■ ニコンの年別特許出願公開数
・2013年 1832件
・2014年 1289件
・2015年 1086件
・2016年 510件
・2017年 728件
・2018年 667件
・2019年 558件
・2020年 270件(8月13日まで)■ キヤノンの年別特許出願公開数
・2013年 7638件
・2014年 6727件
・2015年 8244件
・2016年 7620件
・2017年 3926件
・2018年 8810件
・2019年 6780件
・2020年 7408件(8月13日まで)(記事元)https://ipforce.jp/
ニコンの特許出願件数が激減
ニコンの特許出願件数が激減しています。上記の数値は、特許庁が公開した、ニコンとキヤノンの特許出願公開数です。かいつまんで言うと、特許を得るためなどに出願した数と考えるとわかりやすいと思います。
この数をみるとキヤノンの出願数が圧倒的に多いことがわかりますね。それもそのはずで、キヤノンの特許の出願数は日本で1位を争うほどのものです。それに引き換えニコンが圧倒的に少ないような感じもしますが、数値的には出願公開件数ランキングでは30位~60位にランクインするぐらいの特許を出願しており、決して少ないほうではありません。ですが、日本を誇る企業としては、少なめと言えるのかも知れません。
技術開発への投資が減っているのか、投資の集中なのか
数字をみればわかると思いますが、キヤノンは常に一定レベルと言っていいほどの件数の特許を出願しています。平均すると最低でも年間6000件以上の特許を出願していると考えられます。もちろんただ出願件数が多ければいいというわけではありませんが、出願にはお金がかかりますので、何の根拠もなく特許を出願しているという可能性は低く、積極的に新しい技術に関して投資している結果がこのような出願数になっていると考えられます。
それに対してニコンはどうでしょうか?2013年こそ1300件以上とかなりの特許を出願していますが、その後はその出願数は減る一方です。2019年の出願数は2013年の3分の1以下になっており、今年の出願数はさらにそれを割り込みそうな数値となっています。
もちろん特許の出願件数が減っているから技術研究開発への投資額が減っているということはいえません。最近はニコンは医療分野などにシフトしているようですので、特に一定の分野に多くの投資をしているために一時的に特許の出願件数が減っているという可能性もあります。そして、特許として出願すると、ある一定期間は特許で守られますが、それ以降はだれでも利用できる技術になってしまうため、営業秘密として技術をかくまうようなことを検討している可能性もあります。
ですが、件数的には明らかに出願件数が減っていることは間違いないので、どうしても気になってしまう数値ではありますよね。公開されている特許の内容をみると、少なくともカメラ関連の特許はかなり減ってきている印象ですので心配になりますね。
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コメント
コメント一覧 (3件)
ニコンから撮影センサーに関する特許って聞く事は聞くけど、ソニー比べ圧倒的に少ない。デジタルカメラ全盛時代に撮影センサーの特許が少ないカメラメーカーってメーカーとして存続出来ないのでは?それと特許件数の減少は映像事業から撤退のフラグなのか?
ニコンがカメラから撤退したら、キャノンのカメラに変え様かな?ソニーはすぐ壊れそうで信用出来ないし
特許戦略をニコンがどう考えるかですね。
収益が悪くなる中、確実に特許が取得可能な案件に絞っているような気がします。
以前のリストラで優秀な技術屋さんが出ていってしまった可能性も考えられます。
以前あったハネウェルと日本メーカーのオートフォーカス訴訟でキヤノン、リコーの
2社が賠償金を払わず済みましたね。
キヤノンは自社特許とのクロスライセンス、リコーは自社特許侵害の逆提訴。
ミノルタはカメラ事業を手放す遠因となったようです。
特許戦略は難しいです。
集中と選択