の研究・技術は高度で多岐にわたり、大学の光科学研究と産業界の光学技術との間の隔たりが指摘されるようになりました。このような背景のもと、ニコンによる寄付研究部門は、2006年から東京大学 生産技術研究所に設置され、産業に直結する光学教育を実施し、人材の育成を推進してきました。
今回、これまでの寄付研究部門に代わり、新設する「ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門」では、従来の特長ある講義を継続して実施し、人材の育成を図ることに加え、研究テーマの創出に新たに取り組みます。
多様化する社会課題に対して、技術を複合的に組み合わせて新たな価値を創出し、社会実装していくことが求められています。そこで、東京大学 生産技術研究所の持つ幅広い知見をもとに、ニコンが培ってきた光利用技術および精密技術と他分野の技術との融合を推進します。そして、将来的に社会が求める価値を産学連携で模索し、新たな研究テーマを創出します。
- ※1寄付研究部門:東京大学における教育研究の進展及び充実を目的とし、学術に関する社会的要請その他の諸条件の変化への対応並びに教育研究体制における流動化、国際化、学際化及び公開化の推進に配慮して、個人または団体の寄附による基金をもってその基礎的経費を賄うものとして設置される研究部門。
詳細は、東京大学のウェブサイトをご覧ください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/research/orgs-projects/d04_05.html
人材育成と長期的研究
記事によれば、東京大学の生産技術研究所に、ニコンの寄付により、ニコン 光・精密フロンティア寄付研究部門が開設されるそうです。寄付金額は約1億円としています。
設置の目的などにも記述がありますが、これまでもニコンの寄付により寄付研究部門が開設されていたそうなのですが、従来に加えてさらに新たな研究テーマの創出にも取り組むそうです。これによって光学技術に関わる人材の育成になるとともに、新たな研究テーマや技術開発が進むことで、ニコンにフィードバックされる目的もあるのかもしれません。
一般的に企業は短期的な利益を求める必要があるので、できるだけ短期間で実現できる新たな開発に取り組みがちです。一方で教育機関は短期的な利益とは無関係なので、長期的な視野でじっくりと研究に取り組めるというメリットがあると思いますね。
今回の寄付研究部門によって光学技術が様々な分野で活用され、日本の産業界が盛り上がっていくといいと思いますね。
(記事元)https://www.jp.nikon.com/company/news/2023/0316_01.html
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コメント
コメント一覧 (1件)
企業もただ寄付しただけという分けではなく見返りが得られるわけで
良くある話と思います。
企業も新規技術や新規事業には常に取り組むわけですが専門外となれば
人材の関係上難しいので大学に研究依頼というのは良くあることです。
企業の新製品にXX大学と共同開発しました等たまに見掛けます。
また国家機関と共同開発なども専門誌の論文には度々出てきます。
産業技術総合研究所と共同開発した経験がありますが国家標準の
機器で試験されデータ等の結果が得られるので企業にとっては
良いことの方が多いです。
企業は5年先、10年先を考えて研究開発していたりするので必ずしも
目先の利益だけ考えているわけではありません。
デジタルカメラは典型的な商品と言えます。