キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長最高経営責任者(CEO)は5日、日本経済新聞の取材に対し、監視カメラや医療機器などの新規事業が連結売上高に占める比率を2025年12月期までに「40~45%まで高めたい」と語った。19年12月期実績では25%だった。これに向け、4月に事業部門などを新たに4つのグループに再編して成長を加速させる考えを示した。
(記事元)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67910020V00C21A1TJ2000
キヤノン 新事業へ注力の方針
日本経済新聞がキヤノンのCEOとのインタビュー記事を掲載しています。
記事によれば、キヤノンは今後は新規事業の売上高に占める比率を、2025年12月期までに従来の25%から40~45%まで高めたいとしているそうです。これから5年後までにということになりそうです。
新しい事業として考えているのは、医療機器、監視カメラ、有機パネル製造装置、商業印刷の4事業だとしています。そして、事業もこれらの事業を軸にした4つのグループに再編するとしています。
4つのがループのうち光学機器部門は、カメラとソフトを組み合わせた監視カメラ、車やロボットの自動運転に利用するカメラやソフトなど取り扱う部門になるそうです。いまのカメラ事業は、恐らくこの部門に取り込まれるような形になり、監視カメラやセンサー技術など新技術の開発に注力するような形になると思われますね。
相対的にカメラ事業の重要性が低下していくか?
新規事業の比率を高めていこうということになれば、必然的に既存の事業に関する投資は少なくなるはずです。そうなるとミラーレスや一眼レフなどのカメラ事業に関する投資を少なくなっていく傾向になると思われますね。カメラ事業を取りやめるということはないと思いますが、様々な優先順位をつけるときに、カメラに関する事業はその優先度が低くなってしまう可能性が高いと思います。
個人的にはEOS Kiss MIIが発売されたことで、EF-Mマウントの存続はほぼ確定的になったのではないかな?と思っていました。ですが、最近はRFマウント採用のAPS-Cミラーレスの噂も続々と出てきています。そして、今回のカメラ事業に関してのリソースが削られる可能性があると考えると、新しいAPS-Cミラーレスに関してはRFマウントに集約してスリム化しようと考えても理解できるところでもありますよね。
このキヤノンの事業再編によってカメラ事業がどのような位置づけになるのか、興味があるというか少し心配になりますね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
カメラはもう成長は見込めないどころか死へと一直線な衰退産業でしかないので、他の事業に力をいれるのは会社として当たり前。
ただキヤノンは、カメラメーカーの中で一番といっていいほどカメラへのプライドがあるだろうから、よっぽどのことが起きない限りは自分からはやめないだろう。
なので、今はできるだけやめないで長続きさせるための施策をとっているところだと思う。
その施策こそがRFマウントへの集中一本化だろう。
車載カメラの多数化はサービス向上に繋がることは明白なので、キヤノンとしてはこの分野を成長領域と捉えているんでしょうね。キヤノンにプライドがあるかは知りませんが、いつものキヤノンらしくビジネスに対する着眼点には鋭いものがあると思います。
ただし、既にこの分野もレッドオーシャン化しつつありますので、実際の所低コストで仕掛けてくる新興国メーカーに対してコスト面で勝てるのかは誰にも判らないと思います。
キヤノンは祖業であるカメラを止める事はないでしょうし、他の事業に
繰り入れる事もないでしょう。
もう国内カメラメーカーでカメラが祖業のメーカーはキヤノンだけに
なってしまいました。
産業向けにシフトするのはしばらく前から言っていましたね。
他の事業で儲けを出しカメラは続けてほしいものです。
末端のユーザーレベルでは、デジタルカメラはほぼ完成の域に到達【フィルム時代のピンボケ 露出不足による失敗は起こらない】し、それに加えデジカメ普及率やスマホのカメラ機能向上で、たとえ、湾曲センサーやローリングシャッターを載せたデジカメが販売されても以前の様には売れないでしょうね。
SF的な話しですが例えばBDI【脳波コントロール】技術の発展でコマンドダイヤルやタッチパネル シャッターボタン不要のデジカメが発売される位でないとカメラは売れないかもしれません【突飛な話しですみません】
新領域の売上比率を上げる事は企業が生き残る為には必要な事【富士フィルムが良い例】で、それによってカメラ事業が存続できるならば良い事だと思います。
ただ、監視車載カメラ部門が他の部門の業績の足を引っ張る様になった時はオリンパスの様な自体になり得る事もあり得ますが・・・