ニコンをとりまく厳しい環境
ニコンについて暗いニュースばかりが目につきます。ニコンの主要事業である半導体露光装置やカメラ事業が、新型コロナウィルスの影響で大きなダメージを受けて今期は大幅な赤字に転落する予測となっています。
ニコンの事業はもともと他のカメラメーカと比較してカメラ事業の比率が高く、また他のカメラメーカと違って大きな柱となる事業が少ないため、経営基盤は脆弱だと思われてきました。そして主要事業の一つである半導体露光装置についても海外メーカにシェアを奪われ、しかもこちらも新型コロナウィルスの影響で設備の設置をすることができず、二つの柱を奪われた結果、経営的にかなり厳しい状況にたたされています。
そのため同じカメラメーカであるオリンパスのように、カメラ事業を手放すときが来るかも知れないと言った予想をする人もおおくでてくるような状況です。
ですが、ピンチの今こそチャンスに変えることが必要だと思います。ニコンにはそれが可能だと思いますし、いまだからこそできることがあると思います。
必要は発明の母
ちょっと回り道になりますが、少し関係ない話をさせてください。
保存食はなぜ生まれたのか
まったく関係ない話になっちゃうのですが、例えば食べ物の話。野菜や魚などには旬があります。なので時期によって大量に取れるのですが、そのままだと食べきれずに腐ってしまったりしてしまうといった問題が発生します。そこで、どうするか?というと何とかして保存して、その材料を長いこと食べることができるようにしようとするわけですよね。
例えば、魚だったら干物、塩漬けにして腐りにくくしたり、野菜なども乾物にしたり、塩漬けにしたりして、なるべく長持ちさせようとするわけです。
変わったところだと、例えば紅ショウガなどは7月の梅雨明けで出来上がる梅干しの残りのつゆである梅酢を保存しておいて、同じような時期にとれる生姜を少し干して漬け込むことで紅ショウガとして保存性を向上させたりしています。同じように、その後の季節の夏野菜のみょうが、キュウリ、なすを塩漬けして発酵させ、梅酢を加えると柴漬けになったりします。
そしてその結果、それ単体で食べるのとは別の味わいの料理だったり、よりいっそうのうま味がました材料が生まれることになりました。
これらは季節によって大量に取れる材料をなんとかして少しでも長持ちさせようということが強く影響していた結果、様々な試行錯誤を経て、いまでも美味しい料理や料理法として継続して残っているのだと思います。
今だったら温室栽培とか、冷凍保存とかありますので、材料をそのまま加工せずに長期保存できたり、季節関係なく需要を満たすような栽培ができる方法があります。いまのような保存技術が過去にあったら、干物とか、紅ショウガとか、漬物とか、そのような調理法を利用した食べ物というものは、すべてとはいいませんが一部の食べ物は、今の世の中になかった可能性もあるのかな?と思います。
危機感や制限が新しい発明につながる
いま世界で1位2位を争う自動車メーカになっているトヨタも、次に潰れるのは自分の会社かもしれないということで危機感を露わにしています。将来的にカーボンニュートラルを目指す社会になるのであれば、電気自動車や燃料電池車に移行するしかないわけですが、精密な加工が必要なエンジンやトランスミッションといった部品が必要なくなり、モーターだけで済むようになると、それこそ新興国の新興企業でも簡単に車が作れるようになり、かつて世界を席巻していた日本のテレビのように、簡単に他社にとって代われてしまう可能性もあると考えているのだと思います。
そのためトヨタなどはハイブリッドから電気自動車、燃料電池車など様々なラインナップを揃えることで、どのような方向に進んでも対処できるような方向を進んでいますし、いまから様々な技術に開発をしています。
いまだからニコンができること
ニコンに足りなかったのは、そのような必要性や危機感なのではなかったのでしょうか?一眼レフで世界シェアでキヤノンに続き2位という立場でしたし、地域によっては1位という立場でしたので、安泰と思っていたのだと思います。ですが、思ったよりはやくミラーレス化の波がやってきて、あっという間に出遅れてしまい現在のような状況になってしまっています。たぶん緩やかにミラーレスに移行すると考えていたのだと思いますが、想像よりはやく移行しているようですね。
いまたぶん多くの人はニコンが風前の灯火になっているように見えているかもしれませんし、ニコン自身もかなり焦っているかもしれません。この危機感をどのように考えるか?、そしてこの危機感をどう経営や製品の開発に活かすのかということが、ニコンの今後を決定的にするものではないのかな?と個人的に考えています。
上記で記述したように、何かしらの制限があったり、何かしらの危機感があることは、それを理由として企業、人を動かす強烈な動機にもなり得ます。カメラ事業がやばい、ミラーレスカメラの販売も思わしくないということになれば、何とかしなければならないということで、様々な施策を考える必要がでてきます。それも、お金、時間もないなかで早急にの結果をださなければなりません。
たぶんニコンで働く人の多くも、同じような危機感を持っているはずで、同じように自分ならこういうカメラを作りたいとか、こういう機能が欲しいとか、こうしたらもっとよくなるという意見を、今まで以上に強い思いをもって考えている人も多いと思います。
ピンチの今だからこそ、より高い危機感を持ってよりよい製品を作りたいと思う人が多くでてくると思いますし、その結果、それができる可能性が高まると思います。
あとは経営者側の判断になると思いますので、この危機感があるなかで、経営者側がどのような判断や経営方針を打ち出すことができるのか非常に興味がありますし、思い切ったよりよい経営判断を決断することを望みたいと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (14件)
う~ん。
危機感があるならばZ6ⅡやZ7Ⅱがマイナーチェンジではなくフルモデルチェンジで発売されていたと思いますよ。(フルモデルチェンジならばR6ではなくZ6Ⅱを予約していたし)
とにかくNikonオタク(旧来の置きピン撮影やスチル撮影に固執する年寄り)を切り捨てるような斬新な発想でカメラ開発に取り組んで欲しいですね。α7シリーズやR6 R7は旧来の撮影手法を変えてしまうくらい進化してますからね。それと撮像センサーは内製化した方が競争力が上がると思いますよ。デジタルカメラの撮像センサーは防犯カメラや車載カメラに応用できますしね。頑張れNikon!!
ニコンはもうスバルでいい。かっこよくて、愛せるブランドで十分です。今更トヨタや日産に挑戦する必要はない。
すでにZ50mm F1.2Sのように他社が追いつけないレンズ群を生み出しつつありますね。
ボケ味の良さや逆光耐性はキヤノンのRF50mm F1.2Lより上回っていますし、イルコさんを始め
使ってみた人の評価も極めて高いですから。
フルサイズの魅力である大きなボケを活かせる高性能大口径レンズを揃えいくことで
自ずとZシリーズのプレゼンスも高まっていくことでしょう。
相変わらず市場のニーズを無視したレンズばかり作ってますねニコンは。
誰がこんなレンズを欲しているんでしょう。
納品が何ヶ月後という事実は需要が高いという証拠ではないか?
ごく一部のプロやオタクを除いて、市場が求めているのはそういう類のモノじゃないんです。
Zシリーズ本体の出来は完全に世代遅れ、リリースするレンズは光学性能に固執する余り市場のニーズから乖離したバカ高いモノだらけ。
これで上がり目があろう筈がありません。
そういう凄い類いのモノじゃないとスマホとの差別化はできなくて沈んでいくでしょうね。
既にそうなってるわけですから。
それが可能なのが大口径マウントのZシリーズでしょう。
堅牢なボディと優れたレンズ。
それだけ出しておけば確固たる地位を維持できる・・・できるはずだ!って時代は過ぎ去ったと思うんですよねえ。
新しい設計のセンサーと動画性能。
ついでに豊富なレンズ群。
それが前提でないと、Nikonのこだわりも生きてこない。
常識的にいうと、どこかの企業と提携するしかないと思うけどな。
パナかフジか・・・・この先はもう言いませんm(__)m
解像度や描写性の良いレンズは今や中国でも製造できますし、現に特許開示していないのにも関わらず中国企業がZマウントのレンズを販売し始めました。レンズの優位性を売りにしても売れませんよね。
AFの動体追従性能 動画 この2点で完全にCやSに大きく遅れをとっています。本気でα7シリーズやR6 R7を超えるミラーレスカメラを発売しないとOの様に映像事業売却という状況に陥るでしょう。
今年Z8 Z9を発売しても噂の性能ではCやSに追いつけないでしょう。CやSは更にその上の性能を持ったR1 α9Ⅲを発売するでしょうから。
現状、10万円のZ 50がボトムで、シェアを追うのは止めたのでしょう。
いずれ廉価機や高速連写機がも出るでしょうが、皆が20連写してオリンピックでも撮るのでしょうか?
アマチュアに不要な機種を後回しにするのは、経営判断として正しいと思いますが。
ニコンってなまじシェアが大きいからなあ・・・
ペンタックスだったら、開き直って「一眼レフ専門メーカー」としてニッチに生きていくことも可能だと思うけど。
元々少ないのでユーザー数^^;
個人的には、一眼レフ+レフ機そっくりさんミラーレス。
つまり、中身はZ5でいいから、外見と操作系は銀塩ニコンみたな。
Dfのミラーレス版をシリーズ化。
でも、それだと商売として成立しないですね、ニコンの規模だと。
そもそも大口径のZマントを出しだ時点でS C に対する真っ向勝負ですよね。
ニコンが考えているのは。
ううむ・・・
動画メインはSonyでも良いしかし風景や人の色味はNikon・Canonが強い
両社のスチールと映像の完成度はほぼ同格になってきている同時にSonyに追いついている
独特なFilm処理はFujiも人気は高い
日本では分からないが海外ではSonyより先ほどの3社が今は高い評価である
Sonyの色味と操作慣れないと戻る人も多いNikonは次に必ず上がるだろう
Sonyは問題を据え置きしているこのままは落ちるだろう
キヤノンは海外でも評価されてるけど、ニコンはもはやそうではないでしょう
評価されてないからZも売れない
かつての栄光が忘れられない一部のファンが願望もこめて言ってるだけでは
ニコンのミラーレスは日常の多くの場面で過不足を感じる事は無いと思います。
ただ、イメージが固すぎて女の子達やファミリー向けにに売れるカメラでは
無いように思えます。
他に会社の屋台骨を支えられる事業があれば高級路線でもいいと思いますが
工作機械等、新規事業はもう少し時間が掛かりそうなので持ちこたえられる
よう頑張るしかないですね。