OM-1に残るオリンパスロゴの謎
今回、発表されたOMデジタルソリューションズが発売するカメラOMシステムシリーズのフラッグシップモデルとなるOM-1ですが、残ったオリンパスロゴについて気になった人は多いと思います。
ちなみに、OMデジタルソリューションズが製品を作る会社名、その会社が作るカメラのシリーズがOMシステムで、そのフラッグシップモデルがOM-1という名前になります。結構ややこしいです。キヤノンの作るEOSのEOS R3とか、ソニーの作るαのα1とか、ニコンの作るZシリーズのZ 1とか考えるとわかりやすいのかもしれません。たぶんPENについては、OMデジタルのPENというシリーズの、E-PLxという名称になるのだろうと思います。
とはいえ、製品画像をよくみるとオリンパスの他にも、手前からみて右下にはOMシステムのロゴがあり、オリンパスとOMシステムのダブルネーム(ダブルブランド)であることがわかります。開発者インタビューによれば、オリンパス時代から培ってきた技術に、OMデジタル開発した技術を融合させたということで、ダブルネームにしたという感じになっているのだそうです。ただ、そうはいっても事実上、ほぼマーケティングのことを考えた結果だと思います。
ブランドは結構重要で、例えば(人体に利用できる成分やその最大配合量が決められている)差別化が難しい化粧品や医薬品などの分野では、ブランドの知名度がある製品のほうが同じ成分(いわゆるジェネリック)なのに価格が高かったりします。例えばCMなどでも有名なかゆみ止めのウナクールと比較すると、同じ成分が同じ割合で配分されているあまり聞いたことの無いメーカの製品のほうが価格がかなり安いです。やっぱり有名なメーカの製品のほうが高く売れるからだと思います。夏によく利用されるシーブリーズのローションも、似たような製品が異なるメーカからクールアイランドなどの名前で発売されていたりしますが、使用感はあまり変わらないのにシーブリーズより格安です。
なのでブランドはかなり重要なわけですが、オリンパスのカメラというのがもう何年も発売されていたわけで、そのブランドを放棄するというのはなかなか難しいのだろうなという印象です。しばらくはオリンパスとOMシステムのダブルブランドで発売し、OMシステムの名前が行き渡ってから完全に移行する計画になっているのかもしれません。
このあたりは一種のブランドエクステンションに近い形になっているのかなと思います。ブランドエクステンションとは、成功しているブランド名を利用して新製品を投入するマーケティング手法で、例えばインスタント麺の日清がそば、うどんのカップ麺のどん兵衛というブランドで、スープ付き冷凍うどんを販売したり、アルミ鍋付きのチルド煮込みうどんを発売していたりする手法です。製品を購入しようと思ったとき、おもわず「お、どん兵衛だからこれにしよう」と購入してしまいます。
同じ日清ではカップヌードルブランドで、カップヌードルぶっこみ飯という別ジャンルの製品も発売していますが、そのような感じですね。
オリンパスとOMシステムを併記すればOMシステムの認知度もかなり上昇することが考えられます。
趣味趣向と慣れ
軍艦部のロゴがOM SYSTEMになると違和感があるという人も多いですが、人間は変化を好まない動物なので、このあたりは仕方がありません。ですが、ロゴが変わってもいつかは慣れるものだと思いますね。企業でも社名や会社のロゴが変更されたりすることもあり最初は違和感がありますが、それもいつの間にか普通になるものなので、そんなに気にする必要はないのかなと思います。ただ、旧ロゴのほうが好きだから残して欲しいという人は一定数はいると思います。
さて、それでは実際にオリンパスのりロゴはいつまで使えるのでしょうか?これに明確に答えている記事はいま現在のところ多くありません。OM-1発表の記事はいくつもあり、オリンパスのロゴが残ったことを報じている記事は多いですが、そのロゴがいつまで利用できるかにまで言及している記事は数本しかありませんでした。
その記事のいくつかからロゴに触れている部分を引用してみます。まずはデジカメWatchから、この記事ではオリンパスのロゴがいつまで使えるかは不明と報じています。
なおOMデジタルソリューションズでは、OLYMPUSのブランド表記を順次OM SYSTEMに切り替えていくと発表済み。本機にはペンタ部に“OLYMPUS”のロゴが残っているが、同社ではこれを「開発哲学としての“OLYMPUS”とOM SYSTEMのダブルネーム」と表現しており、今後の機種にもOLYMPUSの文字が残るかは不明。
-デジカメWatchより
こちらはマイナビニュース。オリンパスのロゴは最後になるとしています。つまりOM-1でオリンパスのロゴが最後になるとしていますが、この情報を補完する情報というのはでていません。
ちなみに、OMDSは製品のブランドを「OM SYSTEM」に変更しましたが、今回のOM-1は以前と同じ「OLYMPUS」ロゴを継承しています。OMDSの担当者は「OM-1は、OLYMPUSから受け継いできたブランドや開発思想などのDNAを継承しつつ、新たに提供する革新の技術を融合した象徴的なモデルなので、あえて“OLYMPUS”の表記とした。ただし、今後投入するカメラは、すべて“OM SYSTEM”ロゴになる」とコメント。OM-1が、最後の“OLYMPUS”ロゴのカメラとなります。
-マイナビニュースより
こちらはPHILE WEBに掲載されているOMデジタルソリューションズの担当者とのインタビュー動画の内容です。OMデジタルの担当者が動画で直接発言している内容ですので、こちらがいちばん正確なのではないかと思うのですが、この担当者の発言では「オリンパスのロゴが変わることがいつかあるかもしれない」程度の発言で非常に曖昧です。
Q 軍艦部のオリンパスロゴは変わる可能性は
-PHILE WEBより
A OMシステムを認知してもらえて、これでいいんじゃないかという時期が来ればそういうこともあるかもしれない。
ただ逆に言うと、たぶん本当のことを言っていない、または言えない可能性もあるのでしょうが、ロゴが残るのは今回で最後の製品になると断言していないことは一つのポイントになるのかなとも思います。
このことから考えると、まだよくわからないというのが実情で、確証のある情報はまだないというところではないかと思います。気になるのはマイナビニュースの記事で、こちらもOMデジタルの人から聞いた話としてOM-1がロゴを使える最後のカメラとしていますので、このあたりをどう考えるかですね。
実際にはどうなるでしょうか。たぶん次のカメラがどうなるかで将来がわかると思います。OM-5かOM-10あたりが次のカメラになると思いますが、どうなるでしょうか?気になりますね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
本当に今後どうなるのでしょう、分からないことだらけですね。そして個人的には本当に疑問ばかりで、OM SYSTEM というブランドネームが発表された時もナニコレでしたし、今度のペンタ部のOLYMPUSも??でした。カメラ右下の OM SYSTEM も目立つようにしているとは思えないですし。。。。OM SYSTEMブランドを広める、もしくはOMDSを広める方向に頑張って舵を切っているようにはあまり見えないです(勝手ながら、色々言わせてもらえるなら)。妄想的には、ペンタ部はOM SYSTEMで、PENTAX K-1 Jlimitedのようなペンタ部パーツを売り出して、そこにはOLYMPUSがあるというパターンでも良かった?のでは。。。。
既に予約していますが、軍艦部のロゴは最初OM SYSTEMの方がカッコよいと思っていたのですが、新会社のOM SYSTEMもいつまで続くのか不透明と考えるとOLYMPUSで良かったかなとも思え、今はどちらでもよくなってきました。
toka413さんと同じで、OM SYSTEMブランドを広める意思が感じられません。
現状のブランド力不足はOM SYSTEMとしての看板が出ていなかったので当然で、それこそが本機……なのに「OLYMPUS」ですからね。
右下の小さな新ロゴがボディと同化する色なあたり、旧ロゴを愛する方々への配慮が窺えます。
そして「認知してもらえたら」とは……認知してもらうには前面に出さなければで、順序が逆と感じます。
最悪なのは担当者の発言が食い違っていることで、広報の統制が取れていないことを示しています。
ヨドバシの特設ページにも最後と記載されているので、これが最後という見立ては広まっていそうです。
もっとも、「これで最後なら買う!」って方も見かけるので、仮にそれを狙ったのなら大成功なのかも……?
https://www.yodobashi.com/store/300243/
連投失礼します。ヨドバシ他、何か外堀が埋められ始めているようで、これもこれで不思議な感じもしてきます。そして調子に乗って?続けさせてもらえるならば、個人的には、OLYMPUS PEN E-P7の方が最後としていいような気も。長く売り続けてもらって、金属外装、専用外装レンズを最後に出してもらって。基本、下位機種の方がブランドの占める割合が高いような気もするのですが。。。。うーん、そうでもない? ほっといても実質的にはE-P7が最後になりますか。。。。。