縮小止まらぬカメラ市場でミラーレスに一筋の光明
デジタルカメラ市場の縮小が止まらない。ピーク時には1億台を超えていた出荷台数は、スマートフォンの台頭などによって2019年には約9割減となった。続く20年もコロナ禍が追い打ちをかけ、10月までの累計出荷台数で前年同月比55%と、壊滅的な状況にある。21年以降もこの市場縮小傾向を免れそうにない。
そうした中、カメラメーカーにとって一筋の光明となっている領域がある。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://diamond.jp/articles/-/258992
フルサイズミラーレスでカメラメーカは復活できるのか
DIAMOND onlineがカメラメーカの今後について報じています。全文は記事元リンクからご覧ください。内容を要約すると以下のような内容になっています。
・各社ともフルサイズミラーレスに注力するが、売れているのは低価格帯
・平均価格を高くする戦略を目指しているが、消費者に受け入れられるかは未知数
・キヤノンは回復しつつあるが、ニコンは減益で2000人のリストラなど悲惨な状況
・パナソニックは事業を切り売りしやすい組織改編している
・2021年はカメラ業界の再編や淘汰が加速する
このようなかなり厳しい見方をしていることがわかります。確かにオリンパスほどのカメラメーカがカメラ事業を売却したとなれば、もはや業界の再編は必至ということは容易に想像されるところです。
同じようなことは過去にもありました。PCやプリンタの普及で自宅で簡単に印刷ができるようになると、かつては年賀状などを印刷していた街の印刷屋さんがかなりの打撃を受けました。同様にフィルムを現像していた街のカメラ屋さんといったものも影響を受け、どんどん閉店していくことになります。ネットが普及して電子メールが一般的になると、年賀状は電子メールに置き換わり、ダイレクトメールも切手代が不必要な電子メールでのお知らせにかわります。これにより郵便局などの収支も悪化することになります。
スマホの台頭で、ちょっとした撮影はスマホで済むという人が増えたこともあってコンデジの販売は激減してしまいました。高級コンデジやレンズ交換式でなんとか利益を得ようとしているカメラメーカですが、カメラの性能はほとんど完成された領域になってしまっていて、買い換えする人も少なくなっている状況です。いま、かつて厳しくなった市場と同じ道をカメラ市場が歩んでいるということになっているわけですね。
ミラーレス化によって得られる技術革新についても、恐らく近い将来にほぼ完成の域に達すると思います。また、いまは動画性能についても求められているわけですが、この機能も各メーカで機能向上を競争していくうちに、こちらも近い将来にほぼ不満のない域に達すると思います。そうすると、ミラーレスについても、ほぼ完成されてしまい買い替え需要というのは発生しなくなる可能性がありますので、カメラメーカとしては非常に厳しい状態にあると考えられますね。
業界再編は必至? パナソニック、ニコンは厳しいか
記事では、パナソニックが事業を切り売りしやすいように組織改編をしているとしています。どういうことでしょぅか?たぶん、このような事業再編について念頭においての記事だと思われます。
パナソニックは津賀一宏社長(63)が2021年6月24日付で代表権のない会長に就き、楠見雄規常務執行役員(55)が社長に昇格する人事を13日に発表した。22年4月に持ち株会社「パナソニックホールディングス」へ移行する。21年10月に現行のカンパニー制を廃止し、事業を再編する。
持ち株会社化は、現在の車載事業などの社内カンパニーをベースとして事業ごとに分社化し、持ち株会社の傘下に置く。「パナソニック株式会社」には家電や空調、中国事業をまとめる。17日に詳細を発表する。
(引用)https://www.sankeibiz.jp/business/news/201116/bsc2011160619001-n1.htm
これまでパナソニックでは、社内の各事業をカンパニー制として取り扱っていましたが、今後は事業を再編し、事業ごとに会社化して、その持ち株を親会社が所有する持ち株会社化していくようです。
カンパニー制というのは事業部門ごとに独立採算で事業を行うようなことですが、実質的にはそれは会社内の扱いでの話で実質的には同じ会社にあることになります。ですが、事業部門ごとに会社を作ってしまえば、それは実質、それぞれの事業部門は別会社ということになります。なので、例えば特定の事業部門を売却しようとした場合には、それぞれ別会社にしておいたほうが、より簡単に売却できるということになりますね。
そうするとただでさえ厳しいカメラ事業ですので、売れるときに売っておこうというように考えたときに、売却する障壁が下がることになります。つまりより売却され安い状況になったということで、これはパナソニックユーザとしてはかなり心配に感じると思います。
パナソニックはライカ、シグマなどとアライアンスを形成している中核企業なわけですが、もしパナソニックがカメラ事業を売却するとなると、強固な経営基盤のある会社ではなくなってしまいますので、今後の経営戦略にも大きな影響を与える可能性も考えられそうなので心配です。
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コメント
コメント一覧 (8件)
パナソニックのカメラはAFがコントラストなので不利な部分ありますね。
あまり注目されませんが暗所でのライブビューのノイズの少なさ、遅延の
無なさはもっと評価されても良いと思いますが通常の撮影では分からないので
もったいないです。
ソニー、ニコンも追いつけません。
ペンタックスも同様にノイズ、遅延が酷いです。
キヤノンはパナソニックに近いレベルです。
素人なのでわからないのが実情ですが、パナソニックはビデオカメラもあるのでどうなのだろう?ビデオも同時に切るの?別?、なども感じました。当然、カメラの動画機能との観点も必要なのでしょうが、どうなのでしょう?
コンパクトカメラ(こちらの方がレンズ交換に比べ、ある意味淘汰が進んでいる)の方では、キャノン、ソニーの2社のみが品ぞろえが多く、他はすでに、、、という状況ですが、その中ではまだパナソニックは頑張っているほうだと思えます。ニコンの方が高級コンパクトがないのでさみしい。ですが発売機種だけでは比べられず、利益の方も勘案すべきでしょうし、本当に難しいですよね。コンパクトカメラでは、高級コンパクト(個人的にはまだお金を出せる範囲内)のみ、まだ選ぶのがまだ何とか楽しいかな程度でしょうか(ソニー、キャノン、パナソニック、フジ、リコー)。
ビデオカメラでは、ソニーとパナソニックとJVCの3社が残って(?)、JVCは低価格のみでしょうか? MP3プレイヤーもiPodがかろうじて残っており、ソニーはShopHPを見てみるとえらく多く(ハイレゾのせいでしょうが)、他は異常に多いように思えますが、ハイレゾで自身には知らないメーカーばかり。カーナビ(特にポータブル)はもう全滅に近いですかね。
やはり、ある程度選べないと楽しくない(また発展も鈍る?)ので、2社とは言わず最低でも3社? 携帯電波から言えば4社は必要? といってもPCのVaioのような感じだと、申し訳ないですが個人的にはあまりメリットを感じない。レンズは最近、中国メーカー他増えているような。。。 とにかく古い人間にはついていけないところも多いですが、各社まだまだ頑張ってほしいです(としか言えない。。)。
業務用機やLeicaへのOEMを手掛けているPanasonicは、容易にイメージング部門から撤退という道は選べません。
シェアを確保出来ていない状況が続きながらしぶとく生き残ってきているのも、その辺りが大きく関係しているのだと思われます。
一方でNikonは、カメラへの依存度が高過ぎるうえに、他事業も赤字垂れ流しという体たらく。
どちらが撤退の可能性が高いかは、考えるまでもありませんね。
尤もNikonは、撤退を選択する前に『会社ごと吹っ飛ぶ』可能性が少なからずありますが…。
パナソニックは、カメラ部門がここ数年間赤字だと日経で報道されていた。
コロナ前から赤字というのは、オリンパスと同様に苦しいところだろう。
いくらライカやLマウントでのしがらみがあろうと、事業として立ち行かなければ撤退は普通にありえる。
その場合は、ライカもパナソニックから技術者を引き取るなりしてなんとかするだろう。
しかし、一番あてが外れたのがシグマかな。
Lマウントの普及のしなさにイライラしていると聞いた。
ただ正直、傍から見てるとLマウントはどこまでいってもニッチの域を出ないと思っていたので、この結果は残念ながら当然としか言いようがない。
パナソニックはリコーと同様、シェアが低すぎますね。
私は以前からオリンパスは将来デジカメ事業を売却する、手放すと想像していました。ただ、売却先はソニーと想像してましたので、そこは外れましたが。
(レンズ技術者などは流れているかもしれませんが。)
カメラ業界に限らず、業界でトップ3に入らないと生き残れないと言われていました。
マイクロフォーサーズで組んできたオリンパスが事業を売却してしまいましたので、パナソニックもこの先を検討せざるを得ないです。
リコーのほうはGRブランドやTHETAのほうが好調のようです。
パナソニックの映像事業で「好調」と言えるものがあるかどうかだと思います。
カメラの性能とかの話ではなく、知名度やブランド戦略、販売戦略など、商業的・ビジネス的な話だと思います。
デジカメを買う大多数の消費者はカメラに詳しくはありません。
AFとか性能の問題ではなく、利益を出し続けられれば事業は継続できるはずですが、そこは経営者がどう選択するかというビジネス的判断です。
近年、パナソニックは事業や組織の再編を繰り返しており、今回カンパニー制を廃止して事業を売却しやすくするのでしょう。
放送用カメラなど一部は手元に残して、民生用カメラのみやマイクロフォーサーズのみ売却だってできます。買う側が出てくればの話ですが、そこは売る側と買う側の話です。
Lマウントも今はまだニッチで、組んだライカとシグマも販売台数的にはニッチなので仕方ありません。
赤字が続いていて黒字を出せなければ、株主の声もあって明るい未来は想像しにくいです。
でた〜!!
期待どおりや!!!
さて、私のニコン同盟論を今一度復活させていただきますm(__)m
ニコフジ同盟を・・・と思っていまいたが、むろんニコパナ同盟でもかまいません。
むしろ、動画技術を考えるとその方がニコンにとってはいいかも。
ただ、問題はマウントだよなあ・・・
富士はフルサイズ用のマウント持ってないからちょうど同盟組むのに良かったんだけど。
パナもニコンも新しい大口径マウントを出して間もないから・・・
ううむ。
再びで申し訳ありませんが、他の方のコメントを見て妄想が湧きました。場合によっては全然面白くない妄想かもしれないですが、OMデジタルソリューションズ(株)がパナソニックのLUMIXを買収(合併新会社?)というものです。マイクロフォーサーズは1社だけなら生き残る余地がある? 最終的に2マウントを持つのは、フジのみになる。。。。さみしい。
なお、ICレコーダー部門も買収で、ビデオ部門は揉める(放送ビデオカメラ等はPanasonicが続けるが、パーソナルビデオ部分をどうするか??)?
希望的観測を別として、Lマウント・アライアンスは強固なものだと思いますし、ライカのカメラの心臓部は相当な部分Panasonicに頼っているのでは? 魅力的なレンズのラインナップを揃えているpanasonic、優秀なレンズの製造技術を持つPanasonicが、おいそれと負け組の軍門に降るのでしょうか?