Nikon Z fcの発売延期で混乱
ニコンが、Nikon Z fc 28mm f/2.8キットの発売延期をアナウンスしました。発売日は決定しておらず、当初の発売日から遅れることになるようです。
一方、Nikon Z fcボディと、Nikon Z fc標準ズームキットは発売日が決定したものの、予約をした人でも入手できるまでに発売日からかなり経過する可能性が示唆されています。つまり、どちらもかなりの人気があるということで、これはニコンにとっては嬉しい誤算と言えるのだろうと思います。
ところが、海外では、日本のサイトの機械翻訳の解釈がまずかったのか、Z fcとNIKKOR Z 28mm f/2.8の両方が発売を延期というように伝わってしまい、それが原因で様々な憶測が広まっているような状況になっているようです。
実際には下記のようになっていますが
・Nikon Z fcボディ、Z fc標準ズームキット → 発売日が決定し予定通り発売 ただし入手までに時間がかかる可能性
・Nikon Z fc 28mm f/2.8キット → 発売延期
このように伝わっています(一部、修正しているコメントなどもあります)。
・Nikon Z fcすべてのキット → 発売延期
・28mm f/2.8レンズ → 発売延期
機械翻訳のための勘違いだと思いますが、ニコンはもっと正確に発表するために専門家を雇ったほうがいいなどというような意見もでたりしています。ニコンとしてはとばっちりかもしれません。
マーケティングに関しての批判も相次ぐ
ニコンは以前からマーケティングに弱いと言われていました。なぜそうなのかは理由はわかりませんが、一般的に言われているのは、かつてフィルムカメラでニコンは何もしなくても売れるような優秀なカメラを作ったので、そのときの経験が今も引き継がれているからだというものです。
フィルムからデジタルメインになって、もう十年以上も経過していますので、そのときの経験が引き継がれていると考えるのも無理があるかもしれませんが、それだけマーケティングに関してはキヤノンよりもかなり落ちるのでは?ということは、もうかなり前から言われていたことです。
今回のNikon Z fcは(ニコンの)想定以上の予約があったため、発売日までに予約者に製品を供給できない可能性があることを告知したり、製品の発売日を延期するなどの対応が行われています。ですが、このことそのものが、そもそも製品の人気を把握できなかったというニコンのマーケティング能力が欠如している結果なのではないか?と述べている人が海外のサイトで一定数いて、その意見には確かにそうだよねと納得してしまいました。
確かに実際、その製品の人気を正確に把握できるマーケティング能力があれば、適正数の供給量を整えるまで発売を延期することができたでしょうし、あらかじめ但し書きをすることもできたはずです。それができなかったということは、結果的にその製品の本当の魅力、市場がどのようにその製品を判断するかを理解する能力がなかったと言われても仕方がありません。
ただし、その他の意見として、現在の新型コロナウィルスによるパンデミックや半導体不足の影響があったのでは?と想像している人も一定数います。
それは実際には製品の予約や販売に関する予測は正確だったけれども、新型コロナウィルスや半導体不足によるサプライチェーンの問題の影響が大きくなり、製品の供給が難しくなったため計画の大幅な変更が必要になった可能性があるというものです。
確かに、今はかなり混乱した状況にありますので、製品の供給に関してはそのときになってみたいとわからない側面があるのは事実だと思います。なので、裏目にでると今回のような発売延期や供給不足となってしまう可能性というのはあるのだと思いますね。
ただ、いずれにせよ製品の供給不足で予約しても発売日に入手できなかったり、発売日が延期されるほどの状態になるのは、決してプラスにはならないのだなと改めて思いました。日本国内でも、あるジュースや泡が出るビールが人気で一時的に発売中止になったりすることはあります。そのような報道があるたびに製品を宣伝するための「飢餓戦略」ではないか?と言われることがありますが、廉価な製品ならまだしも、カメラのような高価な製品では、そのような戦略は通用しないなと思います。いまは様々な問題で製品の安定供給が難しい状況ですが、カメラメーカはかなり慎重な対応が求められている世相になっているのだと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (10件)
マーケティングが下手な事はメーカーも認めている事で今更言うまでもないと思います。
R6 がニュースタンダード R5が5である事
など解りやすい言葉で情報発信しているのとは正反対です。
Zfcは撮っている時間も持っている時間も楽しい
(言葉が長い)
追伸、
ニコンは情報発信が下手です。
上記の様にキャノンは短い言葉で簡潔なんですが、ニコンはとにかく言葉が長くまわりぐどい(ニコン1の時もレンズアドバンスカメラ)
ブランド戦略もキヤノンに比べると苦手な印象です。
例に挙げてる「5」や「6」も、一眼レフ時代に明確な意味を与えた名前を引き継ぐことで、カメラの立ち位置もキヤノン自身の方向性も明示できてますよね。初心者向けカメラにもKissという親しみやすい名前付けてますし、何より「EOS」ブランドを育て上げてますよね。
対してニコンの一眼レフボディはわかりづらい(と私は感じます)番号体系でブランド名もなく、Zで名前付け&体系が一新されたもののそれによって途切れた感が出てるように感じます。
外観もEOSを受け継いだキヤノンと一新したニコンは対照的ですよねぇ……
キャノンがもしZfcの様なカメラを発売したら
新たな原点回帰 新旧の融合
みたいなキャッチフレーズになるのかな?
情報発信やマーケティングが下手なのは別として
そもそも供給不足はR5と6にもあった事で
大きく取り上げる事もないかと・・・
Z fcは「わたしの世界を変えたモノ」だから長くはない(短くもない)かなと思います。「変えた」と過去形なのはやや違和感ですが……Z fcを手にして変えていこうではなく、何か変わったなと思ったら手にZ fcがあった、的なニュアンスなんですかね。
供給不足はキヤノンの方がやらかしてますよねぇ。R5以降の慢性的な不足でだいぶ商機を逃してる感あります。
ただ、今回のようにキットの一部のみ延期&延期先未定、というのはなかなかに心証を損ねていそうです。今から別キットに変えてもいつ届くか不明ですし……
ニコンはフルサイズをFX、APS-CをDXと独自の呼び方であったり、ほぼ他社が「マクロ」レンズと呼んでるのを「マイクロ」と呼んだりとにかく頑固なんですよね。
それがマーケティングでプラスになってればいいですが消費者からしたらややこしいだけです。
Z fcがこのような対応になってるのも「まさかデザインによってこれだけ市場の反応が変わるのか」というのを読めてなかったからですよね。
マーケティング調査とか消費者の意見とかニコンはこれからも軽視していくのでしょうか。
Z fcの反響を見て変わってほしいですね。
このような所有欲を満たすだけの商品に対して、販売時期に差をつけることが何を意味するのか、会社として何もわかっていないことが、そもそもこの会社の弱点ですね。
これだったら、すべて発売延期にして8月末くらいまで引っ張ればよかった。
せっかくニコンが盛り上げるチャンスだったのに、自らそのチャンスをふいにしてしまうあたり、さすがと言わざるをえません。
どうでしょうねえ。
発売当初は品不足になるぐらい爆発的に売れますよ。
で、半年してパタッと売れ行きが止まる・・・みたいな^^;
そりゃ、うかつに生産設備を拡充できないですよね、企業としては。
いわゆる「社運をかける」ぐらいの覚悟ならやるでしょうけど、そこまでの覚悟はないだろうしなあ。
DXのレンズのラインアップなんか見てると。
他社のように出来ている分からオーダー順に順次出荷すればいいと思うのですが。
オーダーが遅い人の納期が遅くなる分には誰も文句も言わないでしょう。
皆様公平に(待っていただく)。お客様のために。と思いすぎて裏目に出ている印象です。
マーケティングを誤りファンに多大な迷惑をかけてしまったのはCANONです。あるいは供給不足となることを承知の上で戦略的に発売したのか分かりませんが、R5は予約開始時刻から50分で初回分が完売し、そのわずかな差で数か月待つことになりました。確かにオーダーが遅い人は入手が遅れても仕方ないのかもしれませんが、予約開始日午後に予約して遅いというのは問題です。私もR5のバッテリーグリップは半年待ちました。
その反省からかR3は発売日当日に十分な供給ができないことを避けるために発表日を3カ月ほど遅らせたようなので、NIKONの取った措置は個人的には納得できるものです。予約開始日午後に予約して待たされるのでは、それはそれで苦情になりますので少々のバランスは必要なのかもしれません。
PanasonicのS5や富士フィルムのX-E4も予想に反して売れすぎて供給不足に陥ったので、今の時代、新型コロナや半導体不足、海外生産拠点等でいずれの会社もマーケティングは難しくなっているのだと感じます。