■ 米国政府が日欧に圧力をかけたら?
米国製の製造装置なしで40~28nmを立ち上げようとしているSMICは、さらなる困難に直面する可能性が高い。今日までの米商務省のファーウェイへの徹底的な攻撃を見てくると、米国政府が日本およびオランダ政府に、SMICに装置を売らないように圧力をかけると思われるからだ。
実際、TELやSCREENが、SMICへの装置の供給をやめるかもしれないという話が聞こえてくる。また、中国で露光装置ビジネスを拡大したいはずのニコンが、「ノーコメント」と言い始めた。さらに、EUVの出荷を取りやめたASMLが、もしかしたらEUVだけでなく、ArF液浸の出荷も見合わせる観測も浮上している。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/e33508bf02e7a2769c61178d073b667b40327649
米国によるファーウェイへの攻撃
JBPressがファーウェイの今後について報告しています。全文はかなり長く詳細ですので、詳しくは記事元リンクからご覧ください。
米国政府がファーウェイにバックドアがあり、個人情報などを盗まれる可能性があると問題視しています。そのためファーウェイに圧力を掛けているのですが、実に様々な方法を利用しています。
まずはアメリカがアメリカ製の装置を利用して作られた半導体をファーウェイに販売することを禁止したため、ファーウェイが利用していた台湾の半導体受託製造工場であるTSMCからの半導体出荷が停止されました。
それでは中国はどうするか?というと中国国内の半導体受託製造工場であるSMICに半導体の製造を委託しようとしたのですが、この工場はまだ技術的に問題があり、台湾のTSMCほどの繊細の加工技術を得ていないのだそうです。
じゃあ、中国のSMICも海外からの製造装置を輸入して、最先端の半導体を製造すればいいじゃない?ということになるのですが、どうやらアメリカは欧州、日本の半導体露光装置のメーカにも圧力をかけていて、残念ながら欧州、日本の半導体露光装置製造メーカも中国に製品が納入できないような状況になっているということになっているようです。
3本柱の2つがもぎ取られたニコン
という背景があり、上記で引用した内容になります。この記事によれば、中国のSMICが日本から半導体露光装置を購入しようとしても、アメリカからの圧力がかかる可能性があり、それが実現しない可能性があるとしています。そして、ニコンとしても中国での事業拡大に期待していたようですが、米中の経済戦争に巻き込まれる形で、中国での事業拡大が不可能になるかもしれないとしています。
ニコンの主力事業というとカメラなどの映像事業、半導体露光装置などを思い浮かべます。映像事業に関してはカメラ市場が縮小し、新型コロナウィルスの影響もあり赤字になる可能性があるとされています。それに加え、もう一つの主力事業である半導体露光装置までも、売りたくても売れないという状況が続くと非常に厳しい状況になる可能性がありますよね。このあたり、どうなるのか非常に心配ですね。
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コメント
コメント一覧 (5件)
うーん…ニコンがインテル以外に半導体露光装置で活路を見いだしたかったのが中国市場だったんでしょうか?
ノーコメントとはまた判断のつきかねる…
20年度の2021年3月期業績予想で言及があったように
半導体露光装置はコロナ前に前倒しで前期の内に据付完了していたのと、既に主要顧客の設備投資が一巡していることで
長期的にはわかりませんが、直近においての落ち込み幅は、コロナにより赤字化したとしても想定内になるかと思います。
FPD露光装置についても渡航面での制約や来期以降への遅延はあるものの
ニーズと設備投資は底堅く推移しているとのことなので
こちらに関しては中期くらいまで問題ないのではないでしょうか
精機事業は成長軌道でこそありませんが、
あまりに悲観的になりすぎる事もないかと。
うーんニコンの半導体露光機は米インテル以外にはほとんど売ってないのでSMICに輸出のできなくても影響はほとんど無いと思いますね。既に売った装置の修理・調整であれば輸出規制にも引っ掛からないし。ニコンがEUV露光機作ってる状況なら話は違ったのですが…
先月28日に各紙で報じられたSMICの事実上の禁輸措置前後の報道を洗っていくと、中国の半導体メーカーは自社にも制裁が及ぶことを恐れ、駆け込みで各種製造装置を買い急ぐ動きが加速している結果
半導体製造装置の20年度の世界販売額はむしろコロナに喘ぐ中での福音とも言うべき特需で押し上げられ過去最高となる見込みのようです。
SMICより手前の華為技術への制裁強化の影響もあり、これらの流れは更に激しくなっています。
しかし報道後もニコン株の売り傾向は止まらず、一時700円割れして現在も700円前後となっています。
特需の主役は中国であるもののニコンの主要顧客はアメリカにあり、良くも悪くも影響が限定的であるためです。
また納入先と思われるIntelも最近TSMCのプロセス競争の動きとは別に
ポスト半導体としてデータカンパニーになる方針を打ち出しており、データ自体のサービスやそのインフラづくりへと軸足を移しつつある動きをしています。
Intelはファブレス化について、ファウンドリをフル活用するとは明言していないが選択肢の一つであると述べており
長期での製造装置分野では不透明感が増しているようです。
システムLSIから完全撤退した東芝や、ニコンと同様の事情を抱える日ハを含む日立製作所・独シーメンスも、ポスト半導体関連事業の育成としてデータカンパニー化の動きに追随しており、こうした移行の流れは今後も続くものと思われます。
ニコンをハイテク株やマネーゲーム的な視点で捉えると、9月1日の800円から百円を下げる格好となっており
市場領域の拡大や売上高の構造改革ができなければ中期的な営業黒字は難しいとして、JPモルガンが投資判断を1段階引き下げ「アンダーウエート」としています。
半導体製造装置でニコンが中国での事業拡大を水面下で図っていたとすれば、投資家の要望も色濃く含んでいたかもしれません。
追伸:
2パラの報道後以下に繋がる半導体製造装置買い急ぎ報道の出典は今年9月23日付け日経『世界の半導体製造装置販売、今年過去最高の647億ドルに』です。
序盤で別の出典からSMICの事実上禁輸措置に触れた件との時系列の前後関係が一部不明瞭だった点おわび申し上げます。
仕向け地別では、首位が中国向けで166億ドル、2位は台湾で159億ドル、3位は韓国で154億ドルと予測…となっております。
待った待った
同じように半導体製造装置作って海外に売ってるキヤノンはどんな状況なんだ?
上期ではパンデミックでニコンと同じように売上高減のあおりを受けてたと思うんだが
SEAJのデータとレポ読んでくるか…